なにこれ生き物探検

「廊下のむし探検」の姉妹ブログです。動物、植物を問わず、野外で見た生き物を調べていきます。

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ずいぶん久しぶりの「なにこれ生き物探検」になります。久しぶりといってもおおよそ9ヶ月振りです。先日、家の近くを歩いていたら、ヒメジョオンの花に綺麗なハチが来ていました。

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こんなハチです。模様がはっきりしているので、調べれば名前が分かるだろうと思って採集してきました。

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体長は7.5-7.9mm。体が曲がっているので、測り方で少し変わります。前翅長の方が良かったのかな。改めて測ってみると、前翅長は5.9mm。なかなか綺麗な模様です。図の中の説明は検索の時に用いる項目を示しています。

早速、検索をしてみました。用いたのは次の本です。

日本環境動物昆虫学会編、「絵解きで調べる昆虫」、文教出版 (2013).

何度も書きますが、この本にはポイントポイントに図が載っているので大変分かりやすいです。まずは上科の検索です。

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このハチは最終的にミツバチ上科になるのですが、上の表はそこに至る部分を抜粋したものです。例によって写真を見ながら確かめていきます。写真の中に検索項目の番号と内容を書き込んでおきましたので、写真を見るだけで分かるようになっています。まず、①と②はFig.1を見るとすぐに分かります。腰が細いので細腰亜目ということになります。③も同じ写真で分かります。次の④は翅脈に関するものなので、翅の写真を載せます。

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前翅と後翅の写真です。後翅の後縁は翅が少し折れ曲がっていて見難くなっています。翅脈の名称はハチ独特の呼び方があり、ここでは次の図鑑に載っている名称を書き写しました。

多田内修、村尾竜起著、「日本産ハナバチ図鑑」、文一総合出版 (2014).

いつも用いている翅脈の名称については後で載せます。これを見ると、④に書かれている、翅脈が発達し、後翅に閉じた室があり、前翅に縁紋があることが分かります。⑤は後脚の転節についてです。

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これはその部分を腹側から撮ったものですが、転節は1節であることが分かります。これは重要な性質で、この性質によってヒメバチなどとは別れます。⑥は肩板と前胸背板が離れていることを意味していますが、ちょっと小さいですが、Fig.1を見ると分かります。これでスズメバチと別れます。⑦は体毛が羽毛状になるかどうかですが、次の写真を見て下さい。

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これは深度合成で撮影しているのですが、深度合成はこういう細いものを撮るのが苦手で、ちょっと分かりにくくなりました。でも、何となく枝分かれしていることが分かるでしょうか。とにかく、これでミツバチ上科になりました。

次は科と属の検索ですが、今回は「日本産ハナバチ図鑑」の検索表を使ってみました。実は、ここで大きな失敗をしてしまいました。それで、初め検索したときにはコハナバチ科になってしまいました。でも、図鑑にはこの個体のような模様のハチは載っていません。だいぶ悩んだのですが、やっと間違いを見つけることができました。その結果、今度はミツバチ科ツヤハナバチ属に到達しました。その部分を抜書きすると次のようになります。

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実は⑧で間違ってしまったのです。その理由は次の写真を見て下さい。

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このハチは実に長い口器を持っています。口から出ている長いものは外葉という鞘で、その中を長い中舌が伸びています。これで蜜を吸うのか舐めるのかするのでしょうね。ところで、⑧にある下唇鬚というのを最初この写真にある小腮鬚と見間違ってしまったのです。そうすると第1節と第2節は特に長くないので、ムカシハナバチ科側に進んでいき、最終的にコハナバチ科になってしまったというわけです。実は下唇鬚は写真のように外葉に沿って長く伸びていたのです。従って、第1節と第2節は大変長かったのです。こんなことはまったく知りませんでした。調べて見るものですね。一つ物知りになりました。

いずれにしても⑧はこれでOKで、次の⑨に行きます。⑨の最初の2つは顔面に関するものなので、その部分の写真を載せます。

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恐ろしく模様の多い顔をしていますね。上唇は下側で少し見にくいので、次の写真を見て下さい。

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これでよく見えました。横に幅広いですね。さらに、次は触角下溝に関するものです。Fig. 8を見て下さい。触角下溝は触角に向かって伸びていて触角孔とは孔の中央やや外寄りで交わっています。これでこの項目もOKです。さらに、最後の項目については次の写真を見て下さい。

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後脚脛節の外側に短い毛がぎっしり生えています。これがおそらく刷毛ではないかと思います。これで⑨はOKになりました。⑩は翅脈の長さに関するもので、Fig.3にその部分を赤矢印で書いておきました。これもOKです。⑪は頭盾の形についですが、Fig.9を見ると頭盾の形がよく分かります。さらに、次の項目は雌の腹端に関するものなので、次の写真を見て下さい。

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特に尾節板はありません。なお、この仲間では雄は頭盾が黄色になるので、雄と雌の区別は容易につけられます。最後の⑫は前翅の縁紋が大きいことで、Fig. 3を見るとよく分かります。これで、ツヤハナバチ属になりました。「日本産ハナバチ図鑑」によると、ツヤハナバチ属には12種が載っているのですが、顔面の模様と分布からヤマトツヤハナバチかなと思いました。合っているかどうか分かりませんが・・・。

これで長かった検索が終わりました。検索に使わなかった写真も載せておきます。

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翅脈の写真です。名称は主に次の本によっています。

H. Goulet and J. T. Huber (eds.), "Hymenoptera of the world: An identification guide to families", Agriculture Canada Publication (1993) (ここからダウンロードできます)

ただし、載っている図とは完全には合わなかったので、一部、私の想像で書き加えたところがあります。

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最後は中舌の先端の拡大図です。

今年はハチを勉強してみようという目標を立てたので、模様がはっきりして名前が分かりやすい種を使って検索をしてみました。検索表が載っている上記の本はいずれも図や写真でポイントを示してあるので、大変分かりやすく書かれています。それでも少し迷ってしまいました。こういう経験を積んでいかないとなかなか進んではいかないでしょうね。

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