廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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ケバエ科のキスネアシボソケバエは今頃、マンションの廊下にいっぱいいます。この♀については、以前、検索をしてみたことがありました。♂についてはまだ書いてなかったのでここに載せておきます。(追記2018/02/23:和名が違っていました。タイトルを含め直しておきました。キスネアシブトケバエ→キスネアシボソケバエ

イメージ 1

キスネアシボソケバエの♂はこんな姿のハエです。

イメージ 2

♀はこれです。外観がだいぶ違いますね。

例によって、Hardy and Takahashi (1960)(H&Tと略します)の論文に従って検索をしてみたいと思います。

D. E. Hardy and M. Takahashi, Pacific Insects 2, 383 (1960). (こちらからpdfがダウンロードできます)

キスネアシボソケバエは学名でBibio aneuretusといいます。つまり、Bibio属です。それでは検索表でキスネアシブトケバエ♂に至る部分だけを抜粋して書いてみます。

イメージ 6

検索表の最初はBibio属に至る部分で、後半はBibio aneuretus♂に至る部分を抜き出して書いています。原文は英語で、適当に訳しているのでそのつもりで読んでくださいね。それでは順番に見ていきます。最初は横から見た全体像を載せます。

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脚が黄色いことがよく分かりますね。検索表の最初の㋐と㋑は翅脈と前脚脛節先端の棘に関するものなので、その部分の写真を載せます。

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関連する部分には㋐と㋑の記号を載せていますので、その部分を見て下さい。まず、Rs脈は先端でR2+3脈になりますが、分岐はしていません。従って、この部分はOKです。㋐の後半部分と㋑は、前脚脛節先端に大きな棘があること、及び、それが1対であることを示しています。これでBibio属になりました。

次はBibio属の種への検索です。同じように①などの記号を図に載せています。前脚脛節先端の棘が尖っていることを示すのが①です。次の②は翅脈でRs脈基部とr-m脈の長さがほぼ同じであることを示しています。図に矢印を入れておきました。また、③は前脛節の1対の棘の内側(写真の上側)の棘の長さが外側の棘と同じくらいの長さをしていることを示しています。さらに、④は翅が透明であること。これで前半の検索が終わりました。

ここで、♂か♀かを選ぶのですが、ここでは♂の方だけ書いています。⑦'は後脚についてなので、その部分の写真を載せます。

イメージ 7

第1跗小節というのは⑦で示している部分ですが、太さは普通です。種類によってはここが太くなるので、こんな書き方がされています。⑪は脚が黄色いことで、これは間違いないですね。その後のCardo stipitesはよく分かりませんでした。⑫はFig.2の翅脈の図で、M1+2脈(検索表ではM2脈と書かれています)とM3+4脈が翅縁まで届くかどうかですが、ほぼ届いているのでOKです。翅の後半部分の翅脈は無色透明で翅膜と同じ色をしています。(追記:H&Tでは、翅脈の名称が違っているのに気が付きました。Fig. 2のM1+2→M1、M3+4→M2、CuA1→M3+4、CuA2→CuA?という具合です。従って、検索表でM2脈とM3+4脈とあるのは、Fig. 2でM3+4、CuA1と書いてある脈のようです。一方、Manual of Nearctic Diptera Vol. 1には、同じ著者がM1+2→M1、M3+4→M2と書き、後はFig. 2と同じです。私が書いた名称の起源もよく分からなくなりました。もうちょっと検討します)(追記:Fig. 2ではM3+4とCuAを結ぶ横脈が見えないですね。H&Tに載っている他の種ではあるのですが・・・)(追記2015/04/22:m-cu横脈は薄くて見えにくいのですが、確かにありました。Fig. 2に場所を示しておきました。また、A1、A2脈も書き入れておきました

⑬は♂の交尾器の形状についてです。背側から見た、その部分の写真を載せます。

イメージ 5

腹部背板第9節はこの図に示している部分です。この背板は独特の形をしています。⑬の検索項目はこの形を説明しています。最後の⑮は腿節の色が黒いことを示していますが、Fig. 1を見ると合っていることが分かります。また、後脚脛節の棘は第1跗小節の長さの1/3程度と書いてありますが、Fig. 4を見るともう少し短い感じです。でも、この項目は棘の長さが1/2のBibio omaniを除外するためのものなので、まぁいいのでしょう。最後の後脚脛節の基部が細くなることはFig. 4に示す部分が細いことを示していると思われます。これで、Bibio aneuretus、すなわち、キスネアシボソケバエに到達しました。

ついでに、別の個体での交尾器の写真も載せておきます。

イメージ 8

イメージ 9

上は背側から、下は腹側斜め下から写した写真です。この形はH&Tに描かれている図とよく似ていると思います。

以上、キスネアシボソケバエ♂の検索過程を載せておきました。ケバエ科の♂は交尾器が露出していて見やすいですね。時々、備忘録代わりに載せておこうかな。

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