廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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サシバエの検索

今日はこの間見つけたサシバエを検索表に従って調べていきました。

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サシバエだと思っているのはこのハエです。顔の前に口吻が突き出した変わった格好をしています。サシバエについては各部の名称血を吸う仕組みについてはすでに書きました。今回は検索です。検索はまず、科の検索を「原色日本昆虫図鑑III」に載っている検索表で行い、次に、

篠永哲、「日本のイエバエ科」、東海大学出版会 (2003).

に載っている検索表を使って、亜科、属、種の検索を行いました。まずは科の検索から。

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サシバエはイエバエ科に属します。後で写真で見せるように有弁翅類であることはすぐに分かるので、そこから出発し、上の㋐〜㋔を写真で確かめていくことにします。いつものように検索の順ではなく、部位別に見ていくことにします。

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まずは全体像です。体長は5.6mmでした。この写真では横を向いていますが、長い立派な口吻がついています。これで㋑はOKです。
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次は有弁翅類かどうかですが、この写真のように端覆弁と基覆弁の2つ覆弁が発達しています。無弁翅類では端覆弁はありますが、基覆弁はこんなに発達していません。

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次は胸部側面の写真で、左が前方です。副基節は「大図鑑」の説明では中基副節となっているので、名称をそちらに合わせました(以下、名称をできるだけ「大図鑑」に合わせるようにしています)。中基副節に強い刺毛が生えていないことは写真を見るとすぐに分かります。

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次は翅脈です。CuA+CuP脈は翅縁にまでは届いていません。これで㋓はOKです。A1脈は少し見にくいのですが、ほぼ直線的に翅縁向かっていて途中で消えています。したがって、その延長線がCuA+CuP脈の延長線と交わることはないと思われます。これですべての項目を調べたので、イエバエ科は確かそうです。

次は亜科の検索です。

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「日本のイエバエ科」の亜科への検索表では一気に族まで行ってしまうのでついでに書いておきました。これも部位別に見ていきます。

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①は基覆弁についてですが、この写真のように基部は小盾板とは離れています。したがって、「稀に」と書かれている方の舌状になっていると思われます。「日本のイエバエ科」には英語と日本語の検索表が共に載っているのですが、不思議と内容が異なっています。②の( )内は英語の検索表にあって日本語のものにはなかったものを補ったものです。内容的には①の後半と同じでした。

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これは口吻を写したものです。口吻の基部は膜状になっていて、動かすことができるようになっているので、先端は硬化するという書き方になっているのではと思いました。とりあえず②はOKです。

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これは胸部側面の写真ですが、中胸上後側板には密生というわけではないのですが、剛毛は生えています。また、後気門の下縁には剛毛が生えていません。

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最後は翅脈でM1+2脈が矢印の箇所で前方に湾曲していることを見ます。これで、イエバエ亜科サシバエ族になりました。

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次はイエバエ亜科の属と種の検索です。通常、属の検索は嫌になるほど多くの項目を確かめなけらばならないのですが、サシバエ属はあっという間に到達します。しかも③と④は族の検索なので、すでに確かめていました。これらも写真で見ていきます。

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この③はすでに確かめました。

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④もすでに確認が終わっているので、⑤について調べていきます。ここでは口吻と口肢の長さを比較しています。口肢が短いということを主張している項目ですが、実測すると1/3ではなく、1/4になりました。でも、たぶん、大丈夫でしょう。

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③に書かれている中胸上後側板の剛毛束というのがどういうものかはよく分からないのですが、見る限り、束というほどは生えていないので、たぶん、OKでしょう。次の⑤の中胸下前側板の刺毛が0+1というのは、通常、この側板の上には3本の刺毛が生えていることが多いのですが、それを前側と後ろ側に分けて表現したものだと思われます。この写真の場合、後ろ側に一本だけなので0+1となります。

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最後がサシバエかどうかの決め手になるのですが、どうも写真がはっきりしません。たぶん、黄矢印で示したところにある暗色の斑紋を指しているのではと思っています。これについては、「日本のイエバエ科」にイラストが載っているのですが、インドサシバエの場合は帯状なので、これとは明らかに違います。ということで、サシバエでよいのではという結論になりました。

イエバエについては詳しい本があるので、できるだけ検索をしてみようと思っています。いつもなら、脚の刺毛の向きやら、頭部の刺毛の向きや数など、細かいところを見ていかなければいけないのですが、サシバエは項目が少なくてかなり楽でした。

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