廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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これまで、実体顕微鏡と生物顕微鏡を用いて、昆虫の微細な部分の深度合成写真を撮ってきたのですが、実体顕微鏡ではどうもシャープな画像が得られず、また、生物顕微鏡では照明が難しくて苦労していました。そこで、まず、なぜ実体顕微鏡でシャープな画像が得られないのか、その原因を調べてみました。

といっても、実は、いろいろとやってはみたのですが、あまりうまくいかなったという話です。

イメージ 1

最初の写真はナミガタチビタマムシという小さなタマムシの仲間の頭の部分の写真です。両側に複眼があって、その間に横線の入った四角い部分があるのですが、これが頭盾です。この縦横比で種類を見分けます。

Aの写真は生物顕微鏡で対物レンズを10倍にして、焦点位置を変えながら撮影し、CombineZPというフリーの焦点合成ソフトで合成したものです。右側は実体顕微鏡でズーム最大倍率5.6倍で同じく撮影したものです。頭盾の部分を取り出したものを下に載せていますが、明らかにAの生物顕微鏡の方が鮮明です。倍率も撮影条件も違うので単純には比較できないのですが、実体顕微鏡撮影は一般に鮮明さにおいては劣っているようです。

イメージ 2

そこで、鮮明さを定量化するために、以前用いていた対物ミクロメータを用いてみました。対物ミクロは上の写真のようです。中心に1mmを百等分した目盛が打ってあります。この対物ミクロを斜めにして試料台におきます。そうすると、焦点を合わさなくてもどこかの目盛で焦点が合いますし、また、焦点の合う範囲が求められます。上の写真はそうやって撮影したものですが、右端と左端のリングは焦点が合っていませんが、中心では合っていることが分かります。

イメージ 3

この中心部分だけを拡大したものが、一番上の写真です。ただし、これはズーム最大の5.6倍を用いたときのものです。黒の四角で囲んだ部分をImageJというフリーソフトで解析しますと、黒い線は暗い部分、白い背景は明るい部分になるので、真ん中のグラフのように目盛線の部分だけが下に凸になったグラフができあがります。

このグラフを良く見ると、左側に裾を引いていることが分かります。これが鮮明さを劣化させる原因かもしれません。その原因を調べるため、画像をRGBに分解して調べてみました。上の3つのグラフがそれです。その結果、緑と赤は良好なのですが、青はどこにも焦点が合っていないことが分かります。一番右に数字の4の文字を示していますが、青はぼやけてしまっています。

イメージ 6

グラフから目盛線の見かけの幅をピクセル単位で求め、対物ミクロの目盛の位置でプロットしたものが上の図です。赤と緑では中心付近で下に凸のグラフができますが、青でははっきりしません。このグラフから青を除いて考えれば、合焦範囲とこのシステムでの分解能が求められます。対物ミクロを斜めにしたときの角度を用いて、焦点が合っていると思われる範囲を求めると45ミクロンになりました。目盛線の実際の幅は1ミクロン程度なので、見かけの幅は倍率で割ると、ほぼそのまま空間分解能になり、この場合は約4ミクロンになりました。カメラをNIKON D90からD7100に変えても空間分解能自体は変化しないので、この分解能は実体顕微鏡の性能で決まる値ではないかと思います。

この結果から、青を入れないで撮影すれば鮮明に撮影できるかもという推測が立ちます。

イメージ 4

そこで、実体顕微鏡の光源になっているLEDランプに緑色フィルターを入れて緑を強調した場合(B)と、黄色いセロファン紙を入れて青をカットした場合(C)について、同じような実験をしてみました。それが上の図です。入れない場合(A)に比べると、Bではやや改善し、Cでは相当改善していることが分かります。

ちょっと期待が持てたので、早速、撮影をしてみました。

イメージ 5

対象としたのは、体長5mmのクチブトゾウムシの顔の部分で、実体顕微鏡のズーム5.6xで撮影したものです。撮影条件はNIKON D90のマニュアルモードで、シャッター速度はAが1/3秒、BとCが1/2秒で、それぞれ焦点位置を変え約30枚ほど撮影して、CombineZPで合成しています。

BとCでは若干鮮明になった気もしますが、全体としてはあまり変化はありません。Aの四角の部分を拡大したものを下に示しますが、鱗片や剛毛を見ると、Aではやや左側に裾を引くような画像を示し、BとCではそれが改善されていることが分かります。

確かに改善はしているのですが、思ったほど鮮明になったという印象ではありませんでした。また、何しろ、画像に色が着いてしまうのは致命的です。そう思って白黒にしてみると、明るさだけの情報になるので細かいところがはっきりしなくなり、かえって見にくくなります。やはり、分解能が高くないという実体顕微鏡の性能が原因なのでしょうか。もっと鮮明に撮るには生物顕微鏡での撮影を工夫した方がよいかもしれませんね。ちょっと悲観的な結論になりましたが・・・。

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