廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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家の近くのむし探検 第74弾

一昨日の公園での虫探し結果です。それにしても面白い虫が次々と見つかりますね。公園の虫探しも病みつきになりそうです。

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今日の最初はこの虫です。こんな姿の虫を図鑑か何かで見たことがあったのですが、実物は初めてです。夢中になって写真を撮りました。

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これは上から、

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そしてこれは後ろからです。光ファイバーと同じように細い線には色がついていますね。分泌物を固めて作ったのだろうと思うのですが、この針のようなものの成分についてはまだ調べていません。ネットで探すとこれはハゴロモの幼虫みたいです。さらに、フッカーSさんのページではアミガサハゴロモとベッコウハゴロモ幼虫の見分け方も見つかりました。それによるとアミガサハゴロモのようです。今、文献を探しているのですが、これもまだ見つかっていません。

追記2016/06/13:幼虫のこの尻尾について書かれた論文を探していたら、こんな面白い記事を見つけました。

藤田誠、「アミガサハゴロモの研究―幼虫のロウ物質の構造」、化学と生物 53, 802 (2015). (ここからダウンロードできます)

この記事は、浜松日体高校の高校生が日本農芸化学会「ジュニア農芸化学会2015」で発表した内容を編集部がまとめたものです。小さい頃からハゴロモ幼虫のこの奇妙なロウ物質の形と色に興味を持った発表者は顧問の先生の指導を受けて、これを光学顕微鏡と電子顕微鏡で調べたという内容です。針状の突起の一本一歩の根元にはロウ物質の分泌孔があるのですが、単純な孔ではなくて14個の小さな孔が環状に並んだ形をしています。この孔から出されたロウ物質は互いに融合し、直径15ミクロン、厚さ1ミクロンのストローのような中空の針状突起を作るそうです
(下の模式図参照)。個々の突起は動くことができ、全体として傘のように開いたり、あるいは、閉じたりすることができるようです。まるで、クジャクの飾り羽のようですね。この動きを使って、ジャンプで上がるときには閉じ(?)、下がるときには開いてパラシュートのようにゆっくり降りてくるそうです。こうすることで、風により遠くまで逃げられるとのことでした。色に関しては、発表者は当初CDの色の基になる回折格子を予想したのですが、針状突起の表面には特に周期構造が見られなかったので、回折格子ではなくて、虹と同じ屈折の効果ではないかと考えているようです。
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ちょっとだけ色の原因を考えてみました。針状突起の内部が中空なので、内部の屈折率はむしろ小さく、通常の光ファイバーとは異なっています。この条件では光は針状突起の内部を伝播することはできません。また、膜の厚みが薄いので屈折による着色はごくわずかだと思われます。一番考えられるのは、膜による薄膜干渉ではないかと思います。上の写真では、着色している部分が撮影方向に対してほぼ垂直になっている部分に限られているようです。カメラ内臓のフラッシュの光を当てると、この部分の針状物質で正反射さた光が直接戻ってきてカメラレンズに入ります。こういう条件ではシャボン玉やメガネのコーティングでよく知られた薄膜干渉が起きると考えられます。撮影方向に垂直な向き以外の針状突起では正反射光はカメラレンズには入って来ず、針状突起で散乱された光だけが入ってくると思われます。散乱効率は青い光の方が大きいので、若干色が付くとは思いますが、全体としては白く見えると考えられます。単なる仮説ですけど・・・。いずれにしても、高校生が発表したとは思えない素晴らしい研究だと思います。私も少し見習わなくては・・・)(追記2016/06/13:屈折は厚みと関係なかったですね。屈折率の分散なんだけど・・・

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これはヨコバイの幼虫だと思うのですが、名前は分かりません。それにしても変わった形の虫だらけですね。

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名前の分からない成虫もいました。こうなるとヨコバイやハゴロモの図鑑が欲しくなりますね。

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カメムシついでにモチツツジカスミカメの写真も出しておきます。先日、初めて見たのですが、探すと見つかりますね。

