廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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廊下のむし探検 第495弾

今日は午後から冷たい風が吹いて、冬に逆戻りしたような天気でした。その強い風に吹かれながら、廊下を歩いてみました。でも、予想通り虫も少なかったです。

廊下の壁にカゲロウが1匹止まっていました。

イメージ 1

眼の上にある、茶色の奇妙なものはターバン眼と言われるものです。これがあるのはコカゲロウ♂ですね。また、翅脈からもコカゲロウ科であることは分かりました。翅が半透明なので、これは亜成虫と呼ばれる状態ですね。カゲロウは蛹から脱皮した後、一旦、亜成虫になって、もう一度脱皮して成虫になります。成虫はご存知の通り、「カゲロウの命」と呼ばれるほど短命です。

このカゲロウの名前を調べようと思って、「フライフィッシャーのための水生昆虫小宇宙 Part1」を見たら、似た種がすぐに見つかりました。シロハラコカゲロウです。ただ、その表紙の拡大写真が見事なこと見事なこと。それで、負けてなるものかと思って、Extension ringを取り付け、もう一度廊下に出て、倍率2倍で顔のアップを撮ってみました。

イメージ 2

被写界深度が浅いため、ほとんど眼のところしかピントが合っていませんが、大きなターバン眼がよく見えます(写真の方はまだだいぶ負けていますが・・・)。その下にあるのが基複眼と呼ばれる眼で、さらに前方には単眼があります。こんなにいろいろな眼が一か所に固まっているのですね。御勢久右衛門氏の「日本産カゲロウ類①−概説」(海洋と生物 1, 38 (1979))によると、ターバン眼は暗闇でもよく見えて、飛翔中に♀を探すのに役立つそうです。

追記:ターバン眼について少し調べてみました。意外に情報が少なかったです。比較的最近では、下に載せたHorridgeらの論文がありました。まず、ターバン眼は英語では"turbinate eyes"、または"dorsal eyes"と言うようです。前者は「こま(独楽)型の眼」、後者は「背側の眼」という意味でしょうか。これに対して、基複眼の方は"lateral eyes"、すなわち、「横側の眼」と言っています。

G. A. Horridge et al., Proc. Roy. Soc. Lond. B216, 25 (1982). (ここからpdfがダウンロードできます)
 
ターバン眼の特徴は、ほとんど平面に近い面を持っていて、色が赤っぽいことです。これに対して基複眼の方は球形をしていて、淡い色です。ターバン眼はその形からもっぱら上からだけの光を検出していると考えられます。また、赤っぽい色に見えるということは、赤い光を反射してその補色である波長の短い光を取り入れていることを意味します。後者については、実際に調べてみると、360nmをピークとする320-420nmの範囲の紫外線を検出していることが分かりました。つまり、♂のコカゲロウのターバン眼は青い空からくる紫外線だけを検出する役目を持っていたのです。これが♀を見つけるのにどのように役立っているかは残念ながら分かりません。著者らは♀の翅が紫外線を吸収するのかもと思って調べたのですが、そんなことはありませんでした。

複眼を構成する個々の眼を個眼といいます。個眼は細長い構造をしているので、一つ一つの個眼はターバン眼の場合、わずか2度の角度範囲の光しか検出しません。また、個眼の表面は凸レンズになっていて、像は手前に結ばれるため、人間の眼のように網膜上に像を結ぶこともありません。従って、複眼は光の来る方向だけを検出するレンズアレイの役目をなしています。球状の基複眼は広い角度範囲での光の検出をしていることになりますし、平面性の高いターバン眼は上方からくる狭い角度範囲での光の方向分布を検出していることになります。青い空はあらゆる方向から光が来ていると考えられますが、そこに障害物があるとその方角からの光が減少し、それでその方に障害物があることが分かるという仕組みのようです。こんな仕組みなのに、どうして♀だけを検出できるのかは非常に不思議ですね
)(追記:k空間像と書いたのですが、厳密にいうと波長に関する情報は像になっていないので、不適切かなと思って削除しました

後はいつもの虫たちです。

イメージ 3

これはハイイロフユハマキ

イメージ 4

それに、ギフウスキナミシャク

イメージ 5

それから、ホソバキリガ

後はいつものハエたちです。

イメージ 6

ノミバエですね。腹部が縞模様になっているので、いつものとは違う種類かな。

イメージ 7

これは何かな?一応、採集してきたはずなので、後で調べてみます。(追記:Manual of Nearctic Diptera Vol. 1で検索をした結果、タマバエ科Lestremiinae亜科Lestremiini族になりました。あまり当てにはなりませんが・・・。検索の過程で翅はグチャグチャになってしまいました

イメージ 8

これはキノコバエかな。これも採集してきたはずなので、後で調べてみます。

イメージ 9

イメージ 10

この2匹は共に後脚跗節第1小節が太いので、おそらく、フンコバエでしょうね。

イメージ 11

そして、いつものユスリカです。

イメージ 12

この間から見ているユアサハナゾウムシだと思われる虫がまたいました。

イメージ 13

最後はこのクモです。たぶん、アサヒエビグモだと思いますが、自信はありません。昨日のように眼の配置を調べてみました。

イメージ 14

眼の配置からはやはりエビグモ科であることは間違いなさそうです。こうやって、クモも少しずつ慣れていけばよいかもしれませんね。

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