廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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廊下のむし探検 第479弾

今日は気温は低かったのですが、何となく外は明るくて、ちょっと虫がいそうな感じがしました。それで、午前と午後の2回も廊下を歩いてみました。予想通り、今日は変わった虫がいろいろ見られました。

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変わった形の虫です。もし見るのが初めてだったら、何だかさっぱり分からなかっただろうと思うのですが、1月7日に同じような虫を見ていたので、今度はすぐに分かりました。そう、これは翅が退化し、天敵のいなくなった冬に、雪の上を歩き回るというクモガタガガンボですね。およそガガンボには似ていないのですが、それでも、ガガンボ科ヒメガガンボ亜科ホシヒメガガンボ族クモガタガガンボ(Chionea)属に属しています。でも、以前見た時は1cmくらいの大きさはあったのですが、今度はずいぶん小さい個体でした。測ってみると、体長は4.1mm。

九大の昆虫学データベースによると、日本には、

カネノクモガタガガンボ Chionea kanenoi Sasakawa 北海道、本州
ニッポンクモガタガガンボ Chionea nipponica Alexander 北海道、本州
チビクモガタガガンボ Chionea gracilistyla Alexander 本州

の3種がいることになっています。以前と同じように、カネノとチビの検索は次の韓国の人の論文に載っているので調べてみました。

S. Suh et al., Entomol. Res. 44, 86 (2014).

最初は脛節の先端が膨れているかいないかという項目で、この個体は膨れていないので2種を除外でき、さらに、触角が7節だったらC. crassipes、11節だったらC. kanenoiに到達します。C. crassipesは最近2つの亜種gracilistylaとmagadanensisに分かれ、上に載せたチビクモガタガガンボはC. crassipesの亜種になっています。そこで、触角をちょっと拡大してみます。

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あまりはっきりとはしませんが、この写真から11節か12節かというところまでは数えられます。従って、おそらくカネノクモガタガガンボ C. kanenoiかなと思われます。ニッポンクモガタガガンボ C. nipponicaは高山で見つかっているということと、C. kanenoiは近畿地方でも見つかっているようで、さらに、上記の論文によると C. kanenoiの大きさが3mmだとのことからカネノクモガタガガンボの可能性が高いかなと思っています。最終的には♂の交尾器を調べる必要があるのでしょうね。

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ちなみにこの個体の腹部先端はこのように尖っていて、♀であることが分かります。先日見たのは遥かに大きな個体だったので、別種かもしれませんね。それにしても、雪の上を歩くというクモガタガガンボが、なぜ、マンションの廊下にいるのでしょうね。(追記:通りすがりさんから、「クモガタガガンボ、複数種の可能性ありそうですね。
九大目録以降に新たな発見もあった様ですし、まだ他に未記載種はあると思います。」というコメントをいただきました


次はフユシャクの♀です。

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マンションの外壁に止まっていました。今までに見たフユシャク♀に比べると遥かに小さい個体です。測ってみると、体長は4.8mmでした。クモガタガガンボと同じように、翅は退化して、おまけに口吻まで退化しています。翅の痕跡がほとんど見えないので、これはフユシャク亜科の♀ですね。でも、それから先は図鑑を見ても違いが分かりません。今頃だとクロテンフユシャクが一番多いはずなのですが、ウスバフユシャクかウスモンフユシャクで遅れて発生したものも可能性があるし、ホソウスバフユシャクが早めに出てきたものかもしれません。ちょっと分かりませんね。(追記:通りすがりさんから、「フユシャクのメスは1度産卵したみたいで、お腹も小さくなって腹端の毛束も減ってますが、まだ卵が残ってそうですね。」というコメントをいただきました

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今日はいろいろと虫がいました。これはムラサキナガカメムシです。2匹いて、1匹はじっとしていて、もう1匹は動き回っていました。寒いけれど何となく春を感じさせます。

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これはこの間から見ているトゲハネバエ科の仲間です。こいつは元気で、近づくとすぐに逃げてしまいました。

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これはユスリカ科の仲間でしょうね。小さい小さい虫です。

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そして、これはノミバエ科でしたね。だいぶお馴染みになってきました。(追記:Ziramさんから、「やはりまたMetopininaeっぽいですね。(顔盾の辺りは良く見えませんが)どうせMegaseliaなんだろうなぁと…。」というコメントをいただきました

