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同じクラスの不良たちにも強い嫌悪感をもっているぐらいだから、暴力団となるとなおさらだ。
それが心の奥で引っかかり、気持ちのなかで一樹と身体を交えることを拒んでいるのかもしれない。
よりによって、ヤクザの男を好きになってしまうなんて……
少し後悔に似た思いが湧きだっているところ、背後から声をかけられた。
「最近、お前ノリが悪いな。もしかして、俺たち倦怠期か?」
たしかに、一樹と出会ってから一年半になるけれど、マンネリが原因で元気をなくしているわけでもない。
倦怠期というのは、一樹の思い違いだ。
相変わらず黙り込んでいる裕也に、一樹はおもしろくない顔をしてふぅっと煙草の煙を吐いた。
「明日、うちの組の定例パーティーがあるんだ。一緒に出てみないか?ちょっとした気晴らしになると思うんだが……」
先ほどから口を開かない自分を、元気づけさせようとしているのだろうか?
唐突に「パーティーに行かないか?」と尋ねられて返答に困ってしまった。
だいたい元気がないのは倦怠期だからではなくて、ヤクザを好きになってしまった自分自身の悔やみ……みたいなものがあるからだ。
倦怠期だからパーティーで気晴らししようとしているのであれば、それは全くのお門違いである。
まだ、口を固く結んでいる裕也に、一樹はさらに言葉を継いだ。
「たまには、いつもと違う雰囲気を楽しむのもいいじゃないか。酒やうまい物もたらふく食えるからな、悪くはないと思うぜ」
先ほどから何も言わない裕也に苛立っているのか、少し口調が強くなっている。
このまま、黙っていれば、さらに険悪なムードになってしまう。裕也は、肩で息をついてから口を開いた。
「わかった、パーティーとやらに一緒に行こう。どうせ、明日は暇だし……。でも俺は、未成年だからお酒は飲めないよ」
「ああ、そうだったな。パーティーで着る服は組の者に用意させる。明日は、二人で楽しもう」
同意を得たことが嬉しかったのか、一樹は声を和らげて裕也の首元にキスをした。
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3/50話
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