廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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廊下のむし探検 第785弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。この日はいろいろと虫がいました。まず、ヒメカゲロウについて調べてみました。

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こんなヒメカゲロウがいました。いつものチャバネヒメカゲロウではなさそうなので何だろうと思って調べてみました。九大の日本産昆虫目録データベースを見ると、ヒメカゲロウ科には42種載っています。そこで、文献も調べてみました。ちょっと古いのですが、こんな論文が見つかりました。

W. Nakahara, "On the Hemerobiinae of Japan", 日本動物学彙報 9, 11 (1915).

この論文の中にHemerobiini族の検索表が載っていました。ただ、これには翅脈の情報が必要です。ヒメカゲロウの翅脈は複雑で何が何だか分かりません。それで、翅脈研究の原点と呼ぶべきComstock(1918)の本を見てみました。

J. H. Comstock, "The Wings of Insects", The Comstock Publishing Company (1918). (ここからダウンロードできます)

すると、偶然にもこのヒメカゲロウと似た翅脈が載っていました。

イメージ 2
Reproduced from J. H. Comstock, "The wings of insects; an exposition of the uniform terminology of the wing-veins of insects and a discussion of the more general characteristics of the wings of the several orders of insects", The Comstock Publishing Company (1918).

これを参考にして写真で見える前翅の翅脈に名称を入れてみました。

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Comstockの本の絵と実によく似ていて、簡単に名前が入れられました。上の論文の検索表では、まず、Recurrent veinがあるかどうかという項目があります。このRecurrent veinが初め何だか分からなかったのですが、ネットで調べてみると、ハチの翅脈についてはm-cu横脈のことを指すようです。そこで、それに相当する横脈に矢印を入れてみました。多分、これが1本あるということでしょう。次にRadial sectorsが3本以上という項目があります。上の写真で数えてみると3本。確かに合っています。次にRadial sectorsが5本以下という項目があり、これも合っています。最後に、gradate veinletsが3系列以下という項目がありました。この写真では2系列見えます。それで、Hemerobius属になりました。Comstockの絵もこの属なので、たぶん合っているのではと思ったのですが、九大のデータベースではこの属の本州産だけで10種も載っています。残念ながら、ここでストップです。

追記2015/12/04:Recurrent veinが間違っていました。

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翅の根元にある湾曲している翅脈だと思います。"Recurrent"は回帰、循環などという意味なのですが、Recurrent veinは循環する翅脈という意味なのでしょう。これは次のネット上の論文を見ている時に見つけました。

Ellis G. MacLeod and Lionel A. Stange, "Brown Lacewings (of Florida) (Insecta: Neuroptera: Hemerobiidae)" (ここで見ることができます)

ややこしくなってきたので、一度、まとめてみないといけませんね


ついでにチャバネヒメカゲロウの翅脈の名称も上の例にならって書いてみました。

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この場合はRadial sectorsは7本もあります。残念ながらRecurrent veinがあるのかないのか分からないのですが、検索表の上ではなくて、CuとMが融合していないという条件で、チャバネヒメカゲロウの属するEumicromus属になりました。今度、一度じっくり調べてみたいなと思いました。今日は、ヒメカゲロウの翅脈がちょっと分かったところが収穫でした。(追記:Catalogue of Lifeによると、チャバネヒメカゲロウの属するEumicromus属はMicromus属のsynonymになっているようです。検索表が古いので、もう少し新しいのを探さないといけませんね)(追記:これ、チャバネではないかもしれませんね

追記2015/12/04:Comstockの本を見直すと、次のように翅脈の名称をつけるのが妥当なようです。

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先ほどとの違いはR脈の最大をR5として、数が足りなくなった部分をR2のアクセサリー脈としている点です。どうしてこうするのでしょうね

ハエとチャタテは次回に回して、その他の虫です。

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ホソヘリカメムシ

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キバラヘリカメムシ

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ナカオビアキナミシャク

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ナミテントウだと思うのですが、こんなに点がありました。

イメージ 9

ヒゲナガカワトビケラです。年中いるので、いつもならばパスしているのですが、今日は虫が少ないので撮ってしまいました。

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最後はネコハグモです。この日は珍しく糸を張っていたので撮ってみましたが、糸が写らなかったですね。

ハエとチャタテは次回に回します。

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