廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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マンションの廊下を歩いていると、小さなハエがいることによく気が付きます。

イメージ 1

拡大するとこんな感じの虫ですが、普段は小さいのであまり気にしていませんでした。先日、1匹を採集してきて顕微鏡で観察してみました。すると、眼橋と呼ばれる面白い構造があることが分かったので、いつもの深度合成の方法で写してみました。

まず、これが何科のハエかを調べてみました。検索には、「絵解きで調べる昆虫」(文教出版、2013)を用いました。この本は絵解きなので、素人でも分かりやすく書かれています。

イメージ 2

大きさは体長が5mmほどの小さなハエです。このハエについて先ほどの検索表で調べていくと、最終的にはクロバネキノコバエ科にたどり着きました。ここに到着するのに必要だった項目を並べてみると、次のようになります。

イメージ 3

タイトルにある長角亜目はハエ目のうち、長い触角を持っている仲間を指します。

イメージ 4

今回の個体もこんなに長い触角を持っています。①はガガンボ類を除外する項目ですが、中胸背にV字型の溝があればガガンボ、なければその他ということになります。

イメージ 5

この写真のように中胸背には溝はありません。この写真でも少しだけ眼橋が見えていますが、最後にもっと拡大した写真をお見せします。②から④は翅脈に関するものです。

イメージ 6

この個体の翅脈は非常に単純で、二次脈と言われる細い脈や中室などの脈で囲まれた部屋はありません。さらに、C脈は翅を一周することなく、R4+5を過ぎた辺りで終わっています。これでいくつかのハエの仲間を除外することができました。(追記:翅脈の名前はManual of Nearctic Diptera Vol. 1 (1981)によっています。この本に載せられている翅脈の名称は、CuPの解釈が異なっているため、おそらく「原色昆虫大図鑑III」のものとは違うのではないかと思います

⑤の単眼は上の写真でも見えていますが、ちゃんとあります。⑥はまた翅脈の部屋の話です。⑦の中・後脚脛節の刺は次の写真を見てください。

イメージ 7

この写真から刺があることが分かります。次の⑧は翅脈に部屋がないので、開いていることになります。そして、いよいよ眼橋です。

イメージ 8

頭の上から写したものです。ちょっと触角が邪魔をして完全には写らなかったのですが、右側の複眼と左側の複眼を結ぶ眼橋(eye bridge)と呼ばれる複眼が延長したような構造が見られます。よく見ると、右と左は完全に結合しているわけではなく、中央でわずかだけ離れています。こんな構造は初めて見たので、ちょっと興奮しました。いずれにしても、この眼橋があるとクロバネキノコバエ科だということになります。一般には、特徴的な翅脈と眼橋が見つかるとこの科だということがすぐに分かるようです。

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はじめまして。クロバネキノコバエの成虫画像を探していてこちらをみつけました。
意外と身近にいる昆虫だったのですね! もしご許可をいただけるようでしたら一番上の画像をFacebookに使わせていただきたいのですが...ご検討いただけると幸いです(ー人ー)

2016/8/4(木) 午前 11:41 [ pon*era** ] 返信する

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pon*era**さん

初めまして。こんな写真でよければどうぞお使いください。

2016/8/4(木) 午前 11:55 [ 廊下のむし ] 返信する

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