廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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今日は7月11日に採集した次のキンバエについて調べたという話です。

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この写真の個体はキンバエの仲間なのですが、普段よく見るキンバエと違います。実は、外観からトウキョウキンバエかもと思って、昨年9月に生態写真を使って悪戦苦闘していたのですが、結局、採集しないとよく分からないという結論になっていました。それで、今回は捕虫網を使って2匹採集してきました。

検索には田中和夫氏の次の論文に載っている検索表を用いました。

田中和夫、「屋内害虫の同定法 (3)双翅目の主な屋内害虫」、屋内害虫 24, 67 (2003). (ここからダウンロードできます)

タイトルが屋内害虫なので、屋外で採集したものにどれだけ当てはめられるのかはよく分からないのですが、とりあえず調べてみました。

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検索では上の4項目を調べることで、予想通りトウキョウキンバエに到達しました。特に④の前半部分の記述が重要で、これで普通のキンバエや、トウキョウキンバエによく似たミヤマキンバエなどと区別することができます。それで、写真を使ってこれらを確かめていきたいと思います。

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横から撮った全体像を撮り忘れたので、こんな写真で全体を見てください。まず、体長は8.5mmでした。①は問題ないでしょう。④の後半部分の記述は腹部背板の色についてですが、どれを第1節にするのか分からなかったので、論文に載っている絵を参照しました。そうすると、第2節から見えていて、第2節は黒ないし濃紺色、第3,4節は後縁のみ濃紺色であることが分かります。ただ、同じような色のハエとして、ミヤマキンバエやニセミヤマキンバエがいるので、腹部の色だけだと区別がつかないようです。

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次は翅の基部です。いつものように、赤字は確かめられなかったものです。まず、②のR脈の基幹部に毛がないのは一目瞭然です。これはこの間調べたホホグロオビキンバエと比べると違いがよく分かります。次の③の前半部分はこの写真で示したように前縁脈基部片の色は黒色で間違いありません。後半は亜前縁脈基部片なのですが、亜前縁脈はどうやらR脈基幹部の裏側を走っているようです。従って、その基部片はよく分かりませんでした。

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次は胸部側面です。②の前半部分、翅下隆起は写真で示した通りで、毛の生えていないことは確かめたのですが、写真を撮るのを忘れていました。後半は中胸下前側板で、写真のように前側に2本、後ろ側に1本の刺毛が生えています。

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で、問題の中胸下側背板の毛です。暗くて写しにくかったので、2枚ほど角度を変えて写したのですが、この写真で黒い直立刺毛がかなりの数生えていることが分かりました。これで、たぶん、キンバエやら、ミヤマキンバエやらの可能性を除外できたのではと思っています。

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最後は下覆片についてです。下覆片は「新訂原色昆虫大図鑑III」には基覆弁と書かれている部分です。この上肋部という基部にある刺毛群が前後二つあるというのがよく分かりません。翅が邪魔をしてなかなか写せないので、最後展翅までして写したのですが、刺毛群1つは明確なのですが、もう一つがはっきりしません。写真の?マークの部分を指すのかなと思っていますが、よく分かりません。下覆片の上面に毛がないというのはたぶん大丈夫でしょう。ということで、ほとんどすべての項目をチェックして、特に④は確かそうなので、トウキョウキンバエで間違いないと思うのですが・・・。

ついでに、各部の名称をつけてみました。

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まずは翅脈です。これは「新訂原色昆虫大図鑑III」に載っているイエバエ科の図を参考にしながら、名称をつけてみました。

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次は刺毛の配列です。やはり同じ図鑑のヤドリバエ科の図を参考にしてつけました。略号については以前書いたものを用いました。ただ、prs(presutural seta)というのは「絵解きで調べる昆虫」の検索表に載っていたもので、これの位置でクロバエとニクバエなどが分けられることになっています。また、subasとbsはそれぞれ、subapical scutellar seta、basal scutellar setaの略です。

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次は側面です。これも図鑑を見ながら名前を付けてみました。

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次は頭部です。

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そして最後は腹部末端です。これは♂で、キンバエなどについては似たような構造の絵が論文に出ていました。ただ、トウキョウキンバエの図はなかったので、同じかどうか分かりません。

論文をぱらぱら見ると、トウキョウキンバエは東アジア、オーストラリアなどに広く分布する種で、特に法医学の面で注目されているそうです。というのはウジの生え方や成長の仕方で、死後の時間を割り出せるということだそうです。また、詳しく読んだら報告します。

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