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次はこのハエです。てっきりミバエの仲間だと思って、「原色昆虫大図鑑III」の図版を何度見ても同じ模様のハエは見つかりません。翅に模様があるのはシマバエもそうかと思って探したのですが、これもダメ。ヤドリバエにも模様のあるものがいるというので探したのですが、ダメ。さらに、ネットで探し回って、結局、ヒロクチバエ科のニセフトスジヒメヒロクチバエという名前を見つけました。早速、「日本昆虫目録第8巻」で調べると、Rivellia属には11種、sp2種が載っていました。この中で、ニセフトスジヒメヒロクチバエはスジブトヒメヒロクチバエという和名に変わっていました。

この手のハエならば、翅の模様を見ればある程度判断できるだろうと思って、少し、文献を探してみました。まず、Rivellia属をリストアップすると次の表のようになります。

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この13種です。このうち、分布が本州を含んでいるものが○、本州とは書いてないものの分布してそうなのが△、本州には分布していそうにないと思われるのが×です。さらに、文献を調べると、次の3つの論文に翅の模様が出ていました。

H. Hara, "A New Species of Rivellia (Diptera, Platystomatidae) from Japan, with Notes on Three Known Species of the Genus in the Far East",国立科学博物館専報 27, 155 (1994). (ここからダウンロードできます)

H. Hara, "Description of a New Species of Rivellia (Diptera, Platystomatidae) from Japan", 昆蟲 60, 427 (1992). (ここからダウンロードできます)

H.-Y. Han, "A Checklist of the Families Lonchaeidae, Pallopteridae, Platystomatidae, and Ulidiidae (Insecta: Diptera: Tephritoidea) in Korea with Notes on 12 Species New to Korea", Animal Systematics, Evolusion and Diversity 29, 56 (2013). (ここからダウンロードできます)

それぞれの論文に出ている種を○で書いてあります。うまい具合に本州に分布していないと思われる2種を除いてすべての種の翅の模様が分かりました。その結果、予想通り、Rivellia alini (スジブトヒメヒロクチバエ)が最も適当であることが分かりました。また、sp.2とsp.3は「埼玉県昆虫誌II 双翅目」に載っているのですが、それぞれapicalisに似る、basilarisかもということなので、今回の写真の個体とは異なるだろうと予想がつきます。ということで、この写真のハエはたぶん、みなさんが書いておられるようにスジブトヒメヒロクチバエで合っているのではと思います。

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次はこのハエです。実は、このハエを捕まえようと思って、大失敗をしてしまいました。初め、ビニールの袋で捕まえようと思って追いかけたのですが、逃げられました。そうだ!吸虫管を持ってると思って、カバンから出そうとしたら、チューブが引っ掛かって一緒に入れていた殺虫管を落としてしまいました。石の上でパンと音がして粉々になってしまいました。ショックで、採集は諦め。ということで、まだ名前は分かりません。

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これは長い口吻を持っているので、クチナガハリバエでしょうね。

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ピントが合わなかったのですが、これは何だろう。

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これはアシナガバエかなぁ。

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最後はニクバエ。この日はやたらこんな姿を見ました。カメムシ目とハエ目で、結構長くなったので、この辺で次回に回します。

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閉じる コメント(2)

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お早うございます。 改修工事はまだ続くんですね。
やっぱりそちらは虫が多い場所なんですね。
こちらは近所に大小20あまりの公園があって、まわりに大きめの林があるところも多いのですが、・・・いませんよ。
ありふれたハエがいるだけです。
すごくうらやましいです。
1日いても飽きないでしょう。

2016/6/13(月) 午前 6:33 [ - ] 返信する

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too*oo*i*landさん、お早うございます。

先日、足場の一部が取り外され、ようやく外の景色が見えるようになりました。でも、廊下にはまだシートが引かれ、とても虫を探すような環境ではありません。

それよりも最近は公園で虫を探す楽しみができて、晴れたらいてもたってもおられず、つい公園に行ってしまいます。公園が20もあるといいですね。私の行く公園のツツジの植え込みは裏が雑木林になっていて、それがよいのではと思っています。同じような植え込みが公園のあちこちにあるのですが、特に多いのは10mほどの長さの一か所です。こことその両側の植え込みの前をうろうろして、2時間ほど粘っています。でも、写真を撮りすぎて後の名前調べがひどく大変になりました。たまには雨が降るといいなと思っています(笑)。

2016/6/13(月) 午前 7:22 [ 廊下のむし ] 返信する

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