廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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セキショウの花

3月24日に開かれた観察会で見たセキショウの花の構造がよく分からなかったので、昨日、もう一度撮影に行ってきました。ついでに少し採取してきました。

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セキショウというのはこんな風に用水路脇に生えていたサトイモ科の花です。ショウブと同じでショウブ属に属しています。

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今頃行くと、こんな風に花穂が見られます。花穂から細かく出ているのが雄蕊です。この辺の構造を調べてみました。

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花穂を拡大して見ると、雄蕊が見られます。こういう風に整然と雄蕊が並んでいるように見えるのはまだ若い花穂です。

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もう少し成熟してくるとこんな風にごちゃごちゃした感じになります。「牧野新日本植物図鑑」の説明を読むと、「花被6片は短く、外花被3片はほぼ平らな三角形、内花被3片はこれより小さくほぼ方形で共に円頭である。雄蕊は6個で・・・」と書かれています。まず、この辺りから調べてみます。

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花穂の先端付近は雄蕊がまだ出ていないので、その辺りを実体顕微鏡で見てみました。花はこの写真のように花被で覆われています。見ると、外側が3枚、内側に3枚あります。たぶん、これが外花被と内花被だろうと思われます。さらに、中央付近に見えるのは雌蕊の柱頭でしょう。確かに外花被片は三角形で円頭というのがよく分かります。内花被が方形というのは分かりませんが・・・。

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これはもう少し根元近くを写したものです。雄蕊がにょきにょきと生えてきていますが、黒矢印で示した両側の外花被片の下から出てきた2本が早く成熟しています。下の外花被片の脇からはまだ生えてきたばかりの雄蕊が見られます(赤矢印)。

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これはもう少し成熟していると思われる花です。この場合は赤矢印で示した外花被片の下から伸びてきた雄蕊に加えて黄矢印で示したように上の内花被片の下から出てきた雄蕊が見られます。

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これはさらに成熟していると思われる花ですが、上の内花被片に加えて、両側の内花被片からも雄蕊が伸びてきて全部で6本になっています。雄蕊の伸びる順番を書いてみると、写真のような順番になります。たぶん、両側の雄蕊はほぼ同時に伸びていると思われるので、共に1とか5とか番号をつけています。ただし、この順番は「日本の野生植物I」に書かれている順番とは異なっていました。この図鑑には、「外輪の1個にはじまり、左右の2個、次に内輪の3個へと、1個ずつ順に現れる」と書かれていたのですが、たぶん、「外輪の左右の2個、下の1個、次に内輪の上の1個、左右の2個と順に現れる」と書いた方がよいかなと思いました。

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ところで、採集してきたセキショウの花で雄蕊が6本の花を探してみました。これがなかなか見つからない。やっと見つけたのがこの写真です。採集してきたのがまだ若かったのかもしれません。ともかく、セキショウの花が少しだけ分かってきました。

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だいぶ前にクサフジをまとめ始めました。でも、いい写真がなくて、結局、お蔵行きになるかなと思っていたのですが、折角、まとめ始めたので不完全なのですが、一応、出すことにしました。写真はまた今度うまく撮れたときに付け足すことにします。

私は花が固まって咲いているマメ科の花をいつもクサフジといっていたのですが、先日来、いろいろ教えていただき、クサフジにもいろいろな種類があることが分かりました。それで、一度まとめておこうと思って表にしてみました。

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手元にある図鑑に載っているものを集めたものです。「帰」と書いたのは帰化植物です。ここで図鑑の略号は次の通りです。

平凡II:「日本の野生植物Ⅱ」(平凡社、1982).
帰化I:「日本帰化植物写真図鑑」(全国農村教育協会、2001).
帰化II:「日本帰化植物写真図鑑第2巻」(全国農村教育協会、2010).
長田:「日本帰化植物圖鑑」(北隆館、1979).
山渓1:「野に咲く花」(山と渓谷社、1989).
山渓2:「山に咲く花」(山と渓谷社、1996).
牧野:「牧野新日本植物圖鑑」(北隆館、1981).

