廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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いつもマンションの廊下で虫の写真を撮っています。虫の大きさを測るのに、虫が近くにいるときにはスケールのついたテープを虫の近くに貼って一緒に撮影しています。でも、天井など遠くにいるときにはこんなことができないので、ただコンデジでズーム最大にして撮っているだけです。何とかならないかなといつも思っていました。

そんな時、写真ファイルの中に埋め込まれたEXIFデータというのを見ていたら、焦点距離のデータがあるのに気が付きました。焦点距離が分かるのなら、異なるズームで写真を撮り、撮影された虫の大きさから実際の大きさが推定できるかもしれない。そんなことを思いついて試してみました。結局、うまくいかなかったのですけどね〜。

まずは、こんな実験をしてみました。

イメージ 1

左の写真のように床に巻き尺を貼っておきます。壁にはステンレススケールを貼っておきます。そして、定まった距離からコンデジ(Panasonic DMC-FZ150)でスケールを撮影します。撮影距離としては、スケールからカメラのイメージセンサーまでの距離を使うことにしました。撮影例を右の写真に載せておきます。この写真から、例えば、スケールの50mmがカメラのイメージセンサー上で何ミリになるかを調べるのです。調べ方はImageJというフリーソフトで50mmが何ピクセルになるかを測り、それから取説に載っている仕様から計算した1ピクセル=0.001475mmというデータを使ってイメージセンサー上の大きさに変換します。それで撮影倍率が求まるのです。

イメージ 2

こうして得られたデータがこのグラフです。これは、ズームを変え、さらに、撮影距離を変えて写した写真から求めた撮影倍率です。EXIFデータから、写した時の焦点距離は108mm、77.6mm、55.9mmであることが分かりました。確かに、距離が遠くなるほど倍率が下がり、また、焦点距離が短いほど倍率が下がっているので、うまくいっているようです。

このデータから、撮影距離が変わっても焦点距離が変わっていないかどうかを確かめてみることにしました。そのために今回の実験に対して、こんな簡単な光学系を考えました。

イメージ 3

撮影対象がカメラレンズによってイメージセンサー上に像を作るというだけです。ここで用いている撮影距離は撮影対象からイメージセンサーまでの距離なので、この図のLが該当します。これを使って倍率から焦点距離を求めてみました。

イメージ 4

用いたのは左に書いた3つの式です。一番上はレンズの公式、二番目は倍率の式、三番目はLの定義です。この3つの式のうち、後ろの2つの式から1/aと1/bを求めて、それを最初の式に代入します。そうすると、右上の式が求まります。これを変形すると(1)式が求まり、実際に測った撮影距離Lと倍率Mから焦点距離が求められます。

こうして求めたのが次のグラフです。

イメージ 5

青、茶、緑の丸はそれぞれEXIFデータで108mm、77.6mm、55.9mmと表示された時の実際の焦点距離を計算したものです。破線は表示された値を示しています。いずれも表示された値よりかなり小さな値になっています。特に、ズーム最大の108mmでは焦点距離はかなり短く、さらに撮影距離が短いほどこの傾向は顕著です。このデータを見て本当かなと思ったのですが、何度やっても同じ結果になりました。

実は、この現象はよく知られたことだったのです。最近のオートフォーカスレンズはインナーフォーカスという方法を用いています。これはレンズを3つの群に分けて、その中間のレンズ群だけを動かしてフォーカスを合わせるという方法です。こうすれば、レンズ全体を動かすより高速にフォーカスが合わせられるし、何よりも、レンズを前に繰り出したりせずにフォーカスが合わせられるので、コンデジなどにはもってこいです。でも、その弊害でレンズの焦点距離が撮影距離で変化してしまうことになったのです。結局、焦点距離として表示されているのは無限遠を撮影した時の焦点距離だったのです。

こんなことは全く知りませんでした。コンデジFZ150ではズーム最大で1mまで接近して撮影できるのですが、実は、その時の焦点距離は108mmから60mmにまで減少していたのです。当然、撮影倍率も下がってしまいます。これも上の式(2)を使って見積もることができます。この式は、右上の式がMについての二次方程式になっているので、根の公式を使って解いたものです。右上の式ではMと1/Mが同等に入っているので、答えはMと1/Mが出てきます。そのうちの小さいほうがMに相当します。従って、±のマイナス側を取ったものが(2)式になります。この式でズーム倍率最大の場合の像倍率を計算してみると、次のようになります。

イメージ 6

実線は焦点距離が108mmで一定として計算した撮影倍率です。青丸は実測値です。やはり、撮影倍率も半分程度になっていたのですね。ちょっと騙されたような気分です。

ついでにNIKONのレンズについても調べてみました。

イメージ 7

左は接写に用いている60mmマクロレンズです。右は70-300mmズームレンズでズームを300mmに合わせた場合です。ズームレンズはやはり大きく焦点距離が変わっています。マクロレンズもわずかですが、焦点距離が変わっています。やはりオートフォーカスレンズでは基本的に焦点距離が変わるのですね。

これではEXIFデータでいくら焦点距離が分かっても、撮影する距離でその値が変わってしまうので、距離が分からないと焦点距離が分からないことになります。ということで、虫の大きさを焦点距離から推定しようとする試みは失敗に終わりました。でも、レンズの焦点距離が変化するということを知ったのはちょっとだけ収穫かな。

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