廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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廊下のむし探検 第678弾

昨日は午後から歩いたためか、虫が少なかったです。

イメージ 1

それで、この小さいノシメマダラメイガについてちょっと調べてみました。大きさは1cmほどなので、気をつけて見ないと見過ごしてしまいそうです。

この間の「虫展」で外来種をまとめてパネル展示したのですが、そのときにノシメマダラメイガも外来種であることを知りました。いったいいつ頃どこから入ってきたのかなと思ってネットで調べると、思いの外いっぱい引っかかりました。どうやら穀物の大害虫のようです。食総研(食品総合研究所)のページを見ると、「大豆倉庫で発生した蛾を大正6年にマメマダラメイガとして記載したのが最古であると考えられていますが、瞬く間に広まり昭和の初めには全国で普通に見られるようになりました。」と書かれていました。

また、同じ食総研のHPには図鑑も載せられていて、特に、コラムが面白いものばかりでした。これによると、ノシメマダラメイガの幼虫は終齢で10-12mmで、植物由来の乾燥食品を片端から食べるようです。例えば、穀類、パン、パスタ、米、小麦粉、ドライフルーツ、ナッツ、チョコレート、ココア豆、コーヒー豆、クッキー・・・。

宮ノ下 明大, 今村 太郎、「家屋内で採集したノシメマダラメイガ雌成虫1頭からの次世代の発生数」、家屋害虫 31, 89 (2009). (ここからダウンロードできます)

この論文によると、成虫の寿命は約1週間、1♀が200個内外の卵を産み、一世代は40日内外という、素早い世代交代をしているようです。それで、この論文では屋内に1匹の♀が紛れ込んでも、200匹の幼虫が穀物などを食べ、その1ヶ月後には♂♀それぞれ100匹ずつが生まれて、生まれたその日から交尾をし始め、再び産卵するので、あっという間に蛾だらけになるという話でした。

その他にも面白い話がありました。そのうちのいくつかを紹介します。

辻英明、「ピンホールから食物容器内へのノシメマダラメイガ 1 齢幼虫の侵入実験」、衞生動物 49, 99 (1998). (ここからダウンロードできます)

これはノシメマダラメイガの幼虫がどのくらいの大きさの穴から食物容器内に入れるかを調べた論文です。写真のフィルムケースの蓋に穴を開けてそこに厚さ0.02mmの薄いポリエチレンフィルムを貼ります。そのフィルムに小さな穴を開けて、ケースの中には米ぬかを入れておきます。このケースを何個か17cm角のケージ内に置き、1齢幼虫を放してどのくらいの穴になると幼虫が侵入するかを調べてみました。その結果、直径0.173mmの穴では入らなかったのですが、0.293mmでは入ったということです。つまり、0.3mm程度の隙間があれば幼虫は中に入っていくということを示しています。

もう一つは次の論文です。

宮ノ下 明大, 今村 太郎, 古井 聡、「マンション周辺における性フェロモントラップで捕獲されたノシメマダラメイガPlodia interpunctellaの個体数と分布」、都市有害生物管理 3, 1 (2013). (ここからダウンロードできます)

これは自宅マンションでの実験です。ノシメマダラメイガは屋内害虫とされていますが、屋外にもいるかどうかを調べた例です。調べ方は、マンションのベランダ2箇所と玄関先にノシメマダラメイガ用のフェロモントラップをおいて、毎時間ごとに捕獲される♂をカウントしていくという方法です。フェロモントラップはガチョンという名称で販売されています。10セットで1万円くらいなので、結構、高いですね。実験は8月のちょうど今頃の8日間に行われたのですが、各トラップに1日平均10匹ぐらいの♂が捕獲され、時間としては夜の8時30分頃が一番多かったということです。近くに穀物倉庫などはなく、その発生源は不明とのことですが、屋内害虫と知られているノシメマダラメイガが意外に屋外に多いという事実は面白い結果でした。そういえば、私のマンションでもノシメマダラメイガはいつも屋外で見られています。

残りの虫も紹介します。

イメージ 2

これはコトビモンシャチホコです。背景のつぶつぶは蛍光灯のカバーなのですが、フラッシュをたいたらこんな風に写ってしまいました。

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これはクロシタシャチホコです。エレベータホールの天井に止まっていました。

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それにゴマダラキコケガです。

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それからコヨツメアオシャク

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甲虫ではシロテンハナムグリがいました。

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クモではチュウガタシロカネグモがいました。腹の上の方に黒い点があるのが目印です。これはちょっと小型ですが、

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こちらはもう少し大型です。1階の廊下の手すりの外壁にいるのですが、昨年も同じ所にいました。さらに拡大してみます。

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腹部の銀色は綺麗なのですが、如何にもクモっぽいので、ちょっと苦手です。

イメージ 10

それにこの頃毎日見ているアリグモです。

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閉じる コメント(2)

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屋内害虫が屋外にも居るのか…そんな発想は無かったですね。
どこであれ、何かに紛れ込んだり外から侵入されたりしなければ屋内で繁殖なんてことにはなりませんからね。
実は、虫が湧くと言う表現が堪らなく嫌いです。
本当に何もないところから湧いて出る訳じゃないのに、どんなに駆除しても何処からともなく湧いて出ると言う人まで居ます。
人間だって空から見下ろしたら、都市部近郊なんかはここ数十年で湧いて出た様に見えるんじゃないかと思いますが。
小さいから軽視されちゃうんですよねえ… 削除

2015/8/12(水) 午前 10:48 [ 通りすがり ] 返信する

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屋内害虫ばかり見ていると、外にいるのがむしろ不思議になるのかもしれませんね。家の中でだけで繁殖していると思って・・・。ノシメマダラメイガは乾燥した植物が餌になるので、いたるところで繁殖できるのでしょう。

確かに「虫が湧く」とよく言いますね。何もないところから湧くはずはないのに・・・。昔の自然発生説に基づく表現かな。スケールを変えて見れば、人間も湧いているように見えるのでしょうね。

2015/8/12(水) 午後 9:07 [ 廊下のむし ] 返信する

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