廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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昨日の続きで、昨年の12月21日に採集したヒメバチの亜科の検索です。

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対象とするのはこんなハチで、体長は4.5mmでした。翅脈からヒメバチ科であることはすぐに分かったので、その後の亜科の検索を試みてみました。

Henri Goulet and John T. Huber (Editors), "Hymenoptera of the world, an identification guide to families", Research Branch, Agriculture Canada (1993). (ここからpdfをダウンロードできます)

検索表はこの本のものを用いました。この検索表には一項目が3〜4小項目も載っているので写真を用意するのが大変なのですが、絵解きなので分かりやすいと言えば分かりやすい検索表です。一応、検索をしてチビアメバチ亜科になったのですが、その過程を写真で見ていきたいと思います。昨日は7項目までを見たので、その続きで8項目〜13項目までです。

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チビアメバチ亜科であることを確かめるにはこれだけ見ていかないといけません。赤字は撮影した写真ではよく分からなかったところですが、たぶん、書いてある通りだと思います。ほぼ検索順に見ていきます。

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これは後体節第1節を写したもので、右が前方です。気門は黄矢印で示した部分ですが、中央より後方についています。これで⑧はOKです。

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これは後体節第1節を背側から写したものです。基部方が細長いというのはよく分かります。

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これは後体節を横からと背側から撮ったものです。何となく横から圧縮されているだろうというのは分かりますが、ぺしゃんこになるほどではないのではっきりとは断言しにくいところです。実は、検索表では圧縮されているか、いないかという二者択一の選択肢です。たぶん、どちらを選んでも目的地は同じになるようにしてあると思いますが、上の検索ではさらに親切に、はっきりしない場合は次の2点を調べよという指示まで載っています。

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一つは爪が櫛歯状かどうかで、この写真でも分かりますが、櫛歯状みたいです。

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次は鏡胞に柄があるかどうかで、これには明瞭に柄があります。この二つの点のどちらかが満足されれば、後体節が圧縮されているという方を選べということなのですが、これは両方とも満足しているので、堂々と圧縮されている方を選びます。

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次は産卵管の背側に切れ込みがあるかという項目ですが、黒矢印で示すように明瞭にあります。

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これは前伸腹節の拡大ですが、ご覧のように縦向き(写真では横)と横向きの隆起線があって小室を作っています。また、背側後半の彫刻はかなり細かいものです。そんなところで、⑪はOKとしました。

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これは側単眼の直径と後頭隆起線までの距離との比較です。これは後者の方がはるかに長く、また、相対的に下側に位置しているのでこれもOKです。

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これは前胸側板の写真です。この側方に黄矢印のように突起が出ていて、前胸背板の下縁に重なっています。これはたぶん、チビアメバチ亜科の顕著な特徴の一つではないかと思います。

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脚が邪魔してうまく写せなかったのですが、中胸腹板の後縁に後方横隆起線があって、それが中央でも途切れず続いているかというのがこの項目です。はっきりとは分からないのですが、たぶん、途切れていないのではと思っています。

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中脛節末端の刺の写真です。この2本の刺の中心を跗節第1節から伸びた「橋」があるかどうかという項目です。たぶん、文章だけでは理解できないと思いますが、先ほどの本の絵と比較するとそのような構造は見られません。

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最後は顔面と頭盾との間にある溝についてです。この写真では溝が見られません。以前、「昆虫の頭の構造」について勉強したことがあったのですが、黄矢印でatと書いたところが後頭と前頭を結ぶつっかえ棒の取り付け口になります。このatを通って前額縫合線があり、その縫合線の下が頭盾であるという定義がなされています。外からはよく分からないのですが、前額縫合線は表面が内部に陥入しているところなので、内部を見ると明瞭に見えるはずです。この写真ではatを含んで半円形にわずかに境目らしいところが見えますが、それより下が頭盾だろうと思われます。

とにかく、これでほとんどすべての項目を確かめたので、たぶん、チビアメバチ亜科で合っているのではと思っています。"Information station of Parasitoid wasps"のチビアメバチ亜科の項を見ると山のように種が載っています。属の検索表も手元にないので、ここでストップになりました。

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