「日本の野生植物Ⅱ」によると、クサフジはソラマメ属Viciaに属しています。この属にはクサフジのほか、ヤハズエンドウ、スズメノエンドウ、ナンテンハギ、ヨツバハギなど多くの種が含まれているのですが、そのうち、花が穂状にたくさんつき、さらに蔓性のものをここではクサフジ類として集めています。「日本の野生植物Ⅱ」には検索表も出ているので、必要な部分だけを抜き出すと次のようになります。

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なお、図鑑にはビロードクサフジとナヨクサフジを分ける項目がなかったのですが、この図鑑の説明と「日本帰化植物圖鑑」の説明を読んで加えてみました。これを見ると、とりあえず小葉の枚数と大きさ、それに旗弁の形、蕚裂片を見ればよさそうです。そんなところに着目しながら、これまでに撮った写真を眺めてみました。

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これは家の近くで見つけたクサフジの仲間です。

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まずは小葉の写った写真を見てみました。小葉は大きく、4−5枚あります。この条件から一発でオオバクサフジ Vicia pseudo-orobusになります。

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ついでに花の拡大です。図鑑によると、蕚裂片はほぼ同長で広三角形とのことです。この写真を見ると、そんな感じもします。また、開花時期は5-9月だとのことで、これも合っています。たぶん、オオバクサフジでよいかなと思いました。

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次は、淀川、木津川、桂川の三川合流地点にある背割堤(せわりてい)という堤防の周辺で撮ったものです。この時も私はただクサフジと書いたのですが、一秋さんからナヨクサフジだと教えていただきました。このときに撮ったいい写真があまりなかったのですが、とりあえず各部が写った写真を探してみました。

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まずは小葉の数ですが、たまたま写ったもので数えてみると13枚ありました。とりあえず、オオバではないですね。

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次は花です。花を横からとればよかったのですが・・・。マメ科の花で上にある花弁を旗弁といいます。その筒状の部分を爪部、上に曲がっている部分を舷部というようです。ビロードクサフジとナヨクサフジはこの舷部が爪部に比べて著しく短いということです。この写真からは著しいかどうかは判断できませんが、とりあえず短いことだけは確かなようです。次は蕚を見ないといけないのですが、ビロードは蕚裂片が針状披針形で最下片は最も長く蕚筒より長いとのことです。一方、ナヨの蕚は下片のみが蕚筒よりは短い針状披針形で、他は低い三角形とのことです。この写真では最下裂片が見えないのですが、上にある蕚裂片は針状披針形ではないので、たぶん、ナヨクサフジでよいのではと思いました。今度見た時にはもう少しちゃんとした写真を撮ります。

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最後は昨年淀川河川敷で写した写真で、観察会ではクサフジと教わった花です。残念ながら小葉が完全に写ったものがなかったのですが、オオバでないことは確かです。

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舷部の反り返りが先ほどのナヨクサフジに比べると大きい感じはしますが、爪部の長さと同じかというとそうとも言えない感じです。蕚裂片は右下の矢印の部分を見ると、線状披針形であることが分かります。今のところ、クサフジかどうかは判定できませんでした。

ということで、意識しないで写真を撮ると、大事なところが写っていなくて、後で調べるときに四苦八苦してしまいます。でも、焦らずに、今度見たときにはちゃんと写してくるようにします。

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紅葉の仕組みの勉強

「廊下のむし探検」とは直接関係はないのですが、先日、イチョウの葉が黄色になる理由を調べたので、ついでにモミジの葉が赤くなる理由をもう少し詳しく調べてみました。

(1) 北原晴男、「物質合成から見た紅葉」、弘前大学教育学部教科教育研究紀要 25, 35 (1997). (ここからダウンロードできます)
(2) 大谷俊二、「紅葉の化学」、化学と生物 23, 701 (1985). (ここからダウンロードできます)
(3) T. Iwashina, "Detection and Distribution of Chrysanthemin and Idaein in Autumn Leaves of Plants by High Performance Liquid Chromatography", Ann. Tsukuba Bot. Gard. 15, 1 (1996). (ここからダウンロードできます)
(4) T. Iwashina and Y. Murai, "Quantative Variation of Anthocyanins and Other Flavonoids in Autumn Leaves of Acer palmatum", Buu. Natl. Mus. Nat. Sci. B34, 53 (2008). (ここからダウンロードできます)
(5) 中島淳一郎ほか、「アントシアニン生合成の生化学―酵素反応機構解明における最近の進歩」、たんぱく質拡散酵素 47, 217 (2002). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)

こんな論文を読んでみました。まだ詳しくはよく分からないのですが、分かったことを少しだけ書いてみます。

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この間、イチョウとモミジを例に葉が赤や黄色になる理由を説明しました。葉の中には葉緑素(クロロフィル)があって、光のエネルギーと二酸化炭素、水を材料にして光合成を行い、酸素と糖を作っています。陽が十分にあたり、気温の高い季節ならよいのですが、秋になって陽が弱くなり、気温も低くなると、光合成の効率も下がり、葉を維持するのが困難になってきます。そうすると、葉緑素を含む葉緑体を維持するのも困難になり、葉緑素が分解されていきます。さらに、葉の根元にコルク層による離層ができ、水や栄養の行き来を止めてしまいます。葉には緑色の葉緑素と黄色のカロチノイドが約8:1の割で含まれています。カロチノイドにはカロチン類とキサントフィル類という種類があるのですが、葉にあるのは主にキサントフィル類のルテインです。葉緑素が分解されていくと、その黄色のカロチノイドが残り、葉は黄色になっていきます。これがイチョウの黄葉の色になります。

葉緑素が減少し、離層ができると、残った葉緑素による光合成が進み、葉の中の糖の濃度が高くなってきます。それと同時にアントシアニンという赤い色素が大量に作られ始めます。そうなると、黄色のカロチノイドと赤いアントシアニンにより葉が赤くなるという仕組みになっています。文献(4)には、イロハモミジの葉の色素の量を測定した結果が載っていました。概略を図に表すと次のようになります。

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11月になるとクロロフィルは急激に減少し始めます。これに対して、カロチノイドは緩やかに減少し始めます。これと拮抗するように11月に入るころからアントシアニンが急激に増加し始め、11月後半になると、ほとんど、アントシアニンとわずかに残ったカロチノイドばかりになり、綺麗な赤い紅葉になるというわけです。

ところで、アントシアニンにもいろいろな種類があるのですが、秋になり葉の中で作られるのはクリサンテミンというアントシアニンが大部分で、そのほかにもイデインというアントシアニン色素が見出されています。この二つの色素の構造式を書くと次のようになります。

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ほとんど同じなのですが、右下にあるOHの向きが違っているだけです。植物の種類によって、クリサンテミンが主流になっている葉やイデインが主流になっている葉があります。それを測定したのが文献(3)です。この論文ではいろいろな植物の葉に含まれるアントシアニン色素を高速液体クロマトグラフィーという手法で分析しました。論文には詳細な数値が載っているのですが、概念的にまとめると次のようになります。


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カエデなど大多数はクリサンテミンの赤い色が紅葉のもとになっていますが、ナナカマドやハゼノキなどではイデインが主体になっています。この2種以外のアントシアニンによる紅葉もあり、リョウブなどがそれに当たります。そのほかにもこれらのアントシアニン色素が混じっている種もあります。面白いのはブルーベリーで、この紅葉にはいくつかのアントシアニン色素が均等に混じっているようです。

このようなアントシアニンが葉の中でどのように作られるかは文献(1)、(2)、(5)に書かれていました。大変複雑な過程なのですが、この間、BKChemというフリーソフトをダウンロードしたので、それを使っていたら面白くなって次々と描いてしまいました。その成果が次の絵です。

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これみんな描いたのですよ。出発点はフェニルアラニンというアミノ酸とマロニルCoAという物質です。CoAというのは補酵素Aのことで、酵素にゆるく結合して酵素反応を助ける働きをします。いくつかの過程を経て、最終的にはシアニジンになり、さらに、それがクリサンテミンになります。シアニジンはアントシアニジンの1種です。矢印のところに書いてあるのが酵素の略号です。いくつもの酵素が関与していることが分かります。シアニジンとクリサンテミンだけ赤い色を付けているのは共に赤い色をした色素だからです。クリサンテミンはシアニジンにブドウ糖がついた格好をしています。それで、葉にある糖分が関係するわけです。シアニジンは色はついているのですが、水には難溶で、ブドウ糖がつくと水溶性のクリサンテミンになります。そうなると葉全体に色素が行き渡るようになるわけです。ブドウ糖の代わりにガラクトースという糖がつくとイデインになります。

このような反応がどうしたら促進されるかは紅葉がどのような条件で綺麗になるかということに深く関わっていると思われます。綺麗な紅葉ができるには、昼間に陽がよく当たり、夜間は気温が5度〜10度に下がることが必要で、0度まで下がると黒い葉に、15度だと黄色の葉になるそうです[1]。また、葉の糖分濃度が十分に高くなることも必要だと言われています。しかし、こうした紅葉の条件と具体的な反応との関係はまだはっきりとはしていないようです。一方、なぜ赤くなるかという生物的な意味についても研究がなされています。紅葉は減少してきた葉緑素に光が直接当たることによる損傷を防ぐというのが最近の説のようです。これについてはまた別の機会にでも書くことにします。

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以前から、ひっつき虫を顕微鏡で観察し、どうしてくっつくのか調べていたのですが、ついでだからもう少し調べてみようと思って、今回はオオオナモミの実を調べてみました。これまでに調べたのは、イノコズチコセンダングサアレチヌスビトハギキンミズヒキ。これで5種類目です。

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調べたのは10月5日に河原で見つけたこのオオオナモミです。初め、オナモミとばかり思っていたのですが、実は、オナモミは今やほとんど見られなくなっているらしく、普通に見られるのはオオオナモミという北米原産の帰化植物か、やはり帰化植物のイガオナモミだそうです。「日本の野生植物」では実の大きさが刺の部分も含めて20mm以上ならオオオナモミ、18mm以下ならオナモミという検索表が載っていたのですが、こちらのサイトにはもっと詳しい図入り検索表が載っていました。

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種を包んでいるのが果苞、先端が嘴、全体に飛び出しているのを刺というようです。根元をハサミで切ったので切断されていますが、嘴の先端から根元までは19.4mm。たぶん、根元付近の刺が残っていたら、20mmくらいにはなったのではと思います。嘴も長いし、たぶん、オオオナモミで間違いないのではと思いました。

上の写真でも刺の先端が鉤状に曲がっているのが十分に分かるのですが、趣味的に顕微鏡で撮影してみました。

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斜め上からの撮影です。なんだか不思議な国の森の中にいる感じです。

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そして、これは横からです。

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刺一本だけを拡大してみました。いつもそう思うのですが、実に素晴らしい造形美です。

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ところで、嘴の根元でひょろひょろしているのは何でしょう。これについては「日本の野生植物」に説明がありました。雌花は、「かぎ状の刺を密生し先に2嘴があり、内は2室となる。花冠はない。花柱の枝は嘴から出て、糸状で扁平、先は細くとがる」とのことです。つまり、これは花柱みたいです。

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実を剃刀で切断してみると、内部には確かに種が二つ入っていました。

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これは嘴の先端を拡大したものです。オオオナモミのくっつく仕組みは簡単ですが、それにしても刺や嘴の先端の曲がり方はまったく芸術的です。

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最近、「植物を調べる」という書庫を作ったので、そこに入れるためにちょっと調べてみました。9月14日に家から車で30分ほどのところにある里山に行きました。そこで、キンミズヒキの花を見つけました。

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ちょっと日陰になった道沿いに結構、いっぱい咲いていました。そういえば、キンミズヒキの実も「ひっつき虫」だったなぁと思い出して、一部、採集して顕微鏡で見てみました。

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こんな感じになっていました。突起がいっぱい出ていて、その先が皆引っ掛けるように曲がっています。

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さらに拡大してみました。まるで杖みたいな格好です。意外に簡単な仕組みでした。でも、この曲線は美しいですね。どうやってこんな形がつくれるのだろう。

これで、ひっつき虫4種類を調べたことになります。イノコズチコセンダングサアレチヌスビトハギ、それに、今回のキンミズヒキです。みんな、引っ付く仕組みが少しずつ違いますね。こうなったら、ひっつき虫をみんな調べてみたくなりました。他に何があったかなぁ。

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