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一樹には、生活にかかわることは全て面倒をみてもらっている。
住むところや学校の学費に生活費、お小遣いだってくれる。それに……
他の人間にはどうだか知らないけれど、自分に対してはすごく優しく接してくれる。
それだけでも、十分に付き合う価値はあるけれど、容姿も人を惹きつけるほどの美貌の持ち主。
撫でつけた黒い髪と切れ長の目は、クールで都会的な洗練されたカッコよさを醸しだしているし、189cmという長身はとても頼りがいがある。
スーツから靴先まで隙間なくブランド品に身を包めば、優雅で知的で、少しばかり危険な香りのする男の出来上がりだ。
この男は、炎天下の真昼よりも夜のネオンに照らされたほうが、よく似合う。
こんないい男に、その気になるような言葉をかけられれば誰だって放っておけないだろう。
「お前、顔立ちがいいな。好きになってしまったよ。よかったら……今から俺と遊ばないか?」
夜の渋谷で、軽々しく声をかけられて振り向けば、背の高い男の姿。
ダークのスーツを身にまとい、袖から覘いている高級そうな腕時計。全身から放たれる危険なオーラはカタギのものではない。
第一印象で、ぶっそうな職業の人間だと読み取ってしまったけれど、それが一樹との最初の出会いだった。
誘われるまま、高級レストランに行って食事をして、そのあと会員制のクラブにも行った。そして、一樹と口づけ。
クラブの雰囲気に惑わされて、一樹とキスをしてしまった場面を思い出すと、裕也は自嘲の笑みを浮かべる。
たった数時間前に出会った男と、キスを交わすなんて……
我ながら、軽い男だと……
あの日から、一樹と付き合うことになり、こうしてベッドの中で熱いキスをして、情熱に身を任せて愛撫しあうことも数え切れないほど繰り返している。
ただし、セックスはしていないけれど……。
一線を越えられないのは、やはり一樹がヤクザだからか。
社会の秩序を乱す人間は、昔から嫌いだった。
・+☆+・
2/50話
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あ、まだ一線は越えていない恋人同士なんですね。
ますます今後が楽しみ〜^^。
にしても一樹さん、カッコいいヴィジュアルが浮かびます〜☆★☆
にしても、あえて書きにくい設定に挑むふつかさんは、やっぱり凄いです。
2009/4/5(日) 午後 4:20 [ - ]
今まではだいたいっていうか、ほどんど学園ものを書いていたのですが、今回は思い切って趣向を変えてみました。
ヤクザものって、大昔書いたことはあるんだけど、ほとんどないです。
あとは、リーマンものとかも書いていたかな。
かいるさんのような、素敵な小説が書けるようにがんばっていきます。
応援ありがとうございます。
2009/4/5(日) 午後 11:30