廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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廊下のむし探検 第697弾

一昨日の「廊下のむし探検」の続きです。

イメージ 1

マンションの外壁のちょっと高いところにアブが止まっていました。両方の複眼が離れているので♀ですね。本当は網を持って採集すればよいのですが、アブは・・・。どうも躊躇してしまいます。そこで、この写真でどこを観察したらよいのか、検索表や種の説明(早川博文、東北農試研究資料 10, 25 (1990))を読んでまとめてみました。

イメージ 2


検索表に従って追いかけていくと、翅縁でR5とM1という脈がくっつくかくっつかないかという特徴をまず見ます。これがくっついていればシロフアブ群です。くっついていなければ、複眼の間を見てみます。ここに中額瘤の黒い塊が見えたら、キスジアブ群かキノシタシロフアブ群になります。見えなければ、次は翅脈に小枝が出ているかどうかを見ます。出ていればウシアブ群など、出ていなければアカウシアブ群などになります。

ウシアブ群側に行く場合は、小型だとマエダアブ、大型の場合は、腹背の第2節の中央には三角紋がありますが、その両側に長三角形の紋があればハタケヤマアブ、なければ本州ではウシアブ、マツザワアブ、イナウシアブ、ヤマトアブになります。そのうち、触角に背突起が突出してなければヤマトアブ、あればそれ以外になります。この写真のアブは背突起が突出しているのでウシアブ、マツザワアブ、イナウシアブのどれかになります。今のところこの辺りまでです。こんな風に写真だけで判定できるような検索表があるといいですね。(追記2018/03/05:写真で見る限り、ウシアブ♀のようなのでそのように記録しておきます

イメージ 3

これはまた、ハチではなくてアリで、この間から見ているハリアリ亜科ですね。(追記2018/02/06:ハリアリ亜科ホンハリアリ属のケブカハリアリ♂のようです。詳細はこちらをご覧ください

イメージ 4

翅の先端が尖っているのでケカゲロウかな。

追記2015/08/31::通りすがりさんから、「ケカゲロウとはまた羨ましい。去年、日本産の幼虫期が解明されて話題になりましたが…って、一部でだけかなあ?」というコメントを頂きました。どういうことかなと思って調べてみると、昨年次のような論文が出ていました。

T. Komatsu, "Larvae of the Japanese termitophilous predator Isoscelipteron okamotonis (Neuroptera, Berothidae) use their mandibles and silk web to prey on termites", Insect. Soc. 61, 203–205 (2014). (出版社のサイトから一部読むことができます。ここを開くと自動的に最初の2ページが見本として読めます。また、Look Insideというところをクリックしても見えます。全部で2ページちょっとの論文なので、これでほとんど読むことができます)
また、筆者のブログでも内容を知ることができます)

この論文は、筆者である小松貴氏が長野県松本市でケカゲロウ♀を捕獲し、その幼虫を成虫にまで飼育したという内容です。捕獲した♀を
プラスチックケースに入れて水と死んだ蚊を入れておいたら、1週間ほどで卵を67個を産み、そのうち20個が無事に孵化したそうです。日本産ケカゲロウと同じ亜科で北米産の種の幼虫はシロアリを捕食するのですが、そのときに腹の先端から毒ガスを出すと言われています。そこで、同じ林にいるヤマトシロアリのコロニーを5つのケースに入れて繁殖させ、その中に1齢幼虫を4匹ずつ入れました。すると、そのうち9匹が捕食活動を始めました。この場合、北米産と異なり、幼虫はヤマトシロアリの働きアリに噛み付き麻痺させてからその体液を吸い出しました。そうして捕獲したシロアリは糸でからめて固定されました。こういうシロアリがケカゲロウ幼虫1匹に対して7-8匹にもなり山のように積み上がったそうです。この糸は単なる固定用だけではなく、その糸に引っかかったシロアリを捕まえるという捕獲用にも役立っているようです。

そうして4-10日経つと、9匹の幼虫のうち6匹が脱皮して2齢幼虫になりました。この期間幼虫は全く動かず、3−4日経つと再び脱皮してそのうち4匹が3齢幼虫になりました。4匹の3齢幼虫は1齢と同じようにシロアリを捕食して成長し、2日経つと蛹になりました。蛹の期間は20日で、4匹のうち1匹だけが羽化して成虫になったそうです。これは日本産ケカゲロウの初めての飼育になりました。幼虫の期間がわずか2週間ほどで、これが幼虫が見つからなかった理由のようです。日本産ケカゲロウはケカゲロウ科に属しますが、ケカゲロウ科は全部で4つの亜科に分けられます。このうち、北米産を含む1亜科だけがこのようにシロアリを捕食するようです。アミメカゲロウ目の幼虫はアリジゴクを含め面白い行動をするのですが、ケカゲロウもまたシロアリ捕食をするのですね


追記2018/02/01:「日本昆虫目録第5巻」(2016)によると、ケカゲロウはヒメカゲロウ科ではなく、ケカゲロウ科となっていました

イメージ 5

これはチラカゲロウの亜成虫だと思います。

イメージ 6

キイロゲンセイがまたいました。今年はよく見ますね。これで今年3回目かな。

イメージ 7

それにケブカスグリゾウムシと(追記2015/09/17:和名が違っていました。ケナガスグリゾウムシです

イメージ 8

キマワリでした。

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ケカゲロウとはまた羨ましい。
去年、日本産の幼虫期が解明されて話題になりましたが…って、一部でだけかなあ?
それにしてもマイナー脈翅目が続きますね。
次はカマキリモドキかな?(笑) 削除

2015/8/30(日) 午後 10:02 [ 通りすがり ] 返信する

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ケカゲロウの論文を読んでみました。♀たった1匹を捕まえて卵を産ませ、さらにシロアリを餌にそれを育てていくという面白い内容でした。同じ1匹を見ても私はただ写真を撮るだけで、ちょっと恥ずかしくなりました。

「廊下のむし探検」ではないのですが、カマキリモドキも以前見たことがあります。今年はツノトンボが見れたので、ついでに見れないかな。

2015/8/31(月) 午前 6:48 [ 廊下のむし ] 返信する

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ケカゲロウは本当にマイナーですからね。
カマキリモドキも幼虫がクモの卵嚢を捕食すると言う変わり者ですが、成虫の姿の方がインパクトがあって面白いですよね。 削除

2015/9/1(火) 午前 10:00 [ 通りすがり ] 返信する

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カマキリモドキの幼虫はクモの卵嚢を食するのですか。アミメカゲロウ目は、皆、変わっていますね。カマキリモドキも以前はちょこちょこ見られたのですが、最近は見ていないなぁ。

2015/9/1(火) 午後 9:59 [ 廊下のむし ] 返信する

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