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「おい、どうしたんだ?元気ないな」
教室に戻ると、すぐさま声をかけられた。
声をかけてきたのは、同じクラスの孝介。
「いや、なんでもないし話すこともない」
今は、おしゃべりしたい気持ちではない。
気軽に話しかけてくる孝介を冷たくあしらって、自分の席のイスに腰掛ける。
それでも、孝介は自分を気にかけているようで、しつこくまとわりついてきた。
「海斗さぁ、最近変わったよな」
「なにが?」
「いや、こう雰囲気がさ。どことなく、カッコよくなったていうか……強くなったていうか。ほら、今まで内気なトコあったじゃん。それに、思いっきりネガティブで暗いヤツだったし。でも最近、明るくなったんだよなぁ。一体、なにがあったのか教えてくれよ」
「はぁ?なんでそんなこと孝介に話さなくちゃいけないんだよッ。それに俺は、今1人でいたいのッ」
不機嫌そうな顔をつくりジロリと孝介を睨むが、孝介はニコリと笑い返す。
何なんだよ、コイツは……
「やっぱり、変わったよ海斗は。今まで、自分の感情をだすことなかったし……うん、変わった」
腕を組み、勝手にうんうんと納得したようにうなずいている。
「ったく。俺は、変わってねーつぅのッ。俺の気持ちなんか分かってないのに、勝手にうなずきやがってッ。あきれたヤツだな」
先ほど、翔とした別れ話のイラつきが、つい口調にも出てしまい荒げた声になってしまう。
八つ当たりだ。
そう自分のなかでも認識しているけれど、このどうしようもないイラつきは押さえ込むことができない。
「もう邪魔だから、あっち行っててッ」
シッシッと犬でも追い払うような仕草で、孝介を追い払う。
「ずいぶん、ご機嫌斜めだな。それに……もし体調が悪かったら帰ったほうがいいぜ」
孝介は、そういい残して自分の席へ戻っていった。
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