廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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先日(4/19)に家の近くの公園でケバエを見つけました。

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この間から、ちょくちょく見かけるので、一度調べてみようと思って採集しました。いつものように次の論文で検索してみました。

D. E. Hardy and M. Takahashi, "Revision of the Japanese Bibionidae (Diptera, Nematocera)", Pacific Insects 2, 383 (1960). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)

その結果、クロアシボソケバエになりました。記録を見たら、以前、ちょっとだけ調べたことがありました。でも、顕微鏡写真は撮っていなかったので、今回は検索と各部の写真を撮っておきました。いつものように検索から始めます。

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まずは属の検索です。この2項目を確かめればよいだけです。検索表の順番に見ていきます。

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翅脈の名称はMNDに従って書きました。「原色昆虫大図鑑III」の方式とは異なるので、後でそちらの方のやり方も書いておきます。この写真ではRs脈がR4+5脈になることになっていますが、これはR4+5脈が分岐することがあるからです。ここではとにかくRsあるいはR4+5は分岐していません。したがって、OKです。

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次は全体を横から撮ったものです。まず、体長は口吻の先端までで8.6mm。前脚脛節末端には矢印で示すように距刺があります。これで①はOKです。

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その距刺を拡大してみました。確かに1対あります。これで②はOKで、Bibio属であることは確かそうです。次は種の検索です。

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種の検索は③から⑨まで確かめることで、クロアシボソケバエであることが分かります。若干、疑問点もあるのですが、出てきたときに書くことにします。

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先ほどの写真ですが、距刺の先端は尖っています。これは先端が丸くなっているハグロケバエを除外する項目です。⑤は2つの距刺の長さの比較ですが、ほぼ等しくなっています。これで⑤もOKです。

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次は翅脈です。④はRsと書いてある部分とr-mと書いてある部分の長さの比較ですが、ほぼ等しくなっています。これで④はOKです。翅はほぼ透明なので⑥もOKだと思います。なお、翅脈の名称の( )内は「原色昆虫大図鑑III」風に書いてみたつもりです。

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こんな風に左右の複眼が接していて、腹部末端の尖っていないのが♂です。

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これは後脚跗節を撮ったものですが、第1節は特に膨れていません。

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これは腹部末端を背側から撮ったものです。各部の名称は「原色昆虫大図鑑III」の絵を見ながらつけてみました。生殖端節というのが把握器なのですが、特に変わった様子は見られません。それで、⑧はOKです。

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次は⑨です。これにはいくつか項目があるので、順に見ていきます。ここに書いてある項目はたぶん、OKでしょう。

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「原色昆虫大図鑑III」の説明によると、軸節、蝶咬節は小顎の一部で、基部から軸節、蝶咬節、内葉、小顎鬚と続くことになっています。この写真では矢印の部分が軸節と蝶咬節の部分で、左側に伸びているのが小顎鬚です。軸節と蝶咬節の部分が盛り上がっているのが分かります。これが⑨の意味だと思います。

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さらに拡大してみました。確かにその部分は触角の基部よりも高くなっています。

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次は翅縁を拡大したものです。よく見ると、M2、CuA1(M3+4)共に翅縁まで届いていません。

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最後の部分がちょっと問題でした。これは小顎鬚を拡大したものですが、末端節の長さは幅の1.8倍ほどあり、書かれている値よりは長くなっていました。そのほかの節も測ってみたのですが、この図のようになりました。種の説明によると、第1節は小さくて見えない。第2節は幅の4倍、第3節と第5節は1.5倍、第4節は1.25倍。実測とはちょっと違っていました。また、♂の体長も6.3-7mmと書かれていますが、この個体は8.6mmとかなり大きくなっています。ただし、腹部末端の構造は論文に載っている図と似ているのでたぶん、クロアシボソケバエで間違いないと思うのですが・・・。

これで検索は終わったのですが、ついでに各部の写真を何枚か撮ったので載せておきます。

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これは頭部を斜め前から撮ったものです。

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口器の部分をさらに拡大したものです。それぞれが何に対応しているのかよく分かりません。

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これは横からです。

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複眼が上側と下側で段差がついていたので、その部分を撮りました。

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それに単眼です。

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触角は10節と書かれていたので、番号をふってみました。最後の8〜10節あたりがよく分かりません。

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「原色昆虫大図鑑III」のガガンボの絵を参考にして胸部側面に名前を付けてみました。合っているかどうかはよく分かりませんが・・・。

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これは背側からです。

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把握器の拡大です。

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最後は腹部末端を腹側から写したものです。ケバエもよくよく見ると興味深い形をしていますね。

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