廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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ハエの有弁翅類の特徴

ハエの翅基部に膜状の覆弁があるものを有弁翅類と呼んでいます。これまでハエの検索をいくつか試みたのですが、フンバエらしき個体のところでいつもつまづいてしまうので、昨日は覆弁について少し勉強してみました。

覆弁があるかどうかというのは、イエバエ、クロバエ、ヤドリバエなどの仲間か、シマバエ、ヤチバエなどの仲間かを区別する重要な項目として検索表に載っています。ただ、昨日お見せしたように、無弁翅類といっても覆弁が全くないというわけではなく、シマバエでも2種類ある覆弁のうち、端覆弁の方は持っていて、基覆弁だけが見られないということが分かりました。ただ、フンバエのように有弁翅類でありながら基覆弁が線状になって見難い種もあり、覆弁だけで判断するのは難しそうです。

「原色昆虫大図鑑III」のハエ目の検索表には、有弁翅類の特徴として、1)翅下瘤が発達する、2)触角梗節の背面に明確に縫線が入る、3)通常は鬚剛毛を生じる、4)通常は基覆弁が発達する、5)翅のSc脈とR1脈は融合しない、の5つの必要条件を載せています。この条件をすべて満足したら有弁翅類だということです。覆弁についても4)に載っていますが、「通常は」とされていて、それほど強い条件ではありません。無弁翅類の特徴も比較しながら読むと、5つある項目のなかでは、むしろ、2)が重要な特徴であることが分かりました。

それで、昨日は有弁翅類についてもその特徴的な部分の写真をいろいろと撮ってみたので、記録のつもりで載せておきます。

イメージ 1

写真を撮ったのはこんなハエです。検索の結果、イエバエ科になったのですが、名前は分かりません。3-4mmの小さなハエです。なぜもっと大きなハエでやらないかというと、大きなハエはちょっと気持ち悪くて・・・。

とりあえず初めに、また、翅の基部をお見せします。

イメージ 2

翅の基部には端覆弁、基覆弁という2つの覆弁が見えます。これで4)は満足されました。その他、この写真では翅脈も見えるので、5)も調べてみます。上の方にある細い翅脈がSc脈です。その下の太い翅脈がR1脈です。写真でも分かりますが、2つは独立していて融合していません。従って、5)も満足されました。この図にはついでにいろいろな翅脈の名称を「大図鑑」に従ってつけてみました。なお、素人がやっていますので、間違っているかも知れません。

イメージ 7

次は体の横側です。横側はいくつかの部分に分かれています。それぞれの部分に名称がついているので、勉強のつもりで、「大図鑑」の絵を見ながら名前を付けてみました。翅の基部あたりでちょっと分からない部分もあるのですが、大体は名前が付けられました。翅の基部のところを拡大してみます。

イメージ 3

覆弁が2枚見えています。この2種類の覆弁は起源が少し異なっていて、Manual of Nearctic Dipteraなどの説明を読むと、端覆弁が翅の根元で広がった部分の延長として考えられているのに対して、基覆弁は小盾板の付属物と考えられているようです。さて、その覆弁の左側には丸い突起が見えます。これがおそらく翅下瘤だと思います。1)の項目はこれが発達するということですが、どの程度を発達しているかというのはよく分かりません。おまけに、無弁翅類でもこれが発達している種があるようです。でも、ともかく、1)は満足されました。

イメージ 6

次は3)の鬚剛毛についてです。「大図鑑」の検索表の本文には鬚剛毛とあり、絵には鬚刺毛とあって、統一されていませんが、絵の方を採用して上の写真には鬚刺毛として書いてあります。太い大きな鬚刺毛が1対あります。これで3)もOKです。勉強ついでに、図鑑を見ながらいろいろな部分の名称も入れてみました。(追記:額眼縁刺毛のうち、長い刺毛は内頭頂刺毛のようです。後で、写真を訂正しておきます)(追記:刺毛の名前を訂正しました

イメージ 4

最後は、2)の「触角梗節の背面に明確に縫線が入る」という点です。梗節は触角の各節のうち、ちょっと黄色に見えている部分です。この背側に縫線が入るということですが、縫線はこの写真でも十分に見えますが、趣味的にその部分だけもっと拡大してみました。

イメージ 5

赤矢印の部分がその縫線だと思います。ということで、2)も満足されたので、無事、有弁翅類だということが分かりました。

2,3ヶ月前にはどれもこれもハエで済ませていたのですが、最近は検索をしてみることにしています。まだ、慣れなくて悩んでばかりいるのですが、こうして写真を撮って名前を入れていくと知らず知らず各部の名称に親しみが湧いてきます。まさに、「習うより慣れよ」ですね。

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有弁翅類と無弁翅類…ヒツジバエ上科の大型種の様な、如何にもハエという姿のものなら迷うこと無く有弁翅類ですが、中型種などは紛らわしいものが出てきますね。
こうして見てみると、改めてハエは捕獲前提と言われるのがよく分かって良いですね。 削除

2015/1/13(火) 午後 0:11 [ 通りすがり ] 返信する

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捕獲前提はよいのですが、ハエがどんどん溜まってきますね。それで今日は標本を作ってみました。うまくいくとよいのですが・・・。

2015/1/13(火) 午後 8:46 [ 廊下のむし ] 返信する

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