廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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この間からヒメバチ科を調べているのですが、かなり大変ですね。でも、勉強だと思って亜科の検索から少しずつ試みています。

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今回はこんな長い触角と長い産卵管を持ったハチが対象です。先日、簡単な検索をしてみて、ヒメバチ科チビアメバチ亜科になったのですが、今回、もう一度詳しく調べてみました。用いた検索表は次の本に載っているものです。

Henri Goulet and John T. Huber (Editors), "Hymenoptera of the world, an identification guide to families", Research Branch, Agriculture Canada (1993). (ここからpdfをダウンロードできます)

原文は英文なので、私の拙い語学力で訳しながら調べていきました。幸い、この本では検索の項目ごとに絵が描かれているので、内容を理解するのは比較的容易でした。それでも、項目の内容自身はかなり難解で何度もやり直してみて、やっとチビアメバチ亜科で大丈夫かなということになりました。

検索の流れをまとめてみると次の図のようになります。

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検索表では、あたかも家を一軒ずつ調べていくように1つずつ亜科を調べていく項目と、二股に分かれた道のように大きく対象を分ける項目があります。前者を菱型の記号で表し、後者を四角で囲い内容を書き入れました。実際の検索では1つずつ調べていかないといけないのですが、ここではより重要だと思われる、二股に分かれる項目だけを写真で示していくことにしました。そして、それぞれの項目に通し番号を付けました。

さらに、Information Station of Parasitoid Waspsというホームページではチビアメバチ亜科の特徴がまとめてあるので、それらも確かめてみました。箇条書きにして転載させていただくと次のようになります。

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                             (Information Station of Parasitoid Waspsより転載)

これだけでも全部で19項目にもなるので、確かめていくのは大変です。検索する順番に説明していけば良いのですが、ややこしくなるので部位別に各項目を説明していきたいと思います。例によって写真に項目を書き込んだのでそれを見ていけば良いようにしてあります。

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まずは背面からです。体長は7.9mm、中型のハチです。長い触角、長い産卵管、細い腰、黄褐色の脚など見えます。また、腹部は横から押されたようにやや平ぺったくなっています。

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次は横からです。⑧は腹部が横から平圧されているということですが、第3節と第4節が幅より高さの方が高いというのは微妙です。特に第3節はむしろ上下から平圧されているようにも見えます。従って、ひょっとしたら「それらが不明瞭ならば・・・」という記述に該当するかもしれません。㉚の産卵管は上方に曲がりというのはその通りですが、産卵管は鞘で覆われていて、切れ込みについては残念ながら見えませんでした。

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これは後体節の先端方ですが、弱く側方から平圧されているというのが表現として合っている感じです。

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次は頭部です。顔面が黒いのはすぐに分かります。頭盾と顔面の境目はほとんど分かりません。溝等で分離されていないことは確かです。

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顔の拡大です。やはり顔面と頭盾の境目はほとんど分かりません。表面に模様のある大腮が気になります。

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20倍の対物鏡を使って大腮を拡大してみました。やはりなんだか分かりません。㉓の腹方にひだをもつというのはどれのことでしょう。

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次は後頭部です。後頭隆起線と後単眼はかなり離れています。これはコンボウアメバチ亜科を除外する項目です。

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これは胸部側面の写真です。⑩、㉔の前胸側板下方後角というのは矢印の「前胸側板」で示した部分ではないかと思います。突き出しているようではありますが、これを葉片状というべきかどうかはよくは分かりません。

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次は翅脈です。翅脈の名称はAmerican Entomological InstituteのIchneumonid Morphologyのページを参考につけました(追記2015/01/07:Cu1bの辺りが上記ページとは違っていました。この部分はInformation station of Parasitoid waspsに書かれたものと同じですね。この辺り、少し調べてみます)前翅2m-cuが管状というのは以前も説明しましたが、翅脈が体液の通ることのできるような管になっている場合をtubular(管状)、通ることができない時はnebulous(星雲状)、単なる折り目のようになっている場合をspectral(幽霊状?)という慣習のようです。

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鏡胞はヒメバチの分類では重要な位置を占めます。このハチの場合は四角形で柄があります。鏡胞が一部開いているように見えるのですが、これは閉じているという部類に入るようです。

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次は中胸の腹部側の端にpostpectal carinaという隆起線があることを示しています。

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これは前伸腹節の隆起線です。

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後体節第1節は細くなっていて、後方少し太くなっています。気門は後方側にあり、腹板は気門があるあたりまで伸びています。

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後脚脛節末端には2本の刺があります。

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次はその刺の根元のあたりを拡大したものです。先ほどの本に載っている絵からはこの部分を示しているのですが、英語がうまく訳せなかったので原文のまま書いておきます。内容はこの矢印で示した部分を指していると思うのですが・・・。

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最後は脚の爪を拡大したものですが、櫛歯状になっていることがよく分かります。

ということで長々書いたのですが、検索をしていて理解したことをまとめてみました。ヒメバチの検索は大変だなとつくづく思いました。ハチだけこんなコンピュータのフローチャートみたいな書き方をしたのは、一つ一つの項目に3−4個の小項目が入っているので、とても書ききれなかったからです。ハエなんかはもう少しすっきりしているのに、もうちょっとなんとかならないかなと思ってしまいました。

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