廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

正月早々で恐縮なのですが、年末に捕まえたハエを調べたので、それについて書いてみようと思います。

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対象となるハエはこれで、以前、ヤマギシモリノキモグリバエだと教えていただいた種と似ています。たぶん、そうだろうと思ったのですが、自分で属まで調べたことがなかったので挑戦してみました。過去に出した記事を見ると、科については以前、調べたことがありました。今回は科の検索は省略して、その先の属の検索をしてみようと思います。検索表にはいつもの本(MND)を用いました。

"Manual of Nearctic Diptera", Vol. 2, Research Branch Agriculture Canada, Monograph 28 (1987). (ここからダウンロードできます)

ヤマギシモリノキモグリバエはモリノキモグリバエ属 Rhodesiellaに入っているのですが、検索をしてみると、確かにRhodesiella属になりそうです。この属に達するかどうかは次の各項目を調べることで確かめることができます。

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全部で10項目あり、若干不安なところもあるのですが、一応、部位別にこれらの項目を見ていきたいと思います。

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まずは全体像です。体長は2.5mmでした。検索表のいくつかの項目はこの最初の写真からでも調べることができました。①、②、⑧、⑨ともこの写真を見るとすぐに分かります。

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次は綺麗な青色の見える頭部です。この部分を単眼三角板というべきか、前額帯と呼ぶべきなのかはよく分かりません。この写真では額眼縁剛毛が多数の短い後ろ向けの剛毛からできていることを確かめます。これが③の前半部分です。次の単眼剛毛についてはどうも分かりません。この写真からは、剛毛はほぼ直立して、互いに発散的に生えているように見えるので、項目の記述と合いません。これはSiphonellopsinae亜科Apotropina属を除外する項目なのですが、最初の額眼縁剛毛については間違いようがないので、たぶん、大丈夫だと思います。⑦は写真からOKであることが分かります。

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次も微妙な項目です。顔面に隆起線があるかどうかですが、白矢印のように中心に縦の隆起線がわずかに見えています。その部分を倍率を上げて拡大してみます。

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矢印のように中心に縦の隆起線があることは確かですが、低い隆起なので、たぶん、⑥はOKなのではと思いました。

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次は背側から写した写真です。⑩はOKですが、⑧はややこしいです。背側剛毛は矢印で示した剛毛だと思いますが、一つが前、一、二本が後ろというのが合点行きませんでした。共に、横線前なので、二本とも前ではないかと思ったのですが・・・。j残りの剛毛は写真に示した通りで大丈夫だと思います。ただ、体色が黒くて剛毛も黒いためかなり見にくいです。

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次は側面からの写真です。この胸の部分を拡大します。

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③の後前胸背板は肩瘤のことで、ここには中心に向かう強い剛毛はないのでこの項目はOKだと思います。⑥もOKでしょう。⑩の上前側板の毛は見にくいのでさらに拡大します。

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確かに長い毛が生えていました。これで、⑩もOKとなりました。

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次は翅脈に関するものです。②は前縁脈がM1+2まで届くかどうかで、写真のようにM1+2まで届いています。なお、原文ではM1となっていたのですが、「原色昆虫大図鑑III」に翅脈の名称を合わせたためにM1+2になりました。⑤に載っているcostal sectorは上の写真のように分けることが、検索表に付随した図に載っていました。これによると、2ndの方が明らかに3rdよりは短いので、例外の方の記述に従い、R2+3が凹型に前縁に向かっていることを見てOKとしました。なお、2nd costal sector/3rd costal sectorの比をcostal indexと言って、ショウジョウバエ科などではよく使われている指標になっているようです。

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最後は後脛節についてですが、何度見ても脛節器官(tibial organ)らしきものは見当たりません。「通常」と書いてあるのでよいことにしました。④の脛節刺はありませんでした。

ということで、いくつか怪しいところもあるのですが、一応、すべての項目をクリアしたので、モリノキモグリバエ属 Rhodesiella属でよいのではと思っています。ただ、MNDに載っているRhodesiella属は1種のみなので、ちょっと不安も残りました。そこで、別の検索表でも試してみることにしました。これについては次回に回します。なお、「日本産昆虫目録第8巻」によると、Rhodesiella属にはspを含め9種載っていました。そのうち、本州産は7種。種まではまだまだです。

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