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昨日、孝介がヘンなこと言うものだから……
「ふあぁ」と大きなあくびをしながら眠い目をこする。
保健室の小さなベッドで寝返りをうち、うつ伏せになってまくらに顔をうずめた。
今日この時間は、保険医の先生がいないことは知っていた。
先生は職員会議に出席している―――翔と海斗は、先生がいないタイミングを見計らって学校の保健室に忍び込んでいた。
もちろん目的は、保健室のベッドを拝借し性行為をすること。
しかし、急激な眠気を襲ってきた海斗は、大きくあくびをしたあとまくらに顔をうずめて重いまぶたを閉じた。
孝介に好きだと言われたことが頭から離れず、昨日の夜はなかなか寝つくことができなかった。ここ最近、ずっと寝不足が続く。
「眠そうだな」
頭上で声がし、海斗に覆いかぶさるようにしてベッドに潜りこんできたのは翔。
「なぜ、そんなに眠い?」
背中に覆いかぶさる翔が、そっと耳もとで尋ねる。うなじに這う翔の指がくすぐったい。
「昨日……告白された……」
一瞬、翔の指の動きがびくっとして止まった。しかし、すぐに動き出して再び海斗の身体を愛撫しはじめる。
「……孝介か」
「うん……それで……いろいろ考えていて眠れなかった」
おしゃべりしているあいだも、翔の指は休むことなく、海斗の首筋や耳もとを優しく愛撫してくれている。その心地よい刺激もあってか、ますます深い眠りにつきそうになる。
目をつむりながら背中で翔の大きな存在を感じ、安らかな気分になる。
「翔は、いつ知っていたの?孝介が俺を好きだってこと……」
「孝介が、俺たちと一緒に帰るようになってからだ。あいつ不器用だけどさ、それでもあいつなりに愛情表現していたぞ。それに、気づかない海斗も鈍感だからな。不器用と鈍感じゃ、気づくわけないよな」
翔の言うとおり、まったく気がつかなかった。
「孝介に告白されて……正直困ったんだ。今も、翔のことは好きだし。これからも、翔以外の人を好きになるなんて考えられない」
「ずっと会えなくてもか?俺のこと忘れてほしくはないけれど、それをずっと引きずっていてはだめだ。もっと前向きになるんだ」
翔は今まで愛撫していた手を止め、少し力の入った声で耳もとでささやく。
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