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これはいかにもハエらしいハエですが、さて、何でしょうね。(追記:床の模様から判断した体長は9.6mm。M1+2脈は真っ直ぐで、しかも、Cu融合脈が翅縁に達しているように見えます。だとすると、ハナバエ、フンバエあたりになるのですが、雰囲気が違いますね。大きいのでためらったのですが、捕まえたらよかったぁ

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そして、いつものガガンボダマシです。

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クモもいろいろといたのですが、名前調べをする時間がありませんでした。また、後で調べてみます。

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閉じる コメント(6)

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クモガタガガンボ、はじめてみる昆虫です
見れば見るほど、昆虫は不思議な生き物ですね
それにしても、たくさんの虫を見つけられることに驚きです
私が同じ場所を歩いても、1つ2つ目にとめればいいほうでしょうね

2015/2/5(木) 午前 7:10 [ あおやまはるま ] 返信する

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あおやまはるまさん、お早うございます。

これは変わった虫ですね。正月に初めてみた時は何だかさっぱり分かりませんでした。よく見ると体の両側に平均棍が見えるので、ハエの仲間であることが分かりますよ。

> それにしても、たくさんの虫を見つけられることに驚きです

ブログのお陰でしょうね。何か出さなくちゃと思って隅々探しまわっているとなんだかんだいるものです。これからもよろしくお願いします。

2015/2/5(木) 午前 7:29 [ 廊下のむし ] 返信する

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クモガタガガンボ、複数種の可能性ありそうですね。
九大目録以降に新たな発見もあった様ですし、まだ他に未記載種はあると思います。

フユシャクのメスは1度産卵したみたいで、お腹も小さくなって腹端の毛束も減ってますが、まだ卵が残ってそうですね。 削除

2015/2/5(木) 午後 0:07 [ 通りすがり ] 返信する

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通りすがりさん、こんばんは。

ネットでいろいろ調べたのですが、情報が少なくてよく分かりませんでした。おそらく3種以外にもいるのでしょうね。もう少し数がいると、採集していろいろと調べられるのですが・・・。

フユシャク♀が変な格好に見えたのは、産卵で腹が凹んでいたせいなのですね。その後どうなったのかなと思って行ってみたら、今日も同じ場所に止まっていました。

2015/2/5(木) 午後 7:55 [ 廊下のむし ] 返信する

ノミバエ科さん、やはりまたMetopininaeっぽいですね。(顔盾の辺りは良く見えませんが)どうせMegaseliaなんだろうなぁと…。ノミバエ科の種数周りについてですが、ノミバエ科を当たると避けて通れない例のDisney氏がノミバエ科で4万種、Megaseliaがその内の半分程度を占めると推測していた書籍だか論文だったかがあったように思います。あと、データベースで検索すると一応全世界でMegaseliaは1600種程度の記載があるようですね。ちなみに知り合いづてで確認しまして、(データベースはまだ出来てないそうですが、)Megaseliaは和名未決定含めて日本では40種程度の記載があるようです。でも、私の学生時代のパブリッシュしてない貧弱論文のデータですが、Megaselia百数十匹からDNAを抽出して一部配列の解析をした時、「その百数十匹の中に43種程度が存在する可能性がある」って計算機が弾き出しましたし、もうお手上げですよ…この属は。

2015/2/11(水) 午後 11:23 [ - ] 返信する

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お早うございます、Ziramさん。

外見からはこの間調べたノミバエと似ているので、おそらくMegaseliaだと思いますが・・・。小さいノミバエの生態写真で、触角上棘毛、中胸側板、後脚脛節背面を常に撮るのは至難の技ですね。

お話を聞けば聞くほど大変な世界ですね。Megaselia百数十匹が43種というのは、外見上は似ていたが43種もいる可能性があるということなのでしょうね。だとすると、先日見た種に似ているから、同じ種かもという推測もほとんど成り立たなくなってしまいますね。でも、逆にMegaseliaだと言っておけば、合う確率はだいたい50%くらいということかもしれませんね。個体数によるとは思いますが・・・。

2015/2/12(木) 午前 6:08 [ 廊下のむし ] 返信する

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