廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

過去の投稿日別表示

[ リスト | 詳細 ]

全1ページ

[1]

廊下のむし探検 第505弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。今日もたくさんいたので、早めに昨日の結果を出してしまわなくてはと思い、急いで整理してみました。

この日はこんな変わった虫がいました。

イメージ 1

イメージ 2

これはアザミウマという虫です。ヒメジョオンなどの花を覗いてみると、小さな黒い虫がいっぱいついていることがあります。あれがアザミウマです。Syngenta Japanという会社のHPを見ると、「明治時代に大阪周辺で、アザミの花を右手に持ち左手の手のひらにそれを乗せて軽くたたき、『馬でよ!牛でよ!』と言って、アザミの花から出てくる虫の数を競った遊びがあったそうです。『アザミウマ』と名前をつけた松村松年博士が大阪周辺の出身であることから、この遊びが語源のいわれではないかとされています。」と書かれていました。

ところで、昨日見た個体はいつも花についている小さなアザミウマと違って、ずいぶん大きなアザミウマです。

イメージ 3

さらに、頭が長くて、腹の途中に棘のようなものが出ています。触角も小さな黒い点がいくつも連なった変わった形をしています。「原色昆虫大図鑑III」の図版を見てすぐに分かりました。ツノオオアザミウマ Bactrothrips brevitubusという種です。寸法を測らなかったのですが、「大図鑑」によると体長♂6.8mm内外とありました。採集しようと思って外へ回って見たらもういませんでした。どこかに飛んでいったのでしょうか。

さて、名前が分かって喜んでいたら、ネットで見るとどうやらそう単純ではないようです。Bactrothrips属の一種と書かれているサイトもありました。いろいろと仲間がいるようです。それで、また文献を探してみました。そうしたら一つ見つかりました。

K. Haga and S. Okada, "A taxonomic study of the genus Bactrothrips Karny(Thysanoptera,Phlaeothripidae) from Japan", 筑波大学菅平高原実験センター研究報告 10, 1-23 (1990). (ここからダウンロードできます)

この論文は、従来までBactrothrips属には3種いるということだったのですが、新たに4種を見つけ、従来までの種と共にまとめてみたという内容です。この中には検索表も載っていました。早速、それを使ってみました。すると、1) 脛節が黄色と暗褐色の二色性→2) 中脚脛節は二色で、少なくとも先端1/3以上は黄色→3) 触角第3,4節の先端は第2節と同色で暗褐色→4) 頭の長さは目のところで測った頭の幅の2.1倍以上という条件で、ツノオオアザミウマ Bactrothrips brevitubusに到達します。1)から3)までは上の写真を見るだけですぐに分かるのですが、最後の頭の長さをどこで測ったらよいのか迷いました。

イメージ 4

結局、論文の中の図から、頭の先端の中心がちょっと飛び出している部分までを指していることが分かりました。その両側の飛び出している部分は触角の柄節です。そこで、この写真のように頭長を測ると、頭長/頭幅≒2.1となりツノオオアザミウマになりそうです。ただ、同じ検索項目に触角第3節の長さも書いてあるのですが、これは第3節長さ/頭長≒0.57となり、書いてある0.66-0.74よりはだいぶ小さな値になってしまいました。ツノオオアザミウマの対抗馬はB. quadrituberculatusなのですが、こちらは頭長/頭幅<2.0、第3節長さ/頭長≒0.61-0.67で、後者の値が実測に少し近づきます。いつものように、ちょっと不安な材料もでてきてしまいました。「大図鑑」のツノオオアザミウマの説明を読むと、腹部の突起のあるのは♂の方だそうです。また、シイやカシの枯れ葉に生息するそうです。(追記:上記の論文の中でM. brevitubusに対するコメントを読むと、脛節と腹部の突起の色、触角の節の長さには生息場所による変化が見られるとのことです。やはり頭の長さを重視した方がよいかもしれません

イメージ 5

ゾウムシも何種類かいました。これはマツキボシゾウムシですね。

イメージ 6

イメージ 7

変わった模様のゾウムシです。クロホシタマクモゾウムシといいます。昨年も4月10日に見ています。

イメージ 8

それからいつものユアサハナゾウムシです。

イメージ 9

イメージ 10

小さなハムシです。体長は2.2mmほど。たぶんチビカミナリハムシの仲間ではないかと思いますが、よく分かりません。

イメージ 11

マルガタゴミムシは相変わらずたくさんいました。

イメージ 12

冬の間によく見かけたハネカクシと同じかなと思います。マンションの廊下ではよく見かけるのですが、いったい何をしているのでしょうね。

イメージ 13

イメージ 14

カメムシの仲間もたくさんいました。色がだいぶ違いますが、両方ともナガメです。この日は数匹見ました。

イメージ 15

「日本原色カメムシ図鑑第3巻」にある検索表にしたがって、「革質部先端に明瞭な白色紋がない」という条件からシロヘリナガカメムシではないかと思います。この日は2匹見ました。

イメージ 16

アメンボもカメムシの仲間ですね。廊下でぴょんぴょん跳ねていました。アメンボを調べる時はいつも大阪自然史博物館の松本吏樹郎氏の淀川水系のアメンボ検索表」を使わせて頂いています(公開していただきどうも有難うございます)。検索の結果、いつものコセアカアメンボみたいです。

イメージ 17

この日もカワゲラがいました。いったい何という種なのでしょうね。だんだん気になってきました。

イメージ 18

小さなアリもいました。一応、採集してきたのですが、翅が抜け落ちた後があるので、♂アリのようです。日本産アリ類画像データベースの中で♂アリの検索も一部載っています。試してみると、ヤマアリ亜科になりましたが、その後の属の検索についてはどうも自信がありません。♂アリはまだ試したことがなかったからだと思います。一度、分かった種で試してからもう一度挑戦してみます。

イメージ 19

ハチがいました。ハチは今年の目標にしているのですが、小さいのでこの日はパスしました。

イメージ 20

いつものユスリカです。

イメージ 21

イメージ 22

最後はキノコバエかクロバネキノコバエですね。最近は忙しいので、ハエはパスです。

開く コメント(6)

廊下のむし探検 第504弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。私の住むマンションでは一昨日から急に虫が増え始めました。昨日も相変わらず多くて、名前調べが大変でした。蛾だけでもマンション中で30-40匹はいたのではないかと思います。冬の間は見つけた蛾はすべて写していたのですが、昨日はさすがに間引きながらの撮影でした。

まずは今シーズン初めての蛾からです。

イメージ 1

イメージ 2

これはカギバガ科のホシボシトガリバです。下の写真は前から見たものです。これも木切れのような格好をしていますね。この日は2匹いました。昨年は3月22日が初見日だったので、5日ほど早いお出ましです。

イメージ 3

次はこのアトジロエダシャクです。昨年は3月10日だったので、こちらは一週間ほど遅目のお出ましです。

イメージ 6

イメージ 7

その次はこのカバキリガです。これは春キリガですね。昨年が3月18日だったので、ほぼ同じ頃の出現です。この日は2匹いました。

後はいつもの連中なのですが、キリガの仲間が分かりにくくて名前調べに一苦労です。

イメージ 4

イメージ 5

全然、模様が違うのですが、両方共クロテンキリガではないかと思っています。上はクロミミキリガも疑ったのですが、結局、クロテンの方にしてしまいました。(追記:MSWiさんから、「クロテンの一つ下はクロチャマダラのようです。下唇鬚が細く伸びてるのが特徴ですね。クロテンとしているのも、もしかしたらクロミミかなと僕も思います。」というコメントをいただきました。下唇鬚にはまったく気が付きませんでした。どうも有難うございました

イメージ 8

イメージ 9

これは両方共ブナキリガではないかと思います。下は模様がはっきりしないのですが、かすかに見えている環状紋や腎状紋からもそのような気がしました。

イメージ 10

イメージ 11

イメージ 12

こちらは3匹ともホソバキリガかなと思っています。特に、一番下のは何が何だか分かりませんが、亜外縁線が前縁で屈曲しているように見えることからそうではないかと思いました。

イメージ 13

シロヘリキリガはこの日は5−6匹はいたと思います。模様がはっきりしていていいですね。

イメージ 14

ヒロバトガリエダシャクもこの日は2匹いました。

イメージ 15

あまりに模様が鮮やかなので、はじめ別種かと思いました。でも、模様を見るとやはりホソバトガリエダシャクのようです。

イメージ 19

ハスオビキリガではなくて、ハスオビエダシャクでしたね。この日は5匹ほどいました。

イメージ 16

モンキキナミシャクは7-8匹はいました。昔、蛾の数を毎日数えていたことがあったのですが、その時は1日に100匹以上もいてびっくりしたことがありました。

イメージ 17

フユシャクも一応はいたのですが、最近は何だか影が薄いですね。ホソウスバフユシャクです。

イメージ 18

最後はこのカバナミシャクです。Eupithecia属でしたね。カバナミシャクは全部で10匹ほど天井に止まっていたのですが、写したのは壁に止まっていたこの蛾だけです。ずいぶん派手に見えるのですが、桃色の帯が入っているからです。図鑑を見てもこんな桃色の帯のある標本はないのですが、逆にこの帯を外して考えると、何となくウスカバナミシャクに近いかなと思います。よく分かりませんが・・・。

蛾以外の虫は次回に回します。

開く コメント(5)

全1ページ

[1]


.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事