廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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今年はハチを勉強しようと思って、先日からハバチを調べているのですが、3種類ほど手元に集まったので、ここで少しまとめてみたいと思います。なお、ハチには全くの素人なので、そのつもりで読んでくださいね。

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ハバチというのはこんなハチです。普通のハチは腰がくびれているのですが、ハバチの仲間は太いので広腰亜目に分類されています。

広腰亜目の科への検索は、「絵解きで調べる昆虫」に載っています。それに従えば、この写真の種はハバチ科になることが分かりました。検索表でその部分だけを抜粋すると以下のようになります。

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この検索については、「虫を調べる ハバチ科マルハバチ亜科」で以前お見せしたので、今回はスキップします。ハチの翅脈や翅室については独特の呼び方があります。これについてもすでに書いたのですが、復習のためにもう一度載せておきます。

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翅脈によって分けられる空間を翅室と呼んで、前縁室、径室、肘室、中室などと名付けられています。そこで、「原色昆虫大図鑑III」の図に従って、上の写真の個体の翅室に名前をつけてみました。ついでに、翅室の名前に慣れないので、ちょっと色分けもしてみました。少し分かりやくなったでしょう。また、ハチは翅脈についても独特の呼び方をします。それも書き加えました。

ハエなどで使われている普通の翅脈の呼び方についても、次の論文を参照してつけてみました。

H. Goulet, "The genera and subgenera of the sawflies of Canada and Alaska: Hymenoptera: Symphyta", Insects and Arachnids of Canada Handbook Series 20. (1992). (ここからダウンロードできます)

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私にとっては見慣れた名前になりました。以前にも触れましたが、Cu1aとCu1b脈については、上の本とは逆になっています。

さて、それでは亜科、属の検索をしてみたいと思います。上のハバチはすでに調べた通り、マルハバチ亜科になりました。また、後で載せる種はシダハバチ亜科になります。そこで、「絵解きで調べる昆虫」のその部分だけを抜粋して書いてみます。

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この検索表に従って、まず、マルハバチ亜科について調べてみます。そこで、関連する写真を載せてみます。

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マルハバチ亜科に達するには①から⑥までの条件を満足しなければなりません。それに関連する箇所を図に番号を入れて示していますので見てください。この個体についてはすでに検索の詳細を書きましたので、ここでは省略します。いずれにしても、検索の結果、それほど疑問もなくマルハバチ亜科になることが分かりました。

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また、この個体は♀なので、腹端を横から見た写真も載せておきます。マルハバチ亜科については属への検索表が載っていないので、ここでストップです。

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次はこのハバチです。これはシダハバチ亜科ヒメスギナハバチ(Loderus)属カタアカスギナハバチだと思われる種です。どうやってこの種に辿り着いたのかを説明します。まず、上の検索表でシダハバチ亜科になるためには、⑦と⑧を満足すればよいことが分かります。その部分を見てみましょう。

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⑦については、基脈と肘脈が前縁部に交わる部分の間に隙間があいています。続いて、⑧については、肘脈が大きく縁紋方向に湾曲しています。この2点でシダハバチ亜科になります。

次に属と種への検索表を載せます。属への検索表はやはり「絵解きで調べる昆虫」によっています。また、種への検索表は、吉田浩史著、「大阪府のハバチ・キバチ類」(西日本ハチ研究会、2006)を用いました。この本は大阪府限定なのかもしれませんが、私は大阪府北部に住んでいるので好都合です。

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カタアカスギナハバチに行くためには、⑨から⑪までと⑬の条件を満足する必要があります。その部分の写真を載せます。

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まず、⑨についてはFig. 9を見ると分かりますが、口器は普通です。次の⑩は、Fig. 8のように第2肘横脈はありません。さらに、⑪については、Fig. 9を見ると複眼が少しくぼんでいることが分かりますね。これでヒメスギナハバチ属になりました。さらに、⑬についてはFig. 9と10を見ると分かりますが、中胸背板は黒く、頭盾下縁は台形状に彎入しています。また、単眼の後ろ側の両側には点刻や毛がなくて光沢のある部分があります。これで、カタアカスギナハバチになりました。

これも実は♀なのですが、腹端の写真も載せておきます。

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次に、シダハバチ亜科ヒメスギナハバチ属ヒメムネアカハバチだと思われる種です。

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こんなハチです。見た目にはほとんど他の種と変わりませんが、中胸背に赤色の三角形の紋が1対見えます。これについても上と同様にヒメスギナハバチ属に入っているので、ざっとその特徴を見ていきます。

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基本的にカタアカスギナハバチと同じなのですが、違う点はFig. 13にあるように、頭楯の彎入部が少し小さい感じです。また、Fig. 14の中胸背板に赤い三角形模様があります。さらに、単眼の後ろの両側は点刻や毛のため、光沢を失っています。これで、ヒメムネアカハバチになりました。

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ついでに腹端の写真も載せておきます。これも♀みたいですが、何だかごついものが見えていますね。

これでハバチ科3種の検索を終わりました。ハチはまったく分からなかったのですが、こうやって少しずつ調べていくと少しは慣れてくるみたいです。これからもぼちぼちやっていきたいと思います。

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ハバチは地味なグループですが、分類が難しかったりして逆に興味深いですよね。フィールドで採集だと高確率で寄主の近くで採集出来るので同定が捗りますが、灯火に集まるハバチの同定はなかなか時間がかかりそうな気がします。
ごっつい♀産卵管を引っ張り出して比較すると、近縁でも種ごとに微妙な差があるらしいです。自分は器用で無いのでやったことが無いのですが、近縁なスギナハバチ数種で比較すると面白いかもしれません。 削除

2015/4/5(日) 午前 9:46 [ 蜂屋さん ] 返信する

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ハチは以前にアメバチを調べただけだったので、ハバチは私にとっては新分野でした。でも、幸い、「大阪府のハバチ・キバチ類」の範囲内ではある程度検索ができることが分かりました。もう少しこの線で進めていこうかなと思っています。

あぁ、あれはやはり産卵管なのですね。どうしてあんなにごっついのでしょう。これを引き出すのですか。うーむ。全部で6匹捕まえたのですが、皆♀でした。どうしてでしょうね。

2015/4/5(日) 午後 1:47 [ 廊下のむし ] 返信する

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