廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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コメツキムシを調べる

この1年半ほど、「廊下のむし探検」をやってきたのですが、どうもコメツキムシだけは取っ掛かりがなくて名前調べが進みません。ちょっと苦手意識ができてしまいました。そこで、この苦手意識をなんとか解消しようと思って、名前の分かった個体を使って検索をやってみました。なにぶん素人がやっているので、間違いが多いと思います。そのつもりで読んでください。

イメージ 1

用いたコメツキはこれです。以前、通りすがりさんから教えていただき、アカハラクロコメツキだろうと思われる個体です。このコメツキは分類上、コメツキムシ科コメツキ亜科第1群コメツキ族コメツキ(Ampedus)属に含まれていますので、ある意味で典型的コメツキですね。
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これは表と裏から見た写真ですが、腹の部分が褐色になっています。これがアカハラという名前の由来のようです。

さて、このコメツキを検索表に従って、その特徴を調べてみました。用いた検索表は、「絵解きで調べる昆虫」(文教出版)に出ているもので、大平仁夫氏によって書かれた表です。まず、亜科の検索をしてみます。

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行き先がコメツキ亜科ですので、それに関連するところだけ抜粋して引用しました。

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この検索表に関連する部分の写真をFigs. 2-7に示しました。まず、①については、Fig. 2を見ると分かりますが、触角は複眼の内側に接近してついています。後半の「前頭部が細くならない」というのは、上から見たFig. 7で分かるはずですが、どの程度のことを言っているのかよく分かりません。

②の「前胸腹板突起」は、Fig. 3で示しています。前肢基節腔を越えて長く伸長しています。③の「爪の内側の剛毛」は、Fig. 4を見ると、あると言えばあるような気もしますが、これをNoにするとサビキコリ亜科になってしまうので、サビキコリ亜科の場合はもっとはっきりした剛毛があるのでしょう。④の「中肢基節腔の外側は開いているか」という表現は、ちょっと分かりにくかったのですが、おそらくFig. 5の黄色の矢印で示す部分に、穴の開いたような空間があることを示しているのだと思います。

⑤の「大顎の小歯」は、Fig. 6に黄色の矢印で示しましたが、写真ではちょっと見にくくなっています。⑥の「爪」はFig. 4のように単純です。⑦の「頭部は楕円形状」は、Fig. 7のように、上から見ると、頭部がほぼ楕円形になっていることを指しているのだと思います。「口器は下方に開く」というのはよく分かりませんでした。ということで、コメツキ亜科であることがだいたい分かりました。やはり相対的な表現があるので、1個体を見ただけでは分かりにくいところがあります。

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大平氏はコメツキ亜科を上の3つの群に分けています。アカハラクロコメツキは第1群に含まれます。その検索は次の項目によります。

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これに該当する部分は、Fig. 2とFig. 6で見ることができます。前頭横隆線についてはFig. 2に示してありますが、はっきりとした隆起線があります。横溝はその下にある溝のことだと思います。ただし、よく見ると、両側でははっきりしていますが、中央では不明瞭です。でも、ともかくこれは明瞭というべきなのでしょうね。ということで、第1群に入ることが分かりました。(追記:前頭横溝はFig. 2の白い溝のことかなと思い始めました。ご存知の方はお教え下さい

さて、この大平氏の文では本文とは別に、図でも検索表が載せられています。内容的には、本文とはちょっと異なったやり方で検索をしています。書き方にいくつか疑問になる点もあるのですが、この図からコメツキ亜科の族の検索ができそうなので、検索表にしてみました。

イメージ 12

そこで、この表を使って検索をさらに進めてみましょう。①は先ほども言いましたが、Fig. 7のように、上から見ると前頭横隆線がU字型であることが分かります。従って、②に進みます。②については爪が単純なので、③に進みます。③は次の図を見ると分かります。

イメージ 13

これは肩の部分を見たところですが、黄色の矢印で示したのが前胸腹側板線で、黒い帯(溝)を挟んで2重になっていることが分かります。そこで、④に進みます。④は「跗節は簡単」という項目ですが、Fig. 4に示すように、特に膜状になっているところは認められません。そこで、コメツキ族ということになり、無事に目的地に到着しました。

なんとか辿り着いたことは辿り着いたのですが、ここまで理解するのにだいぶ時間がかかってしまいました。やはり甲虫は難しいですね。今度、別のコメツキを見つけたら、また、検索をしてみたいと思います。

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驚きました !
こんな事まで 出来るのですね
もう、素人とは かけ離れているような
・・・論文に 近いのでは ?

コメツキムシは 子ども頃 お腹を上にして しばらく放置しておくと パチンと 跳ねて ひっくり返るのを 凄いなぁ〜なんて 見ていました。私は パッチン虫 と言ってたような ? ・・・^_^;

2014/5/22(木) 午後 2:50 [ toko ] 返信する

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tokoさん、こんにちは。

昆虫は深みにハマるとどんどん難しくなっていきますね。なんとか、コメツキの名前を知りたいと思っていたら、こんな事になってしまいました。それでも、まだ族名までで、種名まではずっと先の話です。大変な世界ですね。でも、顕微鏡をのぞいていると、いろいろな構造が見えてきて結構面白いです。

2014/5/22(木) 午後 5:03 [ 廊下のむし ] 返信する

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これだけ難しいと、可愛いアカハラクロコメツキも悪魔に思えてきますね(笑)

やっぱり、部位の名称と比較級の表現には手を焼きますね。
尤も、そんなものが無くてもコメツキなら手を焼きますが…

おそらくはコメツキ界屈指の判り易い種であるヒゲコメツキやウバタマコメツキ、フタモンウバタマコメツキ辺りで検索してみると良いかも。 削除

2014/5/22(木) 午後 8:30 [ 通りすがり ] 返信する

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通りすがりさん、コメント有難うございました。

仰るとおり部位の名称と比較級の表現はどの検索表も悩まされますね。検索表に図が載っているとよいのですが、私の見ている「絵解きで調べる昆虫」では図が小さいのと説明が少ないので、何を指しているのかが分からず、悶々とすることが多かったです。でも、我慢して少しずつ進めていけば、そのうち分かるのではと気楽に考えています。それに顕微鏡を観るのは楽しいですし。

2014/5/23(金) 午前 5:41 [ 廊下のむし ] 返信する

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