廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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家の近くのむし探検 第330弾

9月21日に、例によって家の近くの国道沿いの茂みを探して見つけた虫です。

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フィールドに行く前に、まずはマンションの廊下にいた蛾です。これはヨツモンマエジロアオシャク。アオシャクは綺麗でいいですね。

追記2017/09/29:tot*ro3*1*さんからコメントをいただいたので、アオシャクの緑色の色素について調べてみました。その結果、次の論文が見つかりました。

M. A. Cook et al., "The Chemistry and Systematic Importance of the Green Wing Pigment in Emerald Moths (Lepidopera: Geometridae, Geometrinae)", Biochm. System. Ecol. 22, 43 (1994).

筆者らはシャクガ科が膨大な一群になっているので、その分類のために使えないかと思って色素を調べているようです。アオシャクは英語ではEmerald Mothと呼ばれています。綺麗な名前がつけられていますね。とにかく、壊れやすい色素で、扱うのが大変なようです。生きているときは、色素はタンパク質と結びついて安定なのですが、標本にするとタンパク質が次第に劣化してきて、その結果、褪色していきます。筆者らはアオシャク亜科をはじめとして、緑、青、黄色をもつ多くの蛾について色素を調べました。アオシャクの緑の色素は光に弱く、酸に弱いという性質を持っています。それで、光が当たらないようにして、できるだけ短時間にTLC(薄層クロマトグラフィー)で展開してみたところ、ただ1種類の色素であることが分かりました。筆者らはこの色素にgeoverdinという名前を付けました。

この色素はクロロフィル(葉緑素)の誘導体らしく、また、酸塩基指示薬のような振る舞いをします。翅にまずアセトンをつけて表面を親水的にし、それから酸を垂らすと、緑が黄色に変色します。そこにアルカリを垂らすと再び緑に戻るのですが、すぐに褪色してしまったそうです。アオシャクの色はたいていこの色素がもとになっていて、中くらいの蛾の翅一枚から70μgも取れたそうです。ほかの科でも緑色の模様があるものには存在していました。色素自体は水に溶け、極性があり、紫と紫外部に吸収を持っています。筆者らはアオシャクが種によって、黄色になったり、緑になったり、灰色になったりするのはgeoverdinの量と場所が関係していると思っています。例えば、geoverdinの量が多くて鱗粉全面に分布していると黄色になり、逆に、量が少なく、鱗粉の先端だけに分布しているときは暗い緑になるという具合です。

この論文では
geoverdinの分子構造までは分からなかったのですが、の論文を引用した論文やgeoverdinについて触れている論文を検索しても、その後、色素を調べたという論文は見つかりませんでした。まだ、詳細は分かっていないのかもしれません

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シロテンクチバとオオシロテンクチバという似た種がいます。「日本産蛾類標準図鑑II」の説明では、後者の特徴としては、地色が濃色、腎状紋は白ではなく灰黄色が挙げられているので、たぶん、これはオオシロテンクチバだと思われます。図鑑にはそのほかにも、「外縁に沿う白色点列がある」という特徴も違いの一つに挙げられていたのですが、オオシロテンだけでなく、シロテンにも白点列があるので、何を指しているのか分かりませんでした。

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次はたぶん、プライヤエグリシャチホコ

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これは窓の下に止まっていたので、ちょっと離れたところから撮りました。アカネシャチホコか、イシダシャチホコでだいぶ迷ったのですが、たぶん、イシダシャチホコの方だと思います。

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これもヨツボシホソバか、マエグロホソバか、♀は同じ模様なのでよく分かりません。以前にも書いたのですが、両者は翅脈の違いで区別することができます。でも、こんな写真じゃ分からないだろうなと思ったのですが、試しに調べてみました。

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意外に翅脈が見えました。M2脈があるのはヨツボシホソバ、ないのがマエグロホソバなので、これはヨツボシホソバ♀ということになります。

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これからはフィールドです。たぶん、マエキヒメシャクでしょう。

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これはホタルガです。最近、よく見かけますね。

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これは特徴のある毛虫です。「原色日本蛾類幼虫図鑑」をぱらぱら見ていたら見つかりました。たぶん、ヨモギエダシャク

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蛾ではないのですが、キバナコスモスに来ていたキアゲハです。

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下はヒメクダマキモドキ、上もその幼虫だと思っているのですが、本当かな。

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最後はオンブバッタ

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まるでうっかり通り過ぎたらイチョウの青葉みたいでしたね^_^

2017/9/27(水) 午後 11:07 [ tot*ro3*1* ]

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tot*ro3*1*さん、お早うございます。
色と形は確かに似ていますね。大きさはだいぶ違いますが・・・。
綺麗だからと思って標本にすると、すぐに色あせてしまうし、捕まえるときに酢酸エチルの入った毒瓶に入れると、黄色になってしまうし・・・。なかなか扱いにくい蛾です。

2017/9/28(木) 午前 5:44 [ 廊下のむし ]

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アオシャクの色にそんな秘密があったんですね。
新鮮なアオシャクの色は本当に綺麗ですが、褪色したJodisやMaxatesばかり見付かるとうんざりしますが(笑)

2017/9/28(木) 午後 6:00 [ 通りすがり ]

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昔、アオシャクを酢酸エチルの入った毒瓶に入れたら、色がすっかり変わってがっかりしたことがありました。たぶん、有機溶媒でたんぱく質が変性したのでしょうね。光によっても褪色するというので、あの色は本当に新鮮な個体だけということになるのでしょう。こんなに弱い色素を使う意味がどこにあるのかなぁ。まぁ、生きている間だけ綺麗ならばいいのだから構わないのかな。

2017/9/29(金) 午前 5:17 [ 廊下のむし ]


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