廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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最近は撮影に出られないので、冷凍庫にしまっておいた虫を調べてばかりしています。足に巻かれているギプスもうまく行くと来週には取れるので、また、ぼちぼちと歩けるようになるかもしれません。今はそれを楽しみにしています。

さて、ハムシの検索表の載っている文献が見つかったので、先日から、ハムシを調べているのですが、今回もハムシです。

イメージ 1

これは12月1日にマンションの廊下で見つけたものです。雰囲気的にはサルハムシの仲間で、「原色日本甲虫図鑑IV」の図版を見て、チビカサハラハムシではないかと思った個体です。今回検索してみると、属については予想通りカサハラハムシなどが含まれるDemotina属になったのですが、種については紆余曲折しています。どうやらチビカサハラハムシではなさそうで、未だに迷っています。それで、とりあえず、属までの検索をまとめてみることにしました。

検索表は亜科については「原色日本甲虫図鑑IV」に載っているもの、属については次の論文に載っているものを用いました。

S. Kimoto, "The Chrysomelidae of Japan and the Ryukyu Islands. IV", J. Fac. Agri., Kyushu Univ. 13, 235 (1964). (ここからダウンロードできます)

まずは亜科の検索です。検索結果はサルハムシ亜科 Eumolpinaeになったのですが、その過程を示すと次のようになります。

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この6項目を確かめるとサルハムシ亜科になります。それで、また、部位別に見ていきます。

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まずは全体像です。体長は2.7mmでした。体全体に白い毛のようなものが生えていますが、実は、これは毛ではなくて鱗片です。


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横からの写真です。頭部は正常で、口器は頭部の先端にあります。これで①はOKです。③は頭部が前胸にはまり込んだような形をして、複眼が前胸背板前縁にくっつきそうになっているところを見ます。また、前胸背板の側縁が写真でははっきりしないのですが、③の後半や⑥の「稀に」と書かれているの方になると思います。

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次は頭部です。左右の触角は十分に離れています。これで②はOKです。また、頭盾と前額の間にあるはずの会合線ははっきりしません。これが⑥です。

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④は特に溝などはなかったのでOKでしょう。⑥もOKです。

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爪がえらい格好をしていますが、これは後から出てきます。ここでは跗節第3節が左右に分かれていることを見ます。これで、①から⑥まで確認したので、サルハムシ亜科は確かでしょう。次は属の検索です。

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Demotina属になるにはこの7項目を確かめなければなりません。これも写真で見ていきたいと思います。

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⑦の前胸前側板は矢印で示した部分だと思いますが、その前縁はほぼ直線的です。また、前内角は一番右端の角になるのですが、特に反り返っていません。これは以前調べたサクラサルハムシと比較するとよく分かります。次の⑫の前胸腹板は矢印で示した部分ですが、やや横長の長方形をしています。これで⑫もOKです。

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先ほどと同じ写真ですが、脚の爪がそれぞれ二つに分かれていることが分かります。長さは少し違うのですが、これをbifidと言うのですね。

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⑨、⑩、⑫、いずれも見たら分かると思います。

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明瞭な前胸背板の側縁はないのですが、代わりにこんな歯のような構造がありました。

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脛節先端外側に窪みがないのがこの写真から分かります。これも以前調べたサクラサルハムシと比較するとよいと思います。

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⑬は体に生えているのが毛ではなくて鱗片であることを言っています。これは上翅にある白い斑紋辺りを拡大したものですが、白い鱗片がやや密に集まっていることと、下地に粉のようなものがあることが分かります。

イメージ 15

これはその部分をさらに拡大したものです。こう見ると、白い毛のようなものには筋が入っていて細長い鱗片であることが分かります。これで⑬はOKです。

イメージ 16

最後は腿節下面にある歯についです。歯が短くて鱗片によって隠れてしまうために写真ではなかなかうまく撮れませんでした。矢印の部分に少し尖ったところが見えますが、これが歯の先端です。歯はあっても目立たないということですね。でも、とりあえず⑬はOKです。これで一応、すべての項目を確認したので、Demotina属は確かそうです。

これから先の種の検索はだいぶ迷いに迷ったのですが、これについては次回に回します。

追記2017/12/17:ビッツさんから、「もうご存知かもしれませんが、今坂正一氏のカサハラハムシ属紹介を紹介しておきますね。」というコメントをいただき、次のサイトを紹介していただきました。最新ハムシ事情図説6 カサハラハムシ属紹介1」、「最新ハムシ事情図説7 カサハラハムシ属紹介2。カサハラハムシの情報をどうも有難うございました。最初は木元氏の論文にある種の検索表で調べていたのですが、「原色昆虫大図鑑」を見たら論文に載っていない種が載っていたので、文献を探して磯野氏の論文にたどり着きました。検索表に書かれている内容が分からないので、またまたネットで探していたら、教えていただいた今坂氏のサイトにたどり着きました。写真が載せられているので、それと比較しながら調べていくと、近畿地方には報告のない種にたどり着き、さらに、雌雄の見分け方も分からず、迷走に迷走を重ねています。こんな怪しげなブログですけど、今後ともよろしくお願いいたします

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初めまして。いつも楽しく拝見させていただいています。
もうご存知かもしれませんが、今坂正一氏のカサハラハムシ属紹介を紹介しておきますね。
その1
エイチティーティーピー://www.coleoptera.jp/modules/xhnewbb/viewtopic.php?topic_id=105
その2
エイチティーティーピー://www.coleoptera.jp/modules/xhnewbb/viewtopic.php?topic_id=106 削除

2017/12/7(木) 午前 2:29 [ ビッツ ] 返信する

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ビッツさん、初めまして。ブログを拝見しました。私の知らない世界をいろいろと見ておられるようですね。

カサハラハムシの情報をどうも有難うございました。最初は木元氏の論文にある種の検索表で調べていたのですが、「原色昆虫大図鑑」を見たら論文に載っていない種が載っていたので、文献を探して磯野氏の論文にたどり着きました。検索表に書かれている内容が分からないので、またまたネットで探していたら、教えていただいた今坂氏のサイトにたどり着きました。写真が載せられているので、それと比較しながら調べていくと、近畿地方には報告のない種にたどり着き、さらに、雌雄の見分け方も分からず、迷走に迷走を重ねています。こんな怪しげなブログですけど、今後ともよろしくお願いいたします。

2017/12/7(木) 午前 6:14 [ 廊下のむし ] 返信する

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