廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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先日、公園でこんな得体の知れないものを見つけました。

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ツツジの葉についたこの変なものです。これがもそもそ動きます。よく見ると、脚が生えています。こんな記事を出したら、通りすがりさんから、「ツツジの葉上の得体の知れないものは、ツツジコブハムシの幼虫です。葉上どころかツツジから下りていることも多々あり、これが意外と見付からないんですよね。」というコメントをいただきました。

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ツツジコブハムシというのはこんな変わった虫です。コブハムシ属にはこんな形の種がいろいろといて、以前、検索を行ったこともありました。

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そして、これはカップルです。まさに横と縦ですね。

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立てることのできる虫はこれだけだと言われる通り、こんな風に立てることもできました。

このコブハムシの幼虫が先ほどのような殻の中に入っているみたいです。これに関して次のような論文を見つけました。

C. S. Chaboo, C. G. Brown, and D. J. Funk, "Faecal case architecture in the gibbosus species group of Neochlamisus Karren, 1972(Coleoptera: Chrysomelidae: Cryptocephalinae: Chlamisini)", Zool. J. Linn. Soc. 152, 315 (2008). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)

この論文自体はコブハムシの仲間の殻をいろいろと調べるという研究だったのですが、この論文の中に殻の作り方などの記述がありました。内容は次のような図でまとめられます。

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(C. S. Chaboo, C. G. Brown, and D. J. Funk,(2008)から改変して転載)

まず、雌は自分の糞で一番左のような殻を作ります。この中に卵を一つ産んで、「茎」の部分で葉上に取り付けます。上側は屋根を作って蓋をします。幼虫が孵化すると、この屋根の部分を破り、殻を逆にしてかぶります。この殻をかぶって動き回るのです。殻の中で幼虫は脱皮を繰り返して大きくなりますが、これに応じて殻も大きくしなければなりません。そこで、幼虫は今度は自分の糞で殻の下側と腹側を付加していきます。腹側には予め裂け目があって、それを広げて糞を付加していきます。最後に殻に蓋をして、中で脱皮をして蛹になります。こんな風に糞を利用する虫は稀で、蛾のツツミノガ科などで知られているそうです。

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先ほどの写真を見てみると、たぶん、上が背側、下が腹側、それに色が変わっている部分が新たに付加した部分かなと思いました。

この殻の材料は自分の糞と植物の毛状突起で、それに接着剤やワックスとして唾液や排出物からの液を使っているそうです。こんな風に糞を使うメリットは、いつでも得られるし、乾燥すると軽いし、それに捕食者が好まない材料だということみたいです。また、出来上がった殻は非常に丈夫で、羽化して空になった後もアリやクモの棲みかになったりするそうです。

追記2017/06/03:ささきさんから、「ツツジコブハムシというのですか。私が小さい頃、生家の庭のツツジにもたくさんいて、その頃は同定力もないのでムシクソハムシだと思っていました。同属のようですが、ツツジコブハムシとムシクソハムシの違いについて教えていただけると有難いです。」というご質問をいただきました。私も詳しくないのですが、腹面にある腹板突起の形で見分けられるようです。以前、写真を撮ったことがあるので、そちらをご覧ください。今坂氏のページによると、ツツジコブハムシの食草はツツジで、野外では少ないが、民家の庭、ツツジ園で多いとのことです。一方、ムシクソハムシはクリ、コナラ、クヌギ、アラカシの葉上で見つかるとのことです。もっとも、ムシクソの方はもっぱらマンションの廊下で見ていますが・・・

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人間は、うすく土を伸ばすことができないのに、このツツジコブハムシは、そんなことが器用にできてすごいなと感じました。
基本的に最初に作られたものに付与してどんどん大きくしていくのですね。
今度ツツジで探したいと思います!

2017/5/16(火) 午後 8:54 [ タイコウッチ ]

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タイコウッチ君、こんばんは
すごいですね。よくこんなことを考えたなと思って・・・。ツツジコブハムシは去年は5月下旬ごろからたくさん見かけたので、今頃探すと幼虫はきっと見つかるかもしれませんね。

2017/5/16(火) 午後 10:17 [ 廊下のむし ]

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ツツジコブハムシというのですか。私が小さい頃、生家の庭のツツジにもたくさんいて、その頃は同定力もないのでムシクソハムシだと思っていました。同属のようですが、ツツジコブハムシとムシクソハムシの違いについて教えていただけると有難いです。

2017/5/17(水) 午前 7:02 [ ささき ]

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ささきさん、お早うございます。
私も詳しくないのですが、腹面にある腹板突起の形で見分けられるようです。以前、写真を撮ったことがあるので、そちらをご覧ください。
https://blogs.yahoo.co.jp/fushionotori1/55362246.html

2017/5/17(水) 午前 7:23 [ 廊下のむし ]

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今坂氏のページ
http://www.coleoptera.jp/modules/xhnewbb/viewtopic.php?topic_id=103
によると、ツツジコブハムシの食草はツツジで、野外では少ないが、民家の庭、ツツジ園で多いとのことです。一方、ムシクソハムシはクリ、コナラ、クヌギ、アラカシの葉上で見つかるとのことです。もっとも、ムシクソの方はもっぱらマンションの廊下で見ていますが・・・。

2017/5/17(水) 午前 9:46 [ 廊下のむし ]


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