廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

全体表示

[ リスト ]

昨日、トビケラがいたので、捕まえて検索をしてみました。その結果、ちょうど1年ほど前に検索してヒラタコエグリトビケラ周辺の♀としていた個体とほぼ同じことが分かりました。そのときの経過は、「トビケラの検索(コエグリトビケラ科)」として昨年の3月11日に出しています。

イメージ 1

昨日のトビケラというのはこんな形の虫です。体長は7.8mm、前翅長は9.1mmです。これまで小さなハエばかり調べていたので、相当大きな感じがします。検索は以前と同じなので詳細は省きますが、写真がいくつか撮れたので載せておきます。昨年に比べると、だいぶ見やすい写真が多くなったと思っています。

まず、検索表を載せておきます。

イメージ 9

これは以前のものと同じです。上は「原色昆虫大図鑑III」の科の検索表、下は「日本産水生昆虫」の属の検索表で、必要な部分だけを抜粋したものです。この検索に必要な部分の写真を載せておきます。(追記:上のような文字を入れた図をこれまでjpgファイルにしていたのですが、今回はgifファイルにしてみました。こちらの方が赤色が綺麗に見えますね

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

Fig. 1は頭部と胸部を背側から撮影したもの、Fig. 2は頭部を横から撮影したものです。Fig. 3は前翅と後翅、そして、Fig. 4は前脚の脛節の先端を写したものです。Fig. 3の翅脈の名前は以前と同じ、次の論文を参照にしました。

S. Chuluunbat et al., "A redescription of Apatania mongolica Martynov, 1914 (Trichoptera: Apataniidae), based on materials from Southern Mongolia", Mongolian J. Biol. Sci. 8-1 (2010). (ここでオンラインで読むことができます)

検索表に出てくる項目の内容は、

単眼と中胸小盾板  Fig. 1
小顎肢         Fig. 2
翅脈           Fig. 3
前脚脛節        Fig. 4

をそれぞれ見ていただくと分かると思います。これで、コエグリトビケラ科コエグリトビケラ属であることは間違いなさそうです。

ここからは検索表がないのですが、前回はたまたま次の論文の中に交尾器の似たものを見つけて、ヒラタコエグリトビケラかその周辺の種としました。

H. Nishimoto, "A New Species of Apatania (Trichoptera, Limnephilidae) from Lake Biwa, with Notes on its Morphological Variation within the Lake",Jpn. J. Ent. 62, 775 (1994). (ここからダウンロードできます)

この論文はビワココエグリトビケラの記載論文なのですが、その中に比較のために、もっとも普通に分布すると思われるヒラタコエグリトビケラの♂♀交尾器の図も出ていました(論文中のFig.5のApatania aberransがヒラタコエグリトビケラです)。同じような図は「日本産水生昆虫」にも出ています。今回撮影した交尾器の写真を次に載せます。

イメージ 6

これは実体顕微鏡で腹部の先端を腹側から撮影したものです。このような形のものは♀のようです。先端部分を生物顕微鏡を使ってさらに拡大してみます。

イメージ 7

イメージ 8

上の写真が腹側から、下の写真が横からです。それぞれの部分を何と呼んだらよいのかよく分からないのですが、単純に形だけを比較すると、ヒラタコエグリトビケラ♀の交尾器とよく似ています。まだ、近似種がどれだけいるのか分からないので、一応、ヒラタコエグリトビケラ周辺の♀ということにしておきます。

昨年のブログと比較すると写真がだいぶ鮮明になり、これがこの一年間の進歩かなと思って喜んでいます。

追記:Fig. 3は論文の図に従って翅脈に名前をつけたのですが、何となく前翅のA3の位置が違うような気がします。もう少し他の論文も調べてみます)(追記:トビケラ目の翅脈が載っている論文を見つけました。

R. W. Holzenthal et al., "Order Trichoptera Kirby, 1813 (Insecta), Caddisflies", Zootaxa 1668, 639 (2007). (ここからpdfがダウンロードできます)

この論文のやり方に従って名前を付けた図も載せておきます。
イメージ 10

やはり臀脈(A脈)のあたりが少し違いました。まず翅脈の名称がA1ではなく1Aとなっていて、前の方から順番に1A、2A、3Aとなっています。臀脈には分岐点が2つあって、それぞれがY字型をしているので、2つのYがあることがトビケラの特徴だそうです。ただ、私は1Aも2Aももう少し手前に書いて、上で1A、2Aと書いた脈はそれぞれ1A+2A+3A、2A+3Aと書くべきかなと思うのですが・・・

追記:さらに探してみると、米国サウスカロライナ州にあるクレムソン大学のS. Chuluunbat氏が2008年に発表した博士論文(ここからダウンロードできます)に、旧北区東部のコエグリトビケラ科コエグリトビケラ(Apatania)属について詳しく書かれていることが分かりました。ここには、日本産Apatania 15種のうち11種の交尾器が載っていて大変参考になります。この図と比較すると、どうやらヒラタコエグリトビケラ Apatania aberrans♀で間違いなさそうです。さらに、Apataniaの体の構造についても詳しく載っていたので、勉強のつもりで私の写真にも名前を当てはめてみました。翅脈についても上で紹介した論文とは違っていて、これが一番良さそうです。

イメージ 11

イメージ 13

イメージ 12

イメージ 14

イメージ 15

まだ、英語のままになっていますが、wartというのは瘤を意味し、それぞれの瘤に名前がついているようです。いろいろと分かってくるとなかなか面白いですね

この記事に

閉じる コメント(2)

顔アイコン

写真も更に綺麗になって、随分と本格的になりましたね。
一部のものでも、ここまで分かる様になるとまた新たな楽しみになりますね。 削除

2015/3/10(火) 午後 11:01 [ 通りすがり ] 返信する

顔アイコン

お褒めいただきどうも有難うございました。写真が少し見やすくなってきて、私も喜んでいます。やはりめげずにやっていると、少しは進んでいきますね。これからもよろしくお願い致します。

2015/3/11(水) 午後 9:44 [ 廊下のむし ] 返信する

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

.


みんなの更新記事