廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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冷凍庫にしまっておいた虫の名前調べをしようと思って、この間からぽつぽつ調べ始めています。今回は昨年の9月6日に採集したハエです。この間に骨折をしたりして、ずっとそのままにしておいたのですが、昨日、取り出して見てみたらかなり乾燥していました。


たぶん、このハエだと思います。9月10日のブログに採集したと書かれていたので。このハエは以前も採集して検索してみたことがありました。その時はイエバエ科のチャバネヒメクロバエだという結論になったのですが、顕微鏡で見ただけで写真を撮っていなかったので、何も記録が残っていません。それで、もう一度やり直してみたいなと思っていました。ちょうど、大石氏らの論文で亜科の検索がうまくできるようになったので試してみました。

大石久志、村山茂樹、「日本産イエバエの同定」、はなあぶ No. 37, 100 (2014).

科の検索は省略して、亜科の検索から始めたいと思います。上の論文に載っている検索表で調べると亜科に至る検索項目は次のようになります。

イメージ 1

この4項目を調べると、チャバネヒメクロバエの属するHydrotaea属が含まれるイエバエ亜科(Muscinae)のミヤマイエバエ族(Azeliini)になることが分かります。これをまた部位別に調べていきたいと思います。

イメージ 2

まずは全体像です。複眼の綺麗な色がすっかりなくなってしまいました。体長は5.9mmでまずまずの大きさです。また、最初の写真で両側の複眼が中央で接しているのでこの個体は♂です。上の写真で④を調べてみます。この項目については大石氏らの論文に説明が載っています。チャバネヒメクロバエの属するHydrotaea属には異質な2群を含んでいるそうです。一つは♂の前脚腿節腹面に顕著な2次性徴をもつ従来からHydrotaea属と呼ばれていた群、もう一つは♂の前脚腿節腹面の顕著な2次性徴を欠き、体表に強い光沢のあるOphyra属とされていた群です。この写真でも分かりそうですが、この種は前脚腿節腹面には特に変わった構造は持たず、体表には強い光沢があるので、後者の方だと思われます。それで、④はたぶんOKだと思われます。

イメージ 3

次は胸部側面の写真です。光沢があって、写真が撮りにくいのですが、とにかく、上後側板にも下後側板にも毛は生えていないようです。従って、①も②もOKだと思いました。

イメージ 4

次は後基節を撮ったのですが、この後背面に毛が生えているかどうかという点です。写真が前背面を撮ってしまったので、はっきりとは分かりません。背面には2本ほど毛が生えていそうですが、顕著な毛は生えていないようです。これはもう一度撮り直さなければならないですね。ともかく、これがOKなら、イエバエ亜科ミヤマイエバエ族ということになりましす。

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次は属の検索だったのですが、うっかりしてHydrotatea属の種の検索を先にしてしまいました。とりあえず、これを先に出しておき、次回に属への検索を載せます。⑤から⑧は「日本のイエバエ科」の日本語版の検索表を用いました。これも写真で見ていきます。

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先ほども出した全体像です。⑤は先ほどの④と同様の項目です。⑦では後脛節が特に湾曲するということはありません。

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⑥は複眼後縁が凹むかどうかなのですが、この写真を見る限り、そんな様子は見られません。

イメージ 8

これは後脚腿節基部を腹面から写したものです。基部近くに黒矢印で示したように短い棘が3本生えていました。

イメージ 9

次の⑧の端刺は触角刺毛のことだと思いました。その基部は確かに赤みを帯びています。

イメージ 10

これは趣味的にちょっと拡大したものです。これで種の検索項目はすべて確かめました。たぶん、チャバネヒメクロバエ Hydrotaea chalcogasterで間違いないと思うのですが、属の検索を抜かしてしまったのは失敗でした。

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