|
どこへ行くわけでもなく、海斗はひたすら走った。
翔に彼女がいたなんて……それに……あんな状況で告白するなんて……俺は、なんてバカなんだ。
留めなく流れる涙と鼻水が顔をびっしょりと濡らすが、拭き取ることはしない。
心底自分がイヤになる。
涙と鼻水で汚れた顔は、ぶざまな自分にお似合いだ。
「ちっくしょーッ!」
胸の中の耐え難い苦しみを、吐き出すように叫ぶ。
苦しい気持ちか……
ハアッ、ハアッ、ハアッ……
息もできない。
足も重くなり、時折りもつれそうになる。
しかし、肉体を痛めつければつけるほど、心の苦しみは紛らわすことができる。
肉体的限界で身体はフラフラとよろめき、足かせをくぐりつけられたような重い足は前に踏み出すのもつらい。
それでも、海斗は走り続けようとする。
□□
□□□
□□□□
これまでのお話しの一覧を見るには、各お話しにある「トラックバック先の記事」から一度1話にお戻りください。
1話にある「トラックバックされた記事」をみていただくと、各お話しの一覧がわかるようになっています。よろしかったらご利用ください。
|