廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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廊下のむし探検 第572弾

一昨日の「廊下のむし探検」の続きですが、思ったより名前調べに手こずりました。まだ、トゲナシケバエの同定が終わっていないので、とりあえず蛾だけ出しておきます。蛾も難しいものばかりでした。

イメージ 1

まずはこのヒゲナガガからです。ちょっと拡大してみます。

イメージ 2

意外に綺麗な蛾でしょう。ヒゲナガガは綺麗な種が多いので個人的にはかなり好きな方です。触角の半分ほどが黒い鱗粉に覆われています。従って、♀ということになります。以前だったら、翅の中間を横切る白い帯から、ケブカヒゲナガとしていたのですが、「標準図鑑」を見ると、ケブカが入っているAdela属に、アトキケブカ、ムモンケブカという2種が増えていました。「標準図鑑」を眺めると、白い帯をもち、近畿地方にいそうな種としては、その他にもホソオビ、キオビクロあたりの可能性がありそうです。

このうち、ホソオビは白帯がかなり細いので除外できそうです。また、キオビクロは白帯の両側を黒帯が、さらにその外側を灰色の帯が縁取るので、これも除外できそうです。残りは3種ということになります。ケブカ、アトキケブカ、ムモンケブカの学名にはHirowatari, 1997という命名者の名前があるので文献を探してみると、次の論文に載っていることが分かりました。

T. Hirowatari, "A taxonomic revision of the genus Adela Latreille (Lepidoptera, Adelidae) from Japan", Trans. lepid. Soc. Japan 48, 271 (1997). (こちらからダウンロード可能です)

これによると、Adela属は♂の触角第8,9鞭節に特異な突起があることで特徴付けられるそうです。ところで、日本産のAdela属にはミドリ、ケブカの2種がいることになっていたのですが、詳しく調べてみると、ケブカとサれていたのは別種であることが分かり、その他にも近似種が2種いることが分かったそうです。そこで、それらを改めてケブカ、アトキケブカ、ムモンケブカとしました。その検索表も載っていました。要は、①前翅に白い横帯があるかないかでミドリとケブカ類をまず分けます。次に、前後翅の特徴、♂顔面でムモンケブカとそれ以外を分けます。上の写真は♀で、しかも前翅しか見えないので、前翅の白帯が相対的に太いという特徴で、ムモンケブカを除外してしまいます。

最後は、アトキケブカか、ケブカかというところですが、基本は後翅肛角部の縁毛の色で分けるのですが、この写真では見えないので、♀触角で見分けてみます。アトキケブカは♀触角基部の1/3が、ケブカは1/2が黒い鱗粉に覆われるとあります(論文の検索表は逆になっていました。おそらく間違いだと思います)。触角を折れ線近似して、ImageJというソフトを使って長さを測ってみると、右触角では基部の1/2.2、左では基部の1/2.1が黒いので、この値から判断するとケブカヒゲナガ♀ということになります。でも、やはり後翅を見ないとはっきりしたこととは言えませんね。

追記2015/05/10:Adela属♂の触角第8,9鞭節にある特異な突起(hook-peg)というのは次のようなものです。

イメージ 14

これは標本の♂触角の根元の部分の拡大です。これはいったい何でしょうね
)

イメージ 3

小さな蛾です。オビカクバネヒゲナガキバガだと思います。

イメージ 4

この蛾もだいぶ時間がかかりました。通常よくいるのはアヤホソコヤガといって、後翅に赤い模様があるのですが、これにはありません。似た種を順に調べて行ったのですが、外横線、亜外縁線、内横線などの形状が少しずつ違います。いろいろと調べると、結局、アヤホソコヤガがもっとも似ているので、後翅は赤くないのですが、それではないかと思います。

イメージ 5

イメージ 6

これは迷ったというより、はじめから諦めています。オレクギエダシャクとニセオレクギエダシャクという外見でほとんど見分けがつかない種がいるからです。「標準図鑑」により、ニセオレクギの特徴をオレクギと比べてみると次のようになります。①亜外縁線が不明瞭で、オレクギに比して屈曲の弱い個体が多い、②新鮮な個体では翅の中央部や外横線の外側などに黄色鱗粉を混じ、全体に光沢がある。上の写真では亜外縁線は不明瞭で、屈曲はそれほど大きくなく、さらに、翅には黄色鱗粉が混じっているので、ニセオレクギエダシャクかなと思うのですが、はっきりとはしませんね。いつものことです。

イメージ 7

これは模様がはっきりしています。ナミガタエダシャクです。

イメージ 8

これはキナミシロヒメシャクではないかと思います。

イメージ 9

Idaea属のヒメシャクですね。あまり見たくない種です。似た種にウスモンキ、オオウスモンキ、ウスキ、オイワケ、サクライキなどがあり、ほとんど区別がつきません。一応、外横線、外縁に沿った黄白色の帯、外縁の黒点列、横脈紋などを見ていくのですが、外縁の黒点列がないのでサクライキが除外でき、外横線が明瞭でないのでウスキが除外でき、外横線が翅脈上で点になっていないのでオイワケを除外できとか・・・。結局、オオウスモンキヒメシャクかなと思ったのですが、まったくあてにはなりません。

イメージ 10

これは前日もいた個体かもしれませんが、ホシオビコケガです。

イメージ 11

後は毛虫です。これはマイマイガですね。

イメージ 12

そして、これはオカモトトゲエダシャク

イメージ 13

最後のこの幼虫は分かりませんでした。だいぶ調べたのですが・・・。

ブログに出した画像をまとめた画像リストを作っていたのですが、1月末で止まっていました。昨日やっと蛾とカメムシを更新しました。こちらから御覧ください。蛾の中に幼虫の欄も新設しました。まだ、名前や科はあやしいものだらけなので、そのつもりで見てくださいね。ヤガやエダシャクなどは画像が多くて、かなり重くなっているかもしれません。

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