廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

全体表示

[ リスト ]

この間から、クサカゲロウの勉強のために、廊下に来たクサカゲロウを捕まえては調べているのですが、今回はヤマトクサカゲロウらしい個体が見つかったので調べてみました。

イメージ 1

これがいたのは2日前で、こんな写真の個体です。クサカゲロウの仲間は遠目から見ると皆よく似ているのですが、頭部や胸部の斑点が結構違っていて、それを使って見分けることができます。

イメージ 2

これは4種の頭部と胸部の一部を写したものですが、この4種は下唇肢や小腮鬚の色、矢印で示した頬や前胸前縁角の斑点に違いがあることが分かります。カオマダラクサカゲロウの写真は先日調べた個体で、カオマダラとは断言できなかったのですが、少なくともそれに近い種かなと思った個体です。

クサカゲロウの種の個別の説明は図鑑ではそれほど詳しくないので、1919年の岡本半次郎氏の「本邦産草蜻蛉科に関する研究」(こちらからダウンロード可能)の説明を使って調べています。ヤマトクサカゲロウについて、部位別に書いたものが次の表です。この表に沿って調べてきます。

イメージ 3

まず、ヤマトクサガゲロウの体色については、ここに書かれているような淡赤紫色のほかに、上の写真のような黄緑色の個体がいます。淡赤紫色の個体は越冬型だと考えられています。次に、頭部については顕微鏡を使って少し拡大してみました。

イメージ 4

イメージ 5

イメージ 6

Fig. 1と2は実体顕微鏡、Fig.3は生物顕微鏡に対物10xを取り付けたもので、写真はいずれも深度合成の方法を用いて合成しています。顔の模様は複眼近くに長方形状の黒い模様があり、境界(額片の境界?)に沿って黒いぼんやりとして模様があり、記述とほぼ合っています。ただ、複眼の周りが赤く彩られるというところは見られませんでした。おそらく、体色が淡赤褐色の個体で見られるのではと思っています。

次に小腮鬚と下唇肢の色についてですが、Fig. 1や2を見ると、書かれている通り、外側だけが黒褐色になっていることが分かります。小腮鬚の部分をさらに拡大してみました。

イメージ 7

こんな風に、下唇鬚の各節の一部だけが黒褐色になっていることが分かります。

触角は一番上の写真を使って長さを測ってみると、触角の長さ:上翅の長さ=0.81:1となって、触角の方が遥かに短いことが分かります。次の頭頂がはなはだしく突出するというのは、Fig. 2の矢印の部分を指しているのかもしれませんが、上から2番目の写真を見ても、他の種と比べてもそれほどはなはだしくというわけでもなさそうです。

イメージ 8

前胸についてはFig.5で示すように、横隆起、横溝、縦溝が見られました。この部分の形状は種により少しずつ異なっている感じです。

腹部、肢については書かれている通りで、次に翅に移ります。

イメージ 9

これは前翅を示したものですが、まず、右上にうっすらとした縁紋が見られます。次に翅脈の色について書かれていて、ところどころに黒色の部分があるということですが、よく見るとそうかなぁという程度ではっきりとはしませんでした。(追記:翅中央部分のMと書いた脈は、発生過程でいくつかの脈が合わさってできているので、Psm(pseudo-media)と書いた方がよいようです。14/10/18のブログを見てください

第1横脈(左の矢印の部分)が第3中分室(cc)に直接交わるのではなく、より外方で交わっていることが写真からも読み取れますが、これも書かれている通りです。次の段横脈は写真の右側の矢印で示した部分だと思うのですが、その数は上側では6個、下側では5個になっています。従って、6/5と書かれると思うのですが、記述とは若干異なりました。これは、個体差なのか、あるいは、季節などでも異なるのかはよく分かりませんでした。

ということで、おそらくヤマトクサカゲロウで合っているのではという感じですが、もう少し別の個体も調べてみることと、淡赤紫色の越冬型の個体も調べてみる必要があるなぁというのが感想です。

この記事に

閉じる コメント(2)

顔アイコン

翅脈の色は、角度によっても分かりにくいんですけど、多分合っていると思います。
生体を角度を変えて何枚も撮っていると、色が黒い脈があるのが分かるという程度に分かりづらいと思います。

体色については、秋が深まってからや春先に活動を再開した頃には、通常の色のものから越冬色のものが見られるチャンスで、色が変わる途中の個体も見られます。
この記述はそんな時期に得られた個体を元に書かれたものでしょうね。
越冬色になると淡赤紫色と表現されている色になりますが、越冬色に変わり始める時は、体色が薄くなり始めると同時に、顔だけでなく、胸部や腹部にも赤い模様が出てきて、斑になりますが、その後の変わり方は未確認です。 削除

2014/8/13(水) 午後 3:24 [ 通りすがり ] 返信する

顔アイコン

通りすがりさん、コメント有難うございました。

翅脈の色、確かにはっきりしませんでした。強いて見ると黒いかなと思われるところがありましたが、なかなか微妙ですね。

ヤマトクサカゲロウ、これから色が変わっていくときに観察すると面白そうですね。楽しみができました。

2014/8/13(水) 午後 9:00 [ 廊下のむし ] 返信する

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

.


みんなの更新記事