廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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廊下のむし探検 第1036弾

足の指にひびが入ってから2週間になるのですが、まだ、ちょっと腫れています。それで、あまり虫探しには出かけていません。でも、いよいよネタがなくなったので、6日に1フロアだけ「廊下のむし探検」をしました。虫はほとんどいなかったのですが、カメムシがちょっとだけいました。

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今頃になるとカメムシが多くなりますね。これはミナミトゲヘリカメムシ

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昨年はこのツヤアオカメムシが大発生したのですが、今年も昨年ほどではないですが、たくさんいます。

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横からしか撮れなかったのですが、マツヘリカメムシです。これも最近増えてきましたね。

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最後のこのハチ。名前が分からなかったので、「学研生物図鑑昆虫III」で探してみると、ちょっと似たような種が見つかりました。ムネアカツヤコマユバチ Zombrus bicolorです。その名でネット検索をしてみると、何となく似ている感じです。ただ、後体節の色が少し違うので、この近傍のハチかなと思って、いつも利用させていただいている"Information station of Parasitoid wasps"のコマユバチ科オナガコマユバチ亜科のリストを見てみました。Zombrus属には Zombrus bicolor1種だけが記録されています。そこで、少し文献を探してみました。

S. A. Belokobylskij and K. G. Samartsev, "First records of the tribe Holcobraconini and the genus Zombrus Marshall, 1897 (Hymenoptera: Braconidae: Doryctinae) in Europe", Zoosystematica Rossica 20, 310 (2011). (ここからダウンロードできます)

この論文にはヨーロッパ産についてですが、Zombrus属とZombrus bicolorの再記載が載っていました。後体節の色に関しては暗赤褐色から黒色まで変化があるようです。検索表も載っているので、採集していたら調べられたのにとちょっと後悔です。
10月2日にいつもの道路脇の茂みで捕まえたハバチがあったのでそれを調べてみました。

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こんなハチです。ハバチも久しぶりなので、一度、検索をしてみようと思ったのです。検索には次の本を用いました。

吉田浩史、「大阪府のハバチ・キバチ類」西日本ハチ研究会 (2006).

これはブログを始めるだいぶ前にハチも調べてみようと思って買ったのですが、どうやって使ったらよいのか分からず、そのままになっていました。でも、ブログを始めて検索をやり始めてみると、実に有用な本でした。ともかく、大阪府と限定されているところが特にいいです。まずは科の検索からです。

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これはハバチ亜目の科の検索表から必要な部分だけを抜き出したものです。このハチはハバチ科になったのですが、それを確かめるためには上の8項目を見ればよいことになります。これを写真で確かめていきたいと思います。

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まずは横からの写真です。背側から見たときはそれほど綺麗だとは思わなかったのですが、横から見ると橙黄色が実に鮮やかです。体長は6.0mmでした。後で触角を拡大した写真はお見せしますが、この写真では触角第3節が特に異常ではない点、それに触角が糸状であることを見ます。

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次は頭部の拡大です。頭盾は矢印で示した部分ですが、このすぐ上に触角基部があります。また、頭盾ははっきりした区切りで顔面から区別されています。そのすぐ上にある左右二つの黒い点はたぶん、anterior tentorial pit (at)と呼ばれる、昆虫の頭蓋を支えるつっかえ棒が前面を支える部分になるのではと思います(詳細はこちら)。頭盾と前額はこのatというpit(孔)で区切られるはずなので、まさにその通りになっています。

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前胸背板は両脇に見えている橙黄色の部分で、中央部は中胸背板が発達しているので、その分、大きく凹んでいます。中胸背板は前後で分割されていないので⑦はOKです。中胸背板は黒い部分ですが後ろがどこまで伸びているのかというところで少し迷ってしまいました。これについては以前、少し書いたのでそちらをご覧ください。いずれにしても、ここで示した範囲はいい加減です。

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最後は腹部末端の構造です。これが♂なのか♀なのかよく分からなかったのですが、次のカナダの本に載っている絵と比較すると、これは♀で、"ovipositor sheath"と書いたところが産卵管鞘だと思われます。

H. Goulet, "The genera and subgenera of the sawflies of Canada and Alaska: Hymenoptera: Symphyta", Insects and Arachnids of Canada Handbook Series Part 20 (1992). (ここからダウンロードできます)

従って、⑧もOKだと思われます。ということで、すべての項目をチェックしたので、ハバチ科は大丈夫でしょう。

次は亜科、属、種の検索です。これらはいずれもすぐに目的地に達することができたので、まとめて調べることにします。

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この7項目を調べることで、このハチはセグロカブラハバチだろうということが分かります。これも写真で確かめていきます。

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項目の中では翅脈に関するものが多いので、復習のためにまとめておきました。翅脈の名称の付け方は虫の種類によってそれぞれ流儀があるので、それに従うことにします。これは先ほどのカナダの本に載っていたものを参考にしました。ところで、こういう一般的な名称の他にハチ独特の呼び方があり、検索表ではそれを用いているので、それも書いておきます。これについてもだいぶ前に書いたことがあるので、そちらを参照してください。

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ついでに調べなければならない項目も書いておきました。全部で5項目あります。⑨の基脈と肘脈が一点で交わるかどうかというのは亜科を調べるときに重要な項目で、生態写真を撮るときもできるだけそれが分かるように翅を撮っています。この2本の脈が離れていればハバチ亜科になるのですが、意外に微妙な場合もあって、以前、悩んだことがありました(こちらをご覧ください)。次の⑩はシダハバチ亜科を除外する項目です。次の⑪はヒゲナガハバチ亜科を除外する項目ですが、ヒゲナガハバチ亜科は⑨で基脈と肘脈が離れるので、いつも悩んでしまう亜科です。⑫はハグロハバチ亜科を除外する項目です。⑬の肛室は面白い翅室で亜科によっては左側の翅室がなくなったりすることもあって非常に変化があります。この個体の場合は左右の翅室が揃っているので完全です。

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触角は全部で10節でした。第3節がちょっと長いですが、特に異常に長いということはありません。

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中胸背板の色はかなり個体変異があります。これは全体が真っ黒なので、特に問題はないのですが、左右が橙黄色の個体もよく見かけます。これですべての項目をチェックしたので、たぶん、セグロカブラハバチ♀で間違いないのではという結論になりました。

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脚の色も特徴の一つとしてよく出てくるので、一応、中脚と後脚を写しておきました。脛節と跗節各節の末端部が暗色になっていました。

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