廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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先日、「虫を調べる」シリーズでコエグリトビケラを取り上げました。この時は、検索の結果、コエグリトビケラ科コエグリトビケラ属であることが分かり、さらに、交尾器を文献と比較して、ヒラタコエグリトビケラの可能性が高いと書きました。ただ、この時の個体は♀だったのですが、その後、♂も採集したので比較してみました。今回はその比較を中心にお見せしたいと思います。

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ヒラタコエグリトビケラというのはこんな地味な虫です。左側が♂、右側が♀ですが、一見するとまったく違いが分かりません。

この違いは次のトビケラ目の科の検索表を見るとすぐに分かります。

イメージ 2

初めに単眼のあるなしで分岐した後の検索の流れを示しています。左の道をたどればコエグリトビケラ科の♂、右の道をたどれば♀になります。その分岐点は小顎肢が3節か、それ以上かにかかっています。結局、♂の小顎肢は3節、♀の小顎肢は5−6節ということなのです。実際に見てみましょう。

イメージ 3

左は♂、右は♀ですが、写真の通り、小顎肢は♂では3節、♀では5節になっています。

それではその他の部分も較べてみましょう。ついでに、勉強のために、各部の名称も付けてみました。

イメージ 4

これは頭と胸の部分を背側から見たものです。基本的に同じ構造です。♂の方が少し細長い感じですね。トビケラの頭部や胸部背には背板隆起と呼ばれる毛の生えた隆起が分布しています。その配置が種によって異なっています。

イメージ 5

これは背板隆起の名称を次の博士論文を参考にして付けたものです。

S. Chuluunbat, REVISION OF EAST PALEARCTIC APATANIA (TRICHOPTERA: APATANIIDAE), Thesis, Clemson University (2008). (ここからダウンロードできます)

日本語でどう訳して良いのか分からないので、英語のままにしています。しかし、♂と♀の違いはないようです。

イメージ 6

これは頭部の隆起の比較です。これもほぼ同じでした。単眼が♀の方が大きな感じがしましたが、どうでしょうね。

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翅は♀しか写真を撮らなかったので、それだけ載せておきます。I、II、III、Vは翅脈の分岐を意味しています。M3+4脈だけが分岐していなので、前翅、後翅ともI、II、III、V叉があるということになります。

♂と♀の最大の違いは交尾器の違いです。そこで、その部分を拡大してみました。

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これは♂の腹部末端を、腹側、背側、側面から見たものです。複雑な形をしていますが、勉強のために、先ほどの博士論文を参考にして名前を付けてみました。日本語が分からなかったのでそのまま載せています。

イメージ 10

イメージ 11

これは♀の腹端で、腹側と側面から撮った写真です。♂と♀の違いは腹端で見るとすぐに分かりそうですね。

だいぶ前に撮った顕微鏡写真だったのですが、だんだんこんな写真が溜まってきたので、勉強と整理のためにまとめてみました。別の種が見つかったら、比較の意味でまた調べてみたいと思っています。

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