廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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ヌカカの勉強

冬になるとやることがなくなるので、いろいろな虫の勉強をしてみようと思っていました。そこで、ちょっと気になっているのがヌカカの仲間です。

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この間からこの手のヌカカをよく見ます。

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こんなもしゃもしゃの触角のヌカカもいます。小さいのですが、吸血だというので気になっていました。さらに、以前、MSWiさんからForcipomyia属かもというヒントをいただいたままになっていました。一度は調べてみたいなと思って、冷凍庫には1匹だけ試料が入れっぱなしになっています。ただ、今までは調べる手立てがなかったので、今日はまず資料集めをしてみました。

Wikipediaによると、ヌカカのうち、Culicoides属、 Forcipomyia (Lasiohelea)属、 Leptoconops属は脊椎動物の血を吸う吸血昆虫になっています。Atrichopogon属とForcipomyia属は大型昆虫に外部寄生し、また、Dasyhelea属は花の蜜を吸うそうです。その他の大多数は小昆虫の体液を吸うとのことです。人血を吸う種では病気の媒介をするらしく、そのためか、特にCulicoides属では研究が盛んで、いろいろな論文に検索表が載っていました。逆に、その他の属では扱っている論文も少なく、やっといつものMND(Manual of Nearctic Diptera)に属、亜属の検索表が載っているのを見つけました。(追記2016/01/12:Wikipediaによると、ヌカカ媒介性疾病にはウィルス性疾病、原虫症、フィラリア症などがあり、主に家畜の病気の媒介が問題になっているようです。人が刺された場合には、ヌカカの唾液に含まれるタンパク質に対するアレルギー反応により腫れるそうです

属の検索表の一部を訳してみると次のようになります。

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この検索表で特に翅に生える長毛と触角鞭節の節数を上の写真から読み取ると、確かにForcipomyia属に落ち着きそうです。

他にも検索表はないかと思って探してみたら、次の本にマレーシア産について載っている本の一部を見つけました。

A. Borkent, "Insecta: Diptera, Ceratopogonidae", in "Freshwater Invertebrates of the Malaysian Region", Academy of Sciences Malaysia (2004). (ここからダウンロードできます)

これも頑張って訳してみました。

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これは検索表の一部だけを訳したものです。MNDの検索表に似てはいるのですが、「あるかないか」というような表現が多くて、ちょっと分かりにくい感じです。

いずれにしても、たとえ無事にForcipomyia属にたどり着いても、この後、亜属への検索がそれ以上に大変です。さらに、MND(1981)に出てくる亜属と日本昆虫目録(CJI)(2014)に出てくる亜属が一致していないことも問題です。これについてはヌカカ科の世界の種リストが見つかりました。

A. Borkent, "World Species of Biting Midges (Diptera: Ceratopogonidae)", (2012). (ここからpdfがダウンロードできます)

本もあるみたいですが、Web版は随時更新している感じで2012年度版が載っていました。ここに載っているForcipomyia属の亜属とMND(1981)、CJI(2014)の亜属を比較したものが次の対応図です。

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左の欄がMNDに出てくる亜属、右の欄がCJIに出てくる亜属、それに中央が世界の種リストに載っていた亜属です。( )内は種数です。右と左が対応している亜属については赤線で引いてあります。ほとんどの亜属で対応がついているようなので、MNDの亜属の検索表もだいたいは使えるだろうという判断になりました。それで、その部分も訳してみました。

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一部、受精嚢や♂尾状突起の形状が出てくるのでどうなるか分かりませんが、触角や翅脈、脚、口肢についての項目がほとんどなので、途中くらいまではうまく進めるかもしれません。今日はこんなところまでやってみました。(追記2016/01/12:書き忘れていました。MNDによると、後跗節比(hind tarsal ratio)とは後脚第2跗小節に対する第1跗小節の長さの比を表します。また、前縁脈比(costal ratio)は翅長に対する前縁脈の長さの比で、共に、翅の基部にある前縁脈と径脈との間の横脈を起点にして測ります

追記2016/01/12:「原色昆虫大図鑑III」の解説を読むと、検索表の訳に用いた専門用語がだいぶ違っていました。後で直しておこうと思います。とりあえず、感覚性の孔(感覚性孔、感覚用の孔)→感覚孔、口肢→触肢、貯精嚢→受精嚢、触角鞭節の小節→環節、鱗片状の毛→鱗毛、♂の腹部末端→♂の尾状突起?などです。また、跗節比の他に触角比(触角末端5環節の長さに対する第2から9節の長さの比)という量も使われていました)(追記2016/01/12:田中和夫氏の「屋内害虫同定法(3)双翅目の主な屋内害虫」によると、受精嚢ではなくて貯精嚢、触肢ではなくて小腮肢、触角は環節ではなく単なる節になっていました。また、尾角→尾葉、首部→頸部。さらに、sculpturedの意味がはっきりしなくて、「♂の鞭節に長い毛が生えない」と適当に訳していた部分は、「♂の触角鞭節各節の基半部に条線状の彫刻がない」という意味のようです。また、翅の模様については明斑、暗斑という名前が付けられているので、もう一度、訳を検討した方がよさそうです)(追記2016/01/12:追記に基いて検索表の用語を変更しました!

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