廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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2月17日のブログに出したハエを詳しく調べてみました。また、ハエかと思われるでしょうね。でも、地道に調べていくとそのうちハエも分かるようになるのではと思って、勉強のために出しておきます。実はこのハエ、科を調べるのに大変苦労しました。その結果がよく知られたショウジョウバエだったとは・・・。

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対象とするのはこんなハエです。体長は2.4mmで、小さいといえば小さいのですが、最近は小さいハエを調べることが多いので、私の中では中くらいのハエです。

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外観を実体顕微鏡で写した写真を載せておきます。拡大すると、意外にごつい感じのするハエです。

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初めに、「絵解きで調べる昆虫」(文教出版、2013)の検索表を使って調べてみましょう。実は、初めに試みた時はこの検索表で行き詰まってしまい、「原色昆虫大図鑑III」の検索表を使って調べたのが、混乱するもとになりました。この話は後で書きます。まずはこの検索表の項目に従って調べていきます。上の図は無弁翅類から始まりショウジョウバエに至る経路だけを抜き出して書いたものです。絵解きを文で表していますので、違っている部分もあるかもしれません。いずれにしても素人がやっていますので、そのつもりで見て下さいね。

まず、無弁翅類というところですが、いつものように翅の付け根を見てみます。

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ちょっと端覆弁が隠れて見えなかったのですが、基覆弁に当たる部分が線状になっていて膜構造が見えません。従って、無弁翅類ということになります。次からの5項目は翅脈に関するものなので、翅の写真を載せます。

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下は翅の基部の部分を拡大したものです。まず、「R4+5脈とM1+2脈は翅縁で離れていかない」というのはFig. 4ではこの2つの脈はほぼ平行なので、合っていることはすぐに分かります。sc切目や肩切目があることもFig. 4かFig. 5を見ることで分かりますね。さらにSc脈は途中で途切れているので不完全で、もちろん先端付近で直角に屈曲することもありません。後半の部分はミバエ科を除外する項目です。

次からは頭部に関するものなので、その部分の写真を載せます。

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上は触角の刺毛をちょっと趣味的に拡大して撮ったものです。刺毛はよく発達していますね。次の項目の鬚剛毛はFig. 7に示した剛毛を指していると思います。なお、大図鑑の図では「剛毛」ではなく、すべて「刺毛」になっていますので、図はそれに習っています。さらに、後単眼剛毛は交差しています。下額眼縁剛毛はFig. 7の額眼縁剛毛列の下にあるもので、「大図鑑」では額刺毛と書かれているものに該当すると思います。初め、Fig. 7の矢印の剛毛を額刺毛にするのかどうか迷ったのですが、次のショウジョウバエ科の項目の説明がおそらくこの剛毛のことを指すのだろうと思って、額眼縁剛毛に入れました。ちょっと自信のないところです。この剛毛を額眼縁剛毛に含めると、ここに書いてある項目の内容はすべて理解できて、このハエはショウジョウバエ科だということになります。

これで、特に問題なくショウジョウバエ科になるのですが、実はFig. 7でfacial carinaと書いた部分を鼻状だと思って苦労した話を後に載せます。facialは「顔の」という意味で、carinaは「竜骨」を意味します。

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「大図鑑」の検索表で同じ部分の一部を載せたものがこの図です。無弁翅類から順当に検索は進めることができ、最後にキモグリバエ科を除外して、次の項目にいくと鼻状の突起があるという項目になります。私はすぐにfacial carinaがこれだと思って、ケシショウジョウバエ科だと思いました。でも、赤字で示したところがちょっと合いません。そこで、Manual of Nearctic Diptera Vol. 2を調べてみたのですが、どうも一致しないところが多いようです。さらに、論文を探していると、ケシショウジョウバエ科の顔写真が載っている論文(W. N. Mathis and A. Freidberg, African Invertebrates 53, 231 (2012). (ここからpdfがダウンロードできます))を見つけ、その中の図を見ると、この部分(顔面)が下に伸びて何となく鼻のようになっています。どうやら、「鼻」違いではないかと思って、先に進むことにしました。この過程で2、3日費やしました。

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やはり赤字の部分は合わない部分です。左側の道は合致しないと思われます。右の道も合わないところはあるのですが、「通常」と書いてあるので許されると思ってたどっていきます。でも、赤字と赤枠で囲った部分で決定的に拒絶されます。「中脛節の背面に亜末端剛毛があるかどうか」という項目です。ここで完全に行き止まりになりました。中脛節の写真を載せます。

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これは中脛節の背面を写したものですが、どこにも剛毛の姿が見えません。末端には腹側の剛毛が見えていますが・・・。亜末端剛毛は末端より少し内側にある剛毛を指しています。しかし、この項目の障壁を何とかすりぬけてしまうと、無事ジョウジョウバエ科に達します。ショウジョウバエ科の仲間で中脛節の背側に亜末端剛毛のない種があるのかどうか分かりませんが、ややもやもやが残る結果になってしまいました。

実はショウジョウバエ科はfacial carinaがあるというのが一つの特徴のようで、その意味では、知っている人がこの顔を見ればすぐにショウジョウバエ科を思い浮かべたかもしれません。私はそれが分からないので、ケシショウジョウバエ科の辺りでだいぶさまよってしまいました。今度、もう少し典型的なショウジョウバエが出てきたら、その時、比較して調べてみたいと思います。ついでに撮影した写真を何枚か載せておきます。

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閉じる コメント(2)

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毎度言うことですが、昆虫の体は、機械を連想します。
パーツパーツが関節でつながっている、節足動物の成り立ちが、機械と似ているのですよね

2015/2/23(月) 午前 9:59 [ あおやまはるま ] 返信する

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あおやまはるまさん、こんにちは

いつも同じような写真ですみません。変わった虫も写したいと思ってはいるのですが、身近なハエももっと知りたいと思って・・・。

そうですねぇ。胸部なんかは一つ一つの板がつなぎ合わさってできていますね。でも、よく見ると板と板の隙間の部分も見えます。腹部は背板と腹板が柔らかい部分でつながっているものもいますね。柔と剛をうまく組み合わせているところは機械では及ばないかもしれません。

2015/2/23(月) 午前 11:09 [ 廊下のむし ] 返信する

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