廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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廊下のむし探検 第640弾

この2、3日、マンションの廊下は小さな羽アリであふれています。

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いろいろな種類の羽アリがいるみたいなのですが、一番多いのはこの種です。体長は約4mm.。

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それがこんなにいっぱいです。これは蛍光灯の下の蜘蛛の巣にひっかかっていたものです。

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廊下の手すりの下の溝にもご覧のようにいっぱいです。何匹か捕まえてきて調べてみました。何とか名前が分かるとよいなと思っているのですが、なかなか難しくて、まだ名前は確定していません。

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ちょっと実体顕微鏡で拡大してみました。腹部末端に複雑な構造があるので♂みたいです。♀もいないかと思ってだいぶ探したのですが、結局、見つかったのは♂ばかりでした。♂アリについては、「日本産アリ類画像データベース」に属までの検索が載っています。今日はじっくりと調べてみました。ついでに何枚か顕微鏡写真を撮ってみたので、そのうちの一部を載せます。

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まずは顔です。大顎はやや細長い感じです。頭盾ははっきりしていて、その上にあるはずの額隆起線はあまりはっきりしません。触角は全部で13節。腹柄節は1節。こんな情報から検索を進めると、まずヤマアリ亜科になりました。続いて、属の検索では前伸腹節の気門の形がポイントになります。

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この写真のようにかなり丸く見えます。これを円形だという判断をするとケアリ属になります。これから先は雄アリについての検索表がないので、働きアリ用の検索表を使って試行錯誤になります。でも、ケアリ亜属であることは間違いなさそうです。これから先の検索は、触角柄節と前脚脛節外縁に立毛があるかないか、それと、柄節の長さが頭幅に比べてどれだけ長いかで種が決まるのですが、顕微鏡で見た限りは触角柄節に目立った立毛はありませんでした。こちらを選ぶと、柄節が長い種ばかりになるのですが、写真の個体の柄節はそれほど長くはないので、結局、行き詰まってしまいました。どうやら働きアリ用の検索表は♂アリには使えないみたいです。

ケアリ亜属で大阪で見られそうなのは、カワラケアリ、ヒゲナガケアリ、トビイロケアリ、ハヤシケアリ、ヒメトビイロケアリの5種が考えられます。このうち、ハヤシケアリは体色から除外できそうで、また、ヒゲナガケアリの結婚飛行は8−9月だとのことでこれも除外できそうです。しかし、後の3種のうちどれかはよく分かりません。

ついでに腹部末端の写真も撮りました。

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♂の腹部末端はこんな構造になっているのですね。♂と♀の違いはここを見ればよいのかな。

追記2015/07/11:ケアリ(Lasius)属ケアリ(Lasius)亜属の♂アリの検索表が見つかりました。以下の2つの文献です。

K. Yamauchi and K. Hayashida, "Taxonomic Studies on the Genus Lasius in Hokkaido, with Ethological and Ecological Notes (Formicidae, Hymenoptera). II. The Subgenus Lasius", J. Fac. Sci. Hokkaido Univ. VI. Zoology 17, 50 (1970). (ここからダウンロードできます)

E. O. Wilson, "A monographic revision of the ant genus Lasius", Bull. Mus. Comp. Zool. 113, 1 (1955). (ここからダウンロードできます)

上の論文は
日本産4種を含み、下の論文は3種を含んでいます。詳細はまた後程載せますが、日本産Lasius亜属については、まず、柄節指数(scale index; SI)という量で分かれます。これは触角柄節長の頭幅に対する比で,柄節長/頭幅×100で表されます。これが100以上だとヒゲナガケアリ、80以下だとそれ以外です。確かに働きアリとはだいぶ違う値でした。ちなみにこの個体の場合はSI=0.68で、ヒゲナガケアリ以外になります。次からは論文によって見る形質が違っているので、また次回に回したいと思います。検索表の中では、"Subgenital plate"というのがどれだかよく分からないのではっきりしません。それを除くと、今回の個体はカワラケアリのような気がしますが、どうでしょうね)(追記2015/07/11:しかし、上の論文に載っている種の説明を読むと、カワラケアリ♂には触角柄節と脛節に無数の立毛があるそうです。この個体にはあまり見当たらないので、違うのかもしれません。悩み多しです)

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羽アリに隠されて他の虫はなかなか見つからなかったのですが、これはすぐに見つかりました。これまでも何度か出ているハネナガマキバサシガメですね。

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それにキベリヒョウタンナガカメムシです。これもよく見ます。

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廊下の隅にはニイニイゼミもいました。いよいよ夏ですね。

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キイロカワカゲロウの亜成虫がいました。カゲロウはいつ見ても格好がいいですね〜。

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甲虫ではこんな大きなカミキリがのそのそ歩いていました。触角が短いのでニセノコギリカミキリでしょうね。

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それにカナブンと、

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フタモンウバタマコメツキです。羽アリがあちこちにいるので、大きな甲虫ばかり目についてしまいます。

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サビキコリもいました。今日は2匹。

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小さな甲虫もちょっとだけ。これはアオバアリガタハネカクシでしょうか。毒を持っているので、昔、だいぶ話題になったことがあります。話題にならなくても、今でも毒を持っているので要注意です。

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これは初めて見ました。たぶん、ジュウシホシツツハムシだと思います。この手のハムシは綺麗なので、何となくいいですね。

蛾とクモは例によって次回に回します。

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アオバアリガタハネカクシは、10年以上見てないかな?
シャツの中に入り込まれたのが最後です(笑)
宅地化や都市化で乾燥化が進んで、見られるところが限られてきた様ですね。 削除

2015/7/11(土) 午後 11:01 [ 通りすがり ] 返信する

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それは最悪でしたね。大丈夫でしたか。名前もすっかり忘れてしまっていましたが、最近、ときどき見かけますね。こちらではまだ健在みたいです。でも、子どもたちには危険な虫という認識はないかもしれませんね。

2015/7/12(日) 午後 4:33 [ 廊下のむし ] 返信する

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