廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

全体表示

[ リスト ]

チビタマムシを調べる

先日、マンションの廊下でチビタマムシを見つけました。名前を調べようと思って図鑑を見てびっくり。似た種がぞろぞろです。一応、採集してきたので、いつもの顕微鏡+深度合成の方法で調べてみました。

実は、最近、「廊下のむし探検」であまりに虫が多いのでちょっと疲れてしまって、一昨日は温泉でのんびり。昨日ものんびりしようと思ったのですが、チビタマムシを調べはじめ、よく分からなくなり、次に、コメツキを5匹捕まえてきて亜科や族の検索をしようとして挫折、さらに、ヒラタカメムシの検索をしようとして挫折。ちょっとスランプに陥っていました。

今朝、通りすがりさんからの「この色で頭盾の縦横比が1:2ならエノキやムクノキを食べるナミガタチビタマムシかも」というコメントを見て、俄然、元気が出てきました。はっきりしないところも多いのですが、昨日調べた結果をお見せします。

イメージ 1

調べたのはこんな形の虫です。これでタマムシの仲間なのです。体長は3.8mm。結構、小さいのですが、前胸と翅は赤銅色に光っていて、頭部と前胸には金色の毛が、翅には白い毛で模様があり、その他は金茶色の毛が生えていて、大変綺麗です。

イメージ 2

表と裏を実体顕微鏡下で撮影してみました。翅に白い毛で模様があり、その他も金色に光って見えます。実は、この金色というところで先入観が入ってしまい、後で悩む原因になっていたことが今日になって分かりました。

はじめ、白い模様のパターンと頭部が金色ということから、クズノチビタマムシかなと思って、「原色日本甲虫図鑑III」の説明を読んでみると、「頭楯の幅は長さの約1.3倍」という記述があり、また、似ているなと思ったソーンダーズチビタマムシは「約1.8倍」と書いてありました。

そこで、頭楯とはどこかを探すために、とりあえず、頭部を拡大してみました。

イメージ 3

標本箱の底にひくPEF板を細長く切って、小さい長方形の試料台を作ります。それを半分に切り、一方にカッターナイフでくさび状の切込みをいれて、残りの板と合わせて針を刺してくっつけます。その三角形状の穴にチビタマムシを縦に入れました。こうして実体顕微鏡で前方から撮影したものが上の写真です。

頭楯はヒメハナバチの♂と♀を区別するときに見たことがあったのですが、チビタマムシのどれが頭楯に当たるかがよく分かりません。ネットで調べたのですが、どうも曖昧です。でも、おそらく口の上の部分、つまり、写真で光っている部分がそうかなと思いました。

イメージ 4

照明の当てる方向を変えてみました。頭楯と思われる部分は光らなくなり、その代わり、金色の毛が大変綺麗になりました。

頭楯と思われる部分の縦横比を測るために、この間クシコメツキの爪の拡大に用いた生物顕微鏡を使ってみました。作った試料台をそのまま顕微鏡にセットし、対物レンズは10x、以前と同じLEDのリング照明で対物レンズ側から照明し、顕微鏡のフォーカスを変えながら、以前紹介したミラーレス一眼で撮影しました。その写真がこれです。

イメージ 5

色ははっきりしないのですが、詳細に見ることができようになりました。複眼の間にある筋の入った部分が頭楯でしょうか。下にある楕円形に見える部分は上唇の一部でしょうか。この辺りがよく分からないのですが、とりあえず頭楯と思われる部分の縦横比を測ってみます。

イメージ 6

若干、どの部分を測るのかという点で任意性があるのですが、とりあえず測ったのは図の矢印の部分です。縦が376ピクセル、横が758ピクセルとなり、その比を取ると2.0になりました。それにしても、規則的な筋が入った面白い構造をしています。この筋の斜めになった面に光が当たるとピカっと光るのでしょうね。何かの合図になっているのかもしれません。

イメージ 7

ついでに触角も拡大してみました。こんな感じです。

さて、名前調べの方なのですが、最初に思っていたクズノチビタマムシは翅の地の色が黒なので、どうやら違うようです。そこで、図鑑を見てみると、地が赤銅色で体長が4mm程度なのは、ナミガタチビタマムシ以下ずらっと並んでいます。初め調べた時は、白い毛の模様から、ナミガタ、ヤノナミガタ、ドウイロ、キタドウイロ、シナノキあたりを候補に考えました。

図鑑の説明を読んで、ヤノナミガタは縦横比が1.5倍で除外、キタドウイロとシナノキは紫色を帯びるという点で違うかなと思いました。残りは、ナミガタとドウイロになるのですが、共に、縦横比は2倍で合っています。ナミガタの白い毛の模様はよく合っているのですが、毛はチョコレート色を帯びと書いてあり、私は毛は金色だと思っていたので、どうもしっくりきませんでした。一方、ドウイロは毛の色は金褐色と書いてあったので合うのですが、白い毛の模様がどうも違うようです。ここで、挫折していました。

今朝、通りすがりさんのコメントを見て、ひょっとしたらナミガタかもと思い、もう一度、翅を観察してみました。すると、金色と思っていた毛は、実は光の加減でそう見えただけで、実際はチョコレート色と言ってもよいような茶色でした。ということで、結論的にはナミガタチビタマムシかなということになりました。それにしても、肯定的にしろ、否定的にしろ、先入観というのは怖いですね。

この記事に

閉じる コメント(2)

顔アイコン

頭楯の場所はそこで合ってます。
なかなか写すのが大変なんですけど、工夫と画質が素晴らしいですね。
こんな触角だったとは初めて知りましたよ。
こちらではナミガタとヤノナミガタが同所的に居るんで、何の葉を食べていたか分からないと面倒なことになってしまいます。
何にしてもお役に立てた様で良かったです。 削除

2014/5/18(日) 午後 9:36 [ 通りすがり ] 返信する

顔アイコン

色々と有難うございました。また、よろしくお願いします。

2014/5/19(月) 午後 3:32 [ 廊下のむし ] 返信する

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

.


みんなの更新記事