廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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今年は甲虫を調べてみようと思って、この間からハムシの勉強をしています。今日は先日、ガマズミ(?)の葉についていたハムシを調べてみました。

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こんなハムシです。この日は何匹もいたので、そのうち2匹を捕まえてきたのですが、その中の1匹で調べてみました。

検索表は次の本に載っているものを用いました。

木元 新作, 滝沢 春雄、「日本産ハムシ類幼虫・成虫分類図説」(東海大学出版会、1994)

見た感じ、ニレハムシなどが属するヒゲナガハムシ亜科ケブカハムシ属 Pyrrhaltaは確かそうなので、亜科と属の検索は省略し、種の検索をしてみました。その結果はサンゴジュハムシになったのですが、それを写真で確かめていきたいと思います。

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これがサンゴジュハムシに至る検索表の項目を抜粋したものです。全部で5つの項目を確かめればよいことになっています。(  )内は次の論文の中の英語の検索表を訳したものです。若干、異なる部分があったので、その部分を書き出しました。また、⑤の2つ目の( )は「原色日本甲虫図鑑IV」の種の解説に載っていたものです。これらについては後で触れることにします。

S. Kimoto, "The Chrysomelidae of Japan and the Ryukyu Islands. VI Subfamily Galerucinae I", J. Fac. Agriculture, Kyushu Univ. 13, 287 (1964). (ここからダウンロードできます)

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まずは全体像です。体長は7.2mmでした。これで②の条件はOKとなります。また、上翅には目立った点刻は見られないので、たぶん、③であっているのではと思いました。

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ケブカハムシ属の検索では触角の節の長さが重要になります。検索表には末端節付近となっていますが、英語の論文では第5節から10節と指定されていたので、その部分の長さ/幅の比を取りました。その結果をこの写真に載せました。すべて3倍以上になっていました。したがって、①はOKだと思われます。

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次は胸背に関するものです。②は小盾板が台形かどうかという項目ですが、見た感じは台形と呼びたくなる恰好をしています。また、⑤の前胸背板中央の黒色紋は前縁近くまで達しています。後者はサンゴジュハムシかどうかを判定する重要な手がかりになります。

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次は上翅側片に関するものです。甲虫の上翅は縁が内側に折れ曲がっていますが、それを上翅側片と言っています。これが末端に行くに従ってだんだん狭くなるというのが④です。

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これは拡大したものですが、末端に向かって徐々に狭くなり、矢印の部分辺りで側片の存在がはっきりしなくなっています。以上で、すべての項目を確認したことになるので、たぶん、サンゴジュハムシで合っているのだろうと思いました。

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次は触角第3節と第2節の長さの比についてです。「日本産ハムシ類幼虫・成虫分類図説」の日本語の検索表では触れていませんが、Kimoto(1964)では、第3節は第2節の長さの2倍以上と書かれています。一方、「原色日本甲虫図鑑IV」によると、約1.5倍と書かれています。後2者はいずれもブチヒゲケブカハムシ P. annulicornisとの比較として載っています。ただし、数字は逆になっていました。実際に測ってみると、何とも言えないという状況です。上の写真でも分かりますが、第1節と第2節の境がはっきりしないのですが、たぶん、上の寸法に書いた方が正しい境の位置を示していると思います。そちらだとちょうど間ぐらいの1.84倍になります。また、第1節の黒い部分の縁で考えると、1.43倍になります。ブチヒゲケブカを見てみないとはっきりしたことは言えないのですが、あまりよい指標ではないような気がしました。それでなのか、「日本産ハムシ類幼虫・成虫分類図説」にはこの項目は載っていなくて、前胸背中央の黒色紋が前縁近くに達するかどうかで決めることになっています。ネットで見ると、ブチヒゲケブカは後縁付近に黒色紋があるだけなので、その方が見やすいかもしれません。

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この間、ジュンサイハムシの属の検索をしたときに、前胸背面前縁角の剛毛という項目が出てきました。今回も見てみると、確かに剛毛があります。ジュンサイハムシのときは2本だったのですが、この場合には1本みたいです。さらに、後縁角にも1本生えていました。あの時は猫の鬚みたいなもので、横幅を測るためのものではと思ったのですが、そうであったら、後縁角には要らないのではと思うようになり、よく分からなくなりました。

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最後は腹部末端の写真です。ジュンサイハムシの属の検索をしたときには、「雄では腹部第5節の末端中央部が三角形に裁断される」ということが書かれていました。この写真は三角形とまではいかないのですが、同じような形に切れ込んでいるので、ひょっとしたら♂かなと思いました。

ヒゲナガハムシ亜科のハムシも何回か検索を試みたので、だいぶ慣れてきました。まだ、ニレハムシの♂♀を調べた写真が残っているので、今度まとめて出すことにします。

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