|
裕也は、尻もちをついたままでいる拓海に手を差し伸べて立ち上がらせた。
「大丈夫か?」
怯えている拓海に気を遣って、できる限り優しく声をかけたけれど、拓海の身体の震えは止まらない。
ただ、か細い声で「大丈夫……」と答えるのが精一杯のようで、そのままうつむいてしまった。
裕也の喉が、ゴクリと鳴る。
陽の光にあたってきらめいている、やわらかな髪がさらさらと流れて、小さな身体をさらに縮めている拓海。その華奢な身体がとても弱々しくて……。
ぎゅっと抱きしめて、守ってあげたい……。
そんな気持ちにさせてしまうほど、拓海には魅力があった。本人は気付いていないみたいだけど。
「大丈夫だ。俺が守ってやるからな」
そっと、小さな身体を抱き寄せて背中を撫でる。
「さっきは、ありがと……」
頼りがいのある裕也の言葉に安心したのか、拓海の、小さな口から出たお礼の言葉。裕也より頭一つ分身長が低い拓海は、抱かれた胸のなかから顔を上げて、それまで固くなっていた表情をやわらかくし口元にはうすく笑みをこぼす。
裕也は、嬉しくなって顔をほころばせた。
「いや、たいしたことないって。怪我もないことだし……」
言い終わると、潤いのある瞳でまじまじと見つめられていることに気がついて、裕也は胸を高まらせた。
胸のうちから、ぐつぐつと湧きだす欲望。
はやる気持ちを抑えこみ、拓海を怖がらせないようにして、ゆっくりと優しく、やわらかい栗色の前髪を掻きあげる。そして、露わになったおでこにキスをした。
フローラルな香りがほのかに鼻腔をくすぐり、たまらず拓海を強く抱きしめてしまった。
「…あ…ッ」
驚きに似た声が小さく漏れて、それを塞ぐようにして軽く口づけを交わす。
震えている?
拓海の身体が震えていることに気づき、心配になって唇を離すと、頬を桜色に染めている拓海の顔があった。口が半開きになったまま、目には涙を浮かべている。
「イヤだった?」
裕也の問いかけに、拓海は左右に首を振る。
「ううん。なんだか気持よくって、身体が自然と震えたの……」
「そうか……。俺が……拓海の嫌なこと、全部忘れさせてあげるよ」
潤んだ、頼りなげな瞳で見つめる拓海に、裕也はいたずらっぽく笑みを浮かべた。
・+☆+・
10/50話
□□
□□□
□□□□
これまでのお話しの一覧を見るには、各お話しにある「トラックバック先の記事」から一度1話にお戻りください。
1話にある「トラックバックされた記事」をみていただくと、各お話しの一覧がわかるようになっています。よろしかったらご利用ください。
|
ども、はじめまして!
小説カテゴリーのブログを廻ってて、ここへ着いちゃった♪
執筆はいろいろと苦労があるけど、がんばってね☆
2009/4/18(土) 午後 8:05
おお〜!?裕也くんが、何だか攻っぽく?
しかも、これってウ○キ!?拓海くん、可愛いから無理ないけど〜〜☆
って、すいません…意外な展開に興奮してしまいました。
続きが気になります〜☆
2009/4/18(土) 午後 10:51 [ - ]
こんばんは。ふつかさんに刺激を受けて私も書いてみました。。。難しいけど書くっていいですね。お時間があれば読んでください。
2009/4/18(土) 午後 11:23 [ 1 ]
ありがとうございます。ふつかさんみたいに萌える文章が書けないんですが。ふつかさんみたいに続きが読みたくなるような素敵な文章が書けるようにがんばります。続き期待しています。
2009/4/19(日) 午前 7:21 [ 1 ]