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駅の騒がしい喧騒のなか、翔と海斗の2人は人ごみのあいだをぬって改札口を通る。
翔が、立ち止まった。
「俺は、向こうだから」
翔が指を指したのは、海斗と反対方向のホーム。
あまり、おしゃべりをすることもできなかったし自分の気持ちを伝えることもできなかった。
しかしながら、ここで翔とお別れだ。
「じゃ、また明日な」
「あ、あのさ……翔くん。俺、翔くんのこと……」
「ん?」
すでに、駅のホームへ向かおうとしていた翔が振り返る。
さよならの前に言っておきたい。
翔くんのこと……好きだってことを……
強い想いに押されて、とっさに翔を呼び止めてしまったけれど肝心の言葉が口にだせない。
「い、いやなんでもないよ。さよなら……翔くん。また明日……」
「ああ」
翔は、にこやかに笑って軽く手をあげた。
ものすごく好きなのに、はっきり言えなかった自分に対する苛立ち。
それでも海斗は、なんとか自分の気持ちを封じ込め、無理やりつくった固い笑みで翔を見送った。
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