廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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昨日のケバエ科に引き続いて、5/2に見たオドリバエ科のハエを実体顕微鏡で調べ、検索表を用いて属の検索を試みました。ハエは種類も多く、構造も複雑で、私にとっては分からないところだらけなのですが、勉強のつもりでやってみました。間違っているところも多いと思いますので、ご指摘いただければ幸いです。

イメージ 1

対象とするハエはこんなハエです。体長は11mm、大型のハエです。

イメージ 4

横から見るとこんな感じになります。

このハエは検索の結果、オドリバエ科に属することが分かりましたが、その時に用いた科への検索項目は、「絵解きで調べる昆虫」では次のようになります。

イメージ 2

これは以前オドリバエ科の検索をしたときのものと同じものです。短角亜目と長角亜目の違いは昨日のケバエ科のハエと比較するとよく分かります。

イメージ 3

左側が長角亜目のケバエ科、右側は短角亜目のオドリバエ科です。触角の節の数が圧倒的に違います。触角の基部2節は固定されていて、基部からそれぞれ柄節、梗節と呼んでいます。第3節以降は可動部分で鞭節と呼びます。左のケバエ科では、触角は全部で11節あるので鞭節は9節あることになります。これに対して、右のオドリバエ科の鞭節はわずか1節しかありません。「原色昆虫大図鑑」の検索表によれば、鞭節が4節以上からなるものを長角亜目、4節未満が短角亜目なのですが、短角亜目では、通常、鞭節は1節だけでできていて、その形がさまざまに変化しています。

上の検索表の項目に関する跗節と顔の写真を撮り忘れてしまったのですが、翅脈については次の写真を見るとよく分かります。

イメージ 5

この写真から、㊻の中室があること、○のRs脈が肩脈hから離れて分岐していることが分かります。そこで、オドリバエ科だろうということになりました。ただし、ここで用いた脈の名称は次に述べる検索表に付属した図によるものです。

オドリバエ科の属への検索は、「双翅目(ハエ目)昆虫の検索システムに関する研究」という三枝豊平氏の科研費の報告書(この題目で検索するとpdfがダウンロードできます)に載っているオドリバエ科の図解検索システムを用いて調べることができます。この検索表には図が載っているので、大変わかり易くなっています。

イメージ 6

この検索表で今回用いた部分だけを抜粋して引用します。また、関連する部分の写真を次に載せます。

イメージ 7

イメージ 8

まず、①については前脚が特殊な捕獲脚になっていないので、②に行きます。翅に中室があるので③に進みます。次の③は、Fig.2で分かるように、M1、M2、M3+4と3つに分かれていますので、④に行きます。さらに、R4脈を持っているので、⑤に行きます。

⑤は口吻に関するものですが、Fig. 1に示すように、下向きの長い口吻を持っています。従って、⑥に進みます。⑥の1〉は翅脈に関するもので、Fig. 2に示すように、R4脈が大きな角度で離反し、直線状であることが分かります。従って、この項目はOKです。次の2〉はSc脈の消失についてですが、同じ図の挿入図のようにSc脈は先端が途切れています。3〉はFig.3を見ると分かりますが、平均棍の前方に毛塊があります。従って、⑥の項目はすべてOKです。という具合にEmpis属にたどり着きました。

これから先の亜属の検索は、今回の個体が♀だったので途中で行き詰まってしまったのですが、とりあえず途中まで進んでみます。⑥aの口吻の唇弁についてはFig. 4を見て下さい。ハエは舐めるような舌を持っています。これを唇弁と呼んでいます。その唇弁を入れる鞘みたいなものが上唇です。オドリバエ科の場合、上唇の先が上咽頭裂歯と書いてあるように2つに割れて、獲物である昆虫を口吻で刺すときに刺しやすいような形になっています。硬い上唇で穴を開けて、そこから唇弁で摂食するような仕組みになっているのです。

検索項目は、その唇弁が太く、短いということですが、太いということはFig.4を見ると、何となく分かります。でも、短いというのは何に対して短いのか、あるいは他種との比較で短いのかがよく分かりませんでした。いずれにしても、おそらくこれはOKで、次の⑥bに進みます。後頭部は特に長く伸びてはいないので、⑥cに進みますが、ここから先は♂の形態に関するものなので、ここでstopです。

というわけで、結局、オドリバエ科Empis属というところまでたどり着いたことになります。

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