廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

全体表示

[ リスト ]

この間から家の近くの公園に行っているのですが、そこにある花壇にハバチがたくさん来ていました。先日、写真を撮ったのですが、名前を調べようと思って3匹捕まえてきました。そのうちの1匹を調べてみました。

イメージ 1

調べたのはこんなハバチです。残念ながら野外で撮った写真がなくて、こんな写真になってしまいましたが・・・。

イメージ 2

体長は5.9mm。小さいけれど背側や腹側が橙黄色なので、かなり可愛いハチです。ハバチの検索には大阪府限定なのですが、次の本を愛用しています。

吉田浩史、「大阪府のハバチ・キバチ類」西日本ハチ研究会 (2006).

これを使って検索をしてみると、ハバチ科ハグロハバチ亜科カブラハバチ属イヌノフグリハバチに落ち着きました。忘れないようにと思って、検索の過程を写真に記録しておくことにしました。

イメージ 3

これが属までの検索で使った項目です。全部で14項目ありました。

イメージ 4

これは種への検索で全部で3項目。ここには大阪府に分布する4種すべてについての項目を書いておきました。いつものように検索の順番ではなくて、部位別に見ていきたいと思います。

イメージ 5

まずは頭部です。ここでは触角の位置と頭盾と顔面が分離しているかどうかを見ます。顔面と前額の境がよく分からなかったのですが、触角の位置で決めているようです。つまり、触角基部の上端と頭盾の間が顔面、触角基部上端から単眼瘤手前までが前額、さらに、単眼瘤周辺が頭頂です。人間だと眉毛(?)から顎までが顔、頭の毛の生えている部分と眉毛の間が額になるのかな。複眼が横にあって単眼まであるので、人と同じように名づけようとするとややこしくなりますね。いずれにしても、触角は複眼下縁よりは上にあり、頭盾と顔面との境も明確です。

イメージ 6

触角はやや棍棒状みたいですが、全部で10節ありました。第3節が特に太いということはありません。

イメージ 7

次は胸部背面です。前胸背板は⑤の矢印で示してありますが、中央部分で大変狭くなっています。また、⑦にあるような横溝もありません。㋐'や㋒'は種の検索で用いる項目ですが、小盾板が橙黄色で、橙黄色の部分が特にくびれることなしに中胸背板全体がほぼ同じ色になっています。

イメージ 8

次は翅脈です。まずはハエなどで用いる通常の名前をつけてみました。これには次の本を参考にしました。

H. Goulet, "The genera and subgenera of the sawflies of Canada and Alaska: Hymenoptera: Symphyta", Insects and Arachnids of Canada Handbook Series Part 20 (1992). (ここからダウンロードできます)

翅脈の基部の方でCu1と書いていることや、Cu1aとCu1bが逆ではないかと思われることなど、若干、違和感がありましたが、とりあえず、上の本の通りに書いておきます。

イメージ 9

こちらは検索表に載っている名称で書いたものです。亜科の検索で重要な項目は⑨で、基脈と肘脈が亜前縁脈に一点で交わるか、それとも距離を離して交わるかという点です。離れればハバチ亜科になります。これは一点で交わっています。さらに、肘脈基部が直線状か湾曲するかという項目が⑩です。湾曲するとシダハバチ亜科になります。これは直線状なのでさらに進みます。⑪は第1・2反上脈が同じ肘室に交わるかどうかという点ですが、同じ肘室に交わればヒゲナガハバチ亜科になります。これは別の肘室です。⑫は基脈が第1反上脈と平行にならないとシダハバチ亜科になります。これは平行です。最後は肛室が閉じた完全な室になっているかどうかで、この個体は閉じていて、中央に横脈があるので、これでハグロハバチ亜科ということになります。さらに、⑭の触角の節数で一発でカブラハバチ属になります。

イメージ 10

勉強のために、胸部から腹部にかけて名称をつけてみました。ハバチの仲間には細腰亜目のように、腹部第1節と後胸が融合した前伸腹節はありません。後胸がそのまま見えるはずなのですが、この部分の構造はずいぶん複雑です。カナダの本を参考に頑張って各部の名称をつけてみたのですが、間違っているかもしれません。英語で書いてあるのは日本語訳が分からなかったところです。

イメージ 11

これは♀の個体ですが、産卵管は伸びていないようです。後は、腹部第1背板の色です。第1背板は左右に分かれている部分です。この個体は橙黄色です。ここが黒だとニホンカブラハバチになります。一方、カブラハバチは中胸背板側葉の一部が黒くなるので、橙黄色が両方からくびれるようになっています。

ということで、カブラハバチの検索を試してみました。ただ、これは大阪に分布するであろう4種に限る検索なので、それ以外の種がいるとよく分からなくなります。検索をしてみて、カブラハバチ属4種の区別がよく分かりました。

閉じる コメント(4)

顔アイコン

お久しぶりです。今福岡に住んでいます。
過去の記事にすみません。
2012年の11月ニホンカブラハバチとイヌノフグリハバチと思われるハバチが一緒にいるのを撮ったことがあります。
http://ryoi.ldblog.jp/archives/51992348.html
この時参考にしたHPなどもこのハチの同定には疑問の所が多かったですね。
翅が透明ですね。、 付け根の黒い部分がはっきりわかるほど透明なのがすごく気になるのですが。
=ryoi

2017/7/15(土) 午前 7:17 [ fly2 ]

顔アイコン

お久しぶりです。福岡はこの間の雨は大丈夫でしたか。

かなり前の記事だったので、もう忘れてしまっていたのですが、見直した限りでは検索はあっていそうです。以前、ハバチ4種の翅脈を見たことがあるのですが、翅の下を白くすると意外に透明に見えるものです。
https://blogs.yahoo.co.jp/fushionotori1/54829452.html

ブログも拝見しました。上はカブラハバチではないかと思われますが、下は小盾板が黒いので、セグロカブラハバチの中胸背板前半が橙黄色の個体かなと思いました。よく分かりませんが・・・。

2017/7/15(土) 午後 6:23 [ 廊下のむし ]

顔アイコン

福岡市内は雨がほとんど降りません。
均等に降らずにある箇所に集中的に降っている、という感じですよ。

カブラハバチの件、ありがとうございました。
訂正しておきます。
この種のハバチは困惑している人が多いですね。

2017/7/15(土) 午後 7:38 [ fly2 ]

顔アイコン

あぁ、そうでしたか。実は、私は北九州出身で、昔、住んでいた八幡西区あたりで避難勧告が出たというニュースを聞いてびっくりしました。
カブラハバチ、私は素人なので、あまり信用しないでくださいね。

2017/7/15(土) 午後 7:58 [ 廊下のむし ]


.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事