廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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冬になるとさすがのマンションもハエぐらいしか見かけなくなるので、毎年、ハエを調べることにしています。今年はまだ挑戦したことのないクロバネキノコバエを調べてみようと、21日に3匹ほど捕まえてきました。

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胸背が褐色の個体と黒い個体がいたのですが、そのうち、黒い個体を調べてみました。写真と調べた個体との対応がついていないのですが、こんな感じのハエです。

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冷凍庫に入れておいたら、こんな標本みたいな格好になっていました。でも、調べた後は、翅はくしゃくしゃ、脚は取れて、無残な恰好になってしまいました。くしゃくしゃくになる前に測った体長は2.2mm、前翅長は2.2mmでした。脚が長いですね。

検索をする前に、各部の名称を調べるとよいということが分かったので、今回も調べてみました。文献として用いたのは次の2冊です。

[1] Manual of Nearctic Diptera Vol. 2 (1987). (ここからダウンロードできます)
[2] F. Menzel, "Revision der paläarktischen Trauermücken (Diptera, Sciaridae) unter besonderer Berücksichtigung der deutschen Fauna", Dissertation, Universität Lüneburg (1999). (ここからダウンロードできます)

[1]はいつも利用させていただいているハエのバイブルみたいな本です。[2]は博士論文のようですが、クロバネキノコバエについて詳しく書かれているので、今回は主に参考にさせていただきました。ただし、ドイツ語です。

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これは前から撮ったものです。頭部をもう少し拡大してみました。

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これは頭部の拡大です。頭盾がここでよいのかどうか分かりませんが、たぶん、そうでしょう。眼橋は左右の複眼がつながった部分ですが、これは後でもう少しはっきりした写真があります。

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これは背面から撮った写真です。眼橋がよく見えます。胸背の刺毛に名前を付けてみようと思ったのですが、何だかよく分かりません。文献にも載っていないし・・・。

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次は触角です。全部で13節かなと思うのですが、最後の13節目が本当に1節なのかどうかよく分かりません。

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胸部の側面です。名称は[2]を参考にしたのですが、この文献、実はドイツ語です。何とか類推から、「原色昆虫大図鑑III」の和名に置き換えてみたのですが、合っているかどうか。cx1〜3は基節です。

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次は翅脈です。翅脈の名称は文献により異なるので、ちょっと困りました。カッコ内に書いたのは文献[2]に載っていたものです。括弧に入っていないのは「原色昆虫大図鑑III」風につけた名称です。

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これは翅の基部の拡大です。*は[2]ではCuPとなっているのですが、「原色日本昆虫図鑑III」では、たぶん、擬脈(vena spuria)だという解釈です。この辺の議論については以前詳しく調べたことがあるのでそちらを参照してください()。また、基部の破線の部分はたぶん、翅が折れ曲がるところだと思われます。羽ばたくときに翅を下に振り下ろすときは翅をピンと張るのですが、上に振り上げるときは翅を折り曲げて空気の抵抗を減らすのでその折れ曲げ線だろうと思いました。

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最後は腹部です。腹部の各節に番号を振ってみたのですが、これがなかなか難しい。こんな風に尾が尖っているのは♀なのですが、最後のあたりがはっきりしません。

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tは背板、sは腹板で、その間の黄色の部分は膜質です。t7とs7以降は[1]の♀の腹部末端の図を参考にして番号を入れてみたのですが、かなり怪しいです。いずれにしても、ここで得られた知識をもとにして今度は検索に挑戦したいと思っています。

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