廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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廊下のむし探検 第506弾

数日前から始まった虫の大発生が止まりません。昨日も数十種の虫が出てきていました。主だったものの写真は撮ったのですが、その分、名前調べが大変でした。まだ分からないものも多いのですが、とりあえず少しずつ出していきます。今回はハエ目とカメムシ目を紹介します。

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この写真は同じ種で共にケバエ科です。しかも目が大きいので♂の方です。ケバエについてはHardy and Takahashi (1960) (ここからpdfがダウンロードできます)に日本産の種が詳しく出ているので助かります。この論文の中の検索表を用いて調べてみました。比較的容易にBibio pseudoclavipesにたどり着きました。この種は九大の「日本産昆虫目録データベース」によると、ニセアシブトケバエという和名を持っているようです。

Hardy and Takahashi (1960)によると、この種は、1) 前脚脛節先端の1対の棘のうち、内側が長いこと、2) ♂の後脚第1跗小節が膨潤していること、3) ♂の交尾器の形状により、他と区別がつくそうです。まだ全部の写真は撮れていないのですが、その結果の一部を載せます。

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これは前脚脛節先端の棘です。内側(上)の長さと外側(下)の長さがほとんど等しいことが分かります。他の種では内側がだいぶ短いのが普通です。

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これは後脚の写真です。一番右に見えているのが脛節、その左は跗節で小節が全部で5つ、末端に爪が生えています。第1跗小節が膨潤してほとんど脛節の太さと同じくらいになっています。

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これは腹側から見た腹部末端です。この論文には交尾器の綺麗な図も載っているのですが、結構、よく似ています。おそらくニセアシブトケバエで間違いないと思います。先日見た♀もひょっとしたらこの種の♀だったかもしれません。もう一度調べてみたいと思います。

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これは変わった感じのする虫です。ガガンボのようでもあり、カの仲間のようでもあり・・・。「絵解きで調べる昆虫」の検索表を用いて検索をしてみると、意外に簡単にユスリカにたどり着きました。その先を「日本産水生昆虫」で調べてみました。これも簡単にユスリカ亜科になり、さらに、ユスリカ族になって順調だったのですが、その先でつまづきました。触角鞭節の環節数が11か13かというのですが、どう見ても5節しかありません。諦めてネットで探してみると、どうやらオオユスリカ♀みたいです。「原色昆虫大図鑑III」によると、本邦最大のユスリカで、触角の環節数は5、富栄養化した湖沼で発生するそうです。たくさんの同胞種があるとも書いてありました。これは恐怖ですね。

追記2015/03/20:オオユスリカについて調べてみると、いろいろと面白い記事が見つかりました。まず、Wikipediaによると、オオユスリカを含むユスリカ類は、湖沼の富栄養化が進むと大量に発生し、窓が開けられない、洗濯物が干せないなど、人間生活にも影響が出てきます。さらに、その死体が風化して粉末になり風に舞うと、喘息のアレルゲンにもなるそうです。これはユスリカ喘息と呼ばれています。それで、ユスリカを大量に捕獲する方法はないかと研究が進められています。オオユスリカについては次のような論文が見つかりました。

小川賢一、平林公男、「音響と光に対するオオユスリカの行動と大量捕獲」、屋内害虫 21、25 (1999) (ここからダウンロードできます)

この論文によると、オオユスリカは日没後、薄暗くなると、雄が大量に集まって蚊柱を作ります。それに引き寄せられて雌が中に入っていくと交尾する相手が見つかるというものです。この時、雌が入ってきたことを雄はどうやって知るのかというと、雌の羽音だということです。雌の羽音の周波数は270-300Hzであるのに対し、雄の羽音は490-540Hzで、雄は
270-300Hzの範囲の音に非常に敏感で誘引されるとのことです。しかし、昼間休止中の雄では全く反応せず、音だけでは効果がないことも分かってきました。筆者らは紫外線を出すブラックライトを併用することを考え、試してみると、非常に効果が上がったと報告しています。蚊柱の中に入ってきた雌を雄がどうやって見分けるのか不思議だったのですが、羽音だったのですね

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これもユスリカです。♂は普段触角がふさふさなのですが、これは何故か畳んでいるようですね。こんな風に畳めるのですね。

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これはミスジミバエでしょうね。綺麗なハエです。

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ガガンボの仲間です。写真を使って検索してみました。翅脈のSc脈が見えないので判断しにくいのですが、前縁に達してはいないようなので、おそらくガガンボ科ではないかと思います。

次からはカメムシです。

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昨秋、盛んに見たマツヘリカメムシが出てきていました。越冬していたのでしょうね。一昨年初めて見てから、もうすっかり常連になってしまいました。

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こちらはマンションの外壁の下にいたヨコヅナサシガメの幼虫です。カメラを向けると必死に逃げようとして動き回っていました。

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こちらは前日もいたシロヘリナガカメムシです。

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これはキベリヒョウタンナガカメムシだと思います。

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ナガメはいつ見ても綺麗ですね。

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このミツボシツチカメムシも2匹いました。カメムシも全開ですね。

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これもカメムシ目ですね。ウンカの仲間だと思うのですが、ウンカの検索はしたことがないので、まず科の検索からやってみようと思ったら、言葉が分からなくてなかなか進みません。諦めてネットで調べると、セジロウンカに似ています。この仲間かもしれません。でも、後でもう一度科の検索にチャレンジしてみます。

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ユスリカは3ミリ以下の小さなものしか窓に来ませんね。
宅地化に伴う乾燥化の影響が大きかった仲間の一つです。
昔は窓の明かりにびっしりと張り付いていたものですが(笑)

ウンカの仲間も意外と難しかった様な… 削除

2015/3/20(金) 午前 0:06 [ 通りすがり ] 返信する

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オオユスリカ、大きかったのですが、見た瞬間、ユスリカだなと思いました。記事に追記として書いたのですが、この大きなユスリカが蚊柱をつくるとなると壮大ですね。
http://blogs.yahoo.co.jp/fushionotori1/54804056.html

ウンカ、どうやって調べたらよいのやらさっぱり分かりません。とりあえず科の検索でもしてみようかと思って、顕微鏡を覗いてみました。後脚脛節に面白い棘のような構造がありますね。ジャンプするときに使うのでしょうね。今度、ブログに出してみます、と言って撮った顕微鏡写真がだいぶ溜まってきてしまいました。最近、虫の名前調べが忙しくてなかなか整理ができません(汗)。

2015/3/20(金) 午前 7:59 [ 廊下のむし ] 返信する

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