廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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家の近くのむし探検 第71弾

3日前の公園での虫を調べていたら、結構、書く内容が長くなってしまったので、ガガンボだけをとりあえず出すことにしました。

イメージ 1

3日前に見たガガンボです。胸背の模様が非常にくっきりしています。以前にも見ていたので、それらも並べてみます。

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これらは6月5日に見たものです。2枚目は交尾していて、右が♂、左が♀です。胸背の模様が若干違っています。

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これは昨年の6月22日にマンションの廊下で撮ったものです。これも♀ですが、同じ種のように見えます。

イメージ 5

次は6月8日に公園の行く途中の塀で撮ったものですが、3本、2本と黒い筋模様が続いているところは同じですが、一番下の1本の部分がありません。たぶん、違う種なのかなぁと思っています。実は、昨年見つけたときは「一寸のハエにも五分の大和魂・改」の掲示板の記事を見て、Nephrotoma(ホソガガンボ)属かなという見当まではつけていました。今年はもう少し調べてみようと思ってネットを調べていたら、同じ掲示板に参考となる論文のことが載せられていました。それで、その論文について少し調べてみました。

P. Oosterbroek, "The Nephrotoma spieces of Japan (Diptera, Tipulidae)", Tijdschr. Entomol. 127, 235 (1985). (ここからダウンロードできます)

この論文は日本産のNephrotoma属について詳細に書かれたものです。著者は日本産35種を11の種族に分けて議論しています。「日本昆虫目録第8巻」でのNephroma属は36種なので、ほぼ網羅しているとみてよさそうです。ただし、未記載種はまだまだありそうですが・・・。ついでに次の論文も役立ちそうです。

I. R. M. Tangelder, "A revision of the crane fly genus Nephrotoma Meigen, 1803, in North America (Diptera, Tipulidae). Part I: The dorsalis species-group", Beaufortia 33, 111 (1983). (ここからダウンロードできます)

P. Oosterbroek, "A revision of the crane fly genus Nephrotoma Meigen, 1803, in North America (Diptera, Tipulidae). Part II: The non-dorsalis species-group", Beaufortia 34, 117 (1983). (ここからダウンロードできます)

最近はこういう論文がネットで見れるようになって大変楽になりました。昔はいちいち図書館に行って、しかも取り寄せしなければならなかったのですけど・・・。

いずれにしても、Nephrotoma属はガガンボの仲間ですが、幼虫は水生ではないようです。一番上の論文によれば、幼虫は陸生で森の縁、草地、川の土手などで生息しているそうです。主に、腐植質の土の中にいて、植物の根をかじると書かれていました。したがって、作物にとっては害虫で、日本ではオート麦、ライ麦、テンサイ、アマ、キャベツ、球果を結ぶ苗木などに被害が出ているようです。

Nephrotoma属の外見的特徴は盾板の上の3本と2本の黒い線にあります。その部分を拡大してみます。

イメージ 6

黒色が薄かったり、地の色が黄色でなくて褐色のものもあるそうですが、いずれも中胸盾板にこの写真のような模様があるようです。また、翅脈にも特徴があります。

イメージ 7

矢印で示した部分で、Rs脈が短いこと、それに、M脈が分岐する点が中室(dc)の手前かその角になるところです。参考のためにガガンボ属の翅脈も載せておきます。

イメージ 8

やはり矢印を書いておきましたが、Rs脈が長く伸びている点、それにM脈の分岐が中室(dc)の横側になっていて手前になっていない点が違います。

今までガガンボの名前調べはほとんど諦めていたのですが、論文も見つかったし、特徴も少し把握できたし、ということでだんだん機運が高まってきました。今度、捕まえてこようかなと思っています。上の論文では、一応、♂でも♀でも種の検索はできそうなので、やってみたいな思っています。

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Nephrotomaは毎日数十匹は見ますけど、明らかに何種か居ますねえ。
縁紋の有無や触角の長さと太さ、背面の黒条、色艶、腹部の模様などに差異のある個体が見られるんですが、普通に見られるものは2種程度かと思ってます。

2016/6/11(土) 午後 11:22 [ 菅井 桃李 ] 返信する

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たくさんいるのですね。羨ましいです。昨日、こちらは2匹。網を持っていなくて、手で捕まえようとしたら、意外に速く動くので逃げられてしまいました。今度、網を持って捕まえてこよう。

野外で撮影していたら、面白い虫が次々出てくるので、写真が溜まりすぎてとうとう処理能力の限界を越えてしまいました。それでも、晴れたらまた行きたくなってしまう・・・。

2016/6/12(日) 午前 6:10 [ 廊下のむし ] 返信する

触角は性差でした…

撮る枚数が多くなる時期ですからね。
真夏の暑い時期のネタや宿題にするなど、ストックしておくといいかも。

2016/6/12(日) 午後 8:57 [ 菅井 桃李 ] 返信する

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触角が♂♀で違うのですね。よく観てられますね。こちらではそんなに多くなくて、注意して見ているのですがなかなか出会えません。今度網を持っていって採集してきます。

夏休みの宿題用ですね。いいかも。冷凍庫に虫がいっぱいになって家族には嫌がられるかも・・・。

2016/6/13(月) 午前 5:34 [ 廊下のむし ] 返信する

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