廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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廊下のむし探検 第646弾

3日前の「廊下のむし探検」の結果で、夕方出した続きです。この日は難しい虫が多くて、名前調べが大変でした。

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今日はまずこのヒシバッタからです。ヒシバッタは以前調べたことがあったので、思い出すためにと思ってこの写真を使って検索を試みました。検索には、「バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑」に載っている検索表を使ってみたのですが、写真は横からだけではなくて、真上からの写真も必要だと分かりました。その辺は楽観的に飛ばしていき、検索表の必要な部分だけを書いてみると次のようになります。

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・・・と書いた部分は真上からの写真が必要だった部分です。とりあえず横から分かる部分だけで追いかけていきます。(追記2015/08/13:漢字が間違っていたので、訂正します。説→節

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ヒシバッタの前胸背板は後ろの方までずっと続く、恐ろしく長いものです。前翅は横に小さくなっています。長い前胸背板の先端の先に後翅がちらっと見えています。⑧にある前胸背板の側葉先端というのは、上の写真の⑧で示した部分ですが、先端が丸くなっています。また、矢印で示したように側葉には2箇所切れ込みがあります。次の⑮は前胸背板より後翅が長いことを示しています。

⑱は複眼が頭頂より高くなっていることで、上の写真の⑱で示した部分を見ると分かります。この性質でヒシバッタ属かそうでないかが分かれます。この写真の個体は複眼が飛び出ているのでヒシバッタ属ではないことになります。次の⑲は前胸背板の前縁が上反していることで、上の写真の⑲で示しているところです。この性質でハネナガヒシバッタ属、ニセハネナガヒシバッタ属になります。

次の⑳は重要な性質で、複眼と触角の基部の位置関係になるのですが、これがかなり微妙です。つまり顔の向きによりどちらとも解釈できるのです。「大図鑑」の図も極めて微妙です。でも、この性質でニセハネナガヒシバッタとハネナガヒシバッタが分けられます。もう一つの性質は中腿節の下縁の毛が列生することで、これは上の写真の⑳でよく分かります。従って、この個体はたぶん、ニセハネナガヒシバッタでよいのだろうと思うのですが、先ほどの複眼と触角基部の話が残っています。たぶん、触角を延長した線と複眼下縁との上下関係で良いのではないかと思います。つまり、触角の延長線が複眼下縁より下になればニセハネナガ、ほぼ重なればハネナガというわけです。実際にハネナガの方を調べていないので、本当かどうかは分かりませんが・・・。いずれにしても、これでニセハネナガヒシバッタらしいことが分かりました。

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次はこのカゲロウです。図鑑を見るとヒロバカゲロウ科であることは容易に分かります。そこから先が進みません。そこで、例によってネットで画像検索してみるとヤマトヒロバカゲロウらしいことが分かりました。「原色昆虫大図鑑III」の説明を読むと、「前翅の後縁にそれぞれ1個の褐色の嚢状物を備えるので同定は容易」と書かれていました。確かに写真を見ると何かあります。ちょっとその部分を拡大してみます。

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これは何でしょうね。

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次はこのカワゲラです。先日、MSWiさんにカワゲラ科コナガカワゲラ属のオオメコナガカワゲラ(オオメコガタフタツメカワゲラ)らしいと教えていただいた種と似ています。よく見ると、単眼は2つでフタツメでした。淡水ベントス研究所のカワゲラ目録を見ると、オオメコナガカワゲラはFlavoperia属になっていました。「日本産水生昆虫」ではGibosia属でした。属が変更されたようです。この辺りの事情は次の論文に出ていました。

B. P. Stark and I. Sivec, "New Vietnamese Species of the Genus Flavoperla Chu (Plecoptera: Perlidae)", Illieia 4, 59 (2008). (ここからpdfがダウンロードできます)

これによると、Flavoperiaは1929年にChuにより確立されたのですが、その後すぐ1935年にWuによりGibosiaのsynonymとされたそうです。ところが、1990年にUchidaにより属の再検討がなされ、FlavoperiaとGibosiaは別属だとされたようです。それで、いくつかの種を調べたところFlavoperia属だということになり、そちらに移されたということです。先ほどのカワゲラ目録によると、Flavoperia属には5種が入っていて、名前調べはなかなか大変そうです。

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これはウスバカゲロウですね。

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体長3mmほどの小さなハチです。写真を撮った時は生きていると思ったのですが、死んでいるみたいですね。翅脈からはコマユバチかなと思ったのですが、よくは分かりません。

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この甲虫も名前調べに時間がかかりました。体長は3.1mmの小さな甲虫です。まずこの変わった触角からシバンムシだなと思ったのですが、「原色日本甲虫図鑑III」を見てもどうもぴったり来ません。それで、図鑑のあっちうろうろ、こっちうろうろ。今度は「原色昆虫大図鑑II」の図版を見て、ひょっとしてと思ったのが、クロノコヒゲシバンムシです。図鑑の説明を読むと、「前胸背板の基部両側には白色の微毛による三角斑がある。」とのことで、記述と合っているのでそうだと思います。家屋建材の害虫ですが、概してまれとのことです。

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これは前も見たことがあるアリモドキ科のアカクビボソムシだと思います。

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クチブトゾウムシの仲間だと思うのですが、まだ、調べていません。今度調べて追記として載せておきます。ちなみに以前絵合わせで調べた時にはクロホシクチブトゾウムシになりました。(追記2015/07/15:"The Insects of Japan", Vol. 3に載っているクチブトゾウムシ族の検索表を使って検索してみると、コクロホシクチブトゾウムシになりました。その決め手は、「第5腹板は中央幅1/3が全長にわたって縦長に灰色の小鱗片に被われ、両側の卵形金属色鱗片部に挟まれた灰色条を形成する」というところです。その部分の写真を載せます。

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第5腹節の中央部全長にわたって灰色鱗片があることが分かります


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最後は2日前にマンションの玄関で見たカミキリです。アカハナカミキリでしょうね。人の行き来が多くて、あまりゆっくりとは撮影できませんでした。

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はじめまして。

偶然にも貴方の記事
を拝見いたしました。

希少な昆虫の
接写がお見事です。

2015/7/14(火) 午後 9:48 [ 39819 ] 返信する

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39819さん、コメントを有り難うございました。

マンションの廊下を歩いて見つけた虫の写真を撮っています。今後ともよろしくお願い致します。

2015/7/14(火) 午後 10:03 [ 廊下のむし ] 返信する

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