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名前を呼ばれて後ろを振り返ると、かばんを持った翔が立っていた。
翔は「よぅ」と手を上げて、にこやかな顔で海斗に話しかける。
「どうしたのさ、こんなところでボーとしちゃって?」
「いや、その……」
翔のことを想っていたとも言えず、口ごもってしまう。
決まり悪く視線を逸らして、少し熱くなった顔をうつむかせた。
「今日は、定期入れを拾ってくれてありがとう。よかったら、駅まで一緒に帰ろうか?」
海斗は、少し赤らめた顔をうつむかせているが、翔はまったく気に留める様子なく話しかける。
「う、うん。いいよ……」
突然、翔に誘われて緊張した返事でうなずく海斗。
なんだか俺……ドキドキしちゃって、翔くんとうまく話しできないな。
嬉しさがこみ上げる一方で、緊張してしまって身体が固くなる。
翔と海斗は、肩を並べて歩きだした。
駅に着くまでは、翔と一緒だ。
不幸か幸か。
突然、校内一カッコいい翔と、駅までとはいえ一緒に下校することになった海斗。
ドキドキと胸が高まった